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ソニー、映画スタジオ連携で24基の仮想スピーカーを生成する「BRAVIA Theatre Trio」

シアターシステム「BRAVIA Theatre Trio(HT-A8)」

ソニーは、ホームシアターシステムの新商品として、ソニー・ピクチャーズスタジオの音響特性を反映させて、映画館のようなサウンド体験を生み出す「BRAVIA Theatre Trio(HT-A8)」を6月13日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は30.8万円前後。

“Tiro”という名称の通り、3スピーカー構成のシアターシステム。フルワイヤレスのため、3つのスピーカーをケーブルでつなぐ必要はない。

ソニーは2021年に、4本のワイヤレススピーカーと小型のコントロールボックスを組み合わせたシアターシステム「BRAVIA Theatre Quad(HT-A9)」、そして2024年にその後継機「BRAVIA Theatre Quad(HT-A9M2)」を発売しているが、今回は“3つのフロントスピーカー”だけで「360立体音響」を実現。

さらに、360立体音響のアルゴリズムをアップデート。映画スタジオの音響特性を計測&分析させることで、最大24基の仮想スピーカーを生成(Quadは最大12基)。それらを最適に配置させることで、システム単体で劇場に近い体験を再現することを目指している。

ソニーによれば、ホームシアター製品における映画スタジオ連携は今回が初めて、とのこと。

「映画サウンドは様々な工程を経て制作されるが、最終的なミックスは“映画館の音響特性を備えたスタジオでミックス”される。ソニーは今回、スタジオの音響特性を分析し、その音響特性に合わせてリビング空間の音響特性を最適化する仕組みを導入した。これにより音響クリエイターの意図を家庭でも実現できる」と、している。

なお、Trio発売後も、Quad(A9M2)は引き続き販売する。

画面を3つのスピーカーで囲み、広がりのある音場と音像を生み出す

フロントLRスピーカーとセンタースピーカーによる、3ユニット構成を採用しているのが本機の特徴。

この3ユニット構成は、近年増えつつある“大画面サイズのテレビ”とのマッチングを考慮したもの。

テレビスタンドに設置するサウンドバーと大画面テレビの組み合わせの場合、音が下方に固まってしまい広い音場における音の密度に限界が生じる。一方、左右セパレート型のスピーカーを組み合わせた場合でも「中央部の音の密度が不足しがち」という。

そこで、フロントLR&センターによる3ユニット構成とすることで、大画面サイズでも、テレビを包み込むような広大な音場を実現できるようにした。

同時発表のRGB LEDバックライト搭載液晶「BRAVIA 9 II」との組み合わせ例

3ユニットの効用は、「クリアで厚みのあるセリフ再生」、「音像の定位」、そして「広大な音場と大きな音像表現」。

独立したセンタースピーカーを用意することで、映画再生でも重要な、豊かで緻密な中音域を再生。またセンターがあることで視聴位置が中央からズレても音場が偏ることなく音像が安定し、より自然でバランスの取れた音場が可能になる。

そして、画面を3つのスピーカーで囲むことにより、テレビのスケールに見合った広がりのある音場と音像が生み出せるという。

フロントLRスピーカーは、フロントバスレフの2ウェイ。20mmハイレゾツイーターと新開発&低歪の100mmウーファーのコンビで、クリアな高音再生と力強い低音再生を両立。さらに、頭上からつつみ込まれるような音響を再現する、新開発&低歪の80mmイネーブルドスピーカーを天面に設置した。

イネーブルドスピーカーは、後述する仮想スピーカー生成技術「360 Spatial Sound Mapping」で欠かせないもの。より臨場感あるサウンドを実現するために、上向きスピーカーの傾斜角度や上部の音響孔の設計を最適化することで、高さ方向の音表現を強化してい

フロントLRのイネーブルドスピーカー

センタースピーカーは、サイドバスレスの2ウェイで、25mmハイレゾツイーター、新開発&低歪の45×108mmウーファーを搭載。フロント、センター共に音質の特性を統一し、各ユニットともに同じアプローチで設計されているという。

センタースピーカー

ソニー・ピクチャーズ連携で「360SSM」技術が進化

Trioのもうひとつの特徴が、仮想スピーカー生成技術「360 Spatial Sound Mapping(360SSM)」の進化。間接音を再現する仮想スピーカーの生成に、ハリウッドメジャー「ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント」と連携が行なわれた。

具体的には、ソニー・ピクチャーズ内にスタジオの音響特性(直接音や間接音)を測定し、分析。その分析に基づいて、Trioが最大24基の仮想スピーカーを生成。最適化アルゴリズムにより、家庭環境に設置したTrioが空間固有の響きや共鳴感までを忠実に表現し、映画館に近い体験を提供するという。

天井までの距離、スピーカー間の距離、側壁までの距離など「スピーカー位置に応じた最適化」、スマホアプリで位置を識別する「視聴位置に応じた最適化」に加え、新モデルでは「部屋の環境に応じた最適化」も実現した。

これは、同梱のキャリブレーションマイクを使うことで、実現するもの。既発売のQuadでは、手軽なスマートフォンの内蔵マイクを使っていたが「検出可能な周波数帯域が狭く、キャリブレーション精度に制限があった」という。

Trioでは、専用のキャリブレーションマイクを用いることで、各チャンネルの検出精度が向上。さらにイネーブルドスピーカーやサブウーファーの検出も可能にした。その結果、Trioを設置した部屋の環境や特性による音への影響をより高精度に低減できるようになっている。

専用のキャリブレーションマイク

サブウーファーを2大同時に接続する“デュアル使用”が可能

なおTrioは、発売中のリアスピーカー「SA-RS5/RS3S」「Rear 8」、サブウーファー「Sub 7」のほか、2026年新モデルのリアスピーカー「Rear 9」やサブウーファー「Sub 9/8」といったオプションスピーカーを追加することで、サウンドクオリティをより高めることが可能。

Trioにリアスピーカーを追加すれば、背後からのサウンドを強化し、より広がりある音場と優れたサラウンド性能が可能に。またサブウーファーを追加すれば、低音域でのセリフのこもりを減らし、より深くクリアな低域を実現。音場全体への拡がりと厚みも強化できる。

さらにTrioは、サブウーファーを2大同時に接続する“デュアルサブウーファー”に対応。2台設置することで、バランスの取れた低域再生を実現。音圧も向上し、部屋全体を包み込む迫力と安定感のある重低音が実現できるという。

同時発表されたリアスピーカー「Rear 9」(写真下段左)、サブウーファー「Sub 8」(下段中央)、「Sub 9」(下段右)

入出力はeARC対応のHDMI 2.1が各1系統。8K/HDR、4K/120p、Dolby Vision信号のパススルーに対応。対応の音声フォーマットはDolby Atmos、DTS:X、360RA、ハイレゾ。IMAX Enhanced認証も取得している。Spotify ConnectやApple AirPlay 2も利用できる。

外形寸法は、フロントLRが約160×165×337mm(幅×奥行き×高さ)で、センターが約589×165×64mm(同)。