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ソニー、4本で12個の仮想スピーカーを生み出す新感覚サラウンド
2021年7月21日 10:03
ソニーは、4本のワイヤレススピーカーを部屋に配置する事で、壁や天井での音の反射を利用し、12個のファントムスピーカーを生成、サラウンド空間を作り出す新機軸の製品「HT-A9」を8月7日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は22万円前後。
カテゴリとしてはサウンドバーだが、1本の横長のバースピーカーではなく、160×147×313mm(幅×奥行き×高さ)のスピーカーを4本セットにした製品。これ以外に、HDMI入力などを備えた小型のコントロールボックスがセットになっている。コントロールボックスと4本スピーカーの接続はワイヤレス。そのため、スピーカーケーブルが不要なシステムだが、4本のスピーカーはバッテリー駆動ではないため、それぞれに電源ケーブルを接続する必要がある。
4本のスピーカーには、正面に向けてツイーターとフルレンジユニットを内蔵。さらに、天面に、斜め上に向けてイネーブルドスピーカーを搭載。独自のモノポールシンセシス技術と、音場最適化技術を使うことで、壁や天井に音を反射させ、12個のファントムスピーカーを生み出し、理想的なサラウンド空間を作り出せるという。この技術は「360 Spatial Sound Mapping」機能と名付けられている。
設置の特徴として、テレビの両脇に2本のスピーカーを配置する時や、ユーザーの背面に2本のスピーカーを配置する際、それぞれの左右の設置高さが揃っていなくても、補正を行なう事でサラウンド空間を作り出せる。例えば、テレビ脇の右スピーカーだけ壁掛けし、左スピーカーはテレビラックに設置。リアスピーカーの左チャンネルは出窓のスペースに、右チャンネルはテーブルの上に、といった比較的自由な設置が可能。
設置時の目安となる推奨距離は3~4m四方(フロント間は2~3m)だが、フロントは最大3.5m、最小1m、フロントとリア間は最大5m、最小2.5mの範囲まで対応可能。天井までの距離は1~4mまで対応する。なお、床置きは推奨していない。また、フロントは必ずテレビの左右に設置する必要がある。
搭載するユニットは、19mmのソフトドームと、フルレンジが70×82mm。イネーブルドスピーカーは46×54mmのフルレンジ。なお、フルレンジユニットは丸形ではなく、楕円形などのX-Balanced Speaker Unitとなっている。最大出力は、ツイーター、フルレンジ、イネーブルドスピーカーいずれも各42W。
ブラビアの「A90J/A80J/X95J」シリーズと組み合わせた場合、ブラビアに内蔵しているスピーカーを、追加のセンタースピーカーとして使うことも可能。「アコースティックセンターシンク」と名付けられた機能で、セリフなどが聞き取りやすくなる。利用する場合は、テレビとのHDMI接続に加え、付属のアナログオーディオケーブルでサウンドバーとテレビを接続する。
また、A90J/A80J/X95J/X90J/X85JシリーズとHDMI接続した際は、ブラビア側のクイック設定画面に、サウンドバーのメニューが追加できる。音質モード、ボイスモード、ナイトモード、Immersive AE、サブウーファー音量、リアスピーカー音量を追加でき、テレビのリモコンから、これらサウンドバーの設定が手軽に行なえる。
4本スピーカーのサイズや搭載しているユニットに違いはないが、どのスピーカーを、どの位置に置いても良いわけではなく、それぞれの役割はあらかじめ決められており、底面に、このスピーカーは4カ所のどの位置に設置するかが、書かれている。
コントロールボックスのサイズは150×150×52mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は700g。背面にHDMI入出力を各1系統備え、LAN端子も搭載。無線LANも搭載する。
8K/60Hz、4K/120Hz映像のパススルーも可能。なお、8Kや4K/120の伝送には同梱のHDMIケーブル、あるいはUltra High Speed HDMIケーブルが推奨されている。eARCやHDR映像にも対応。光デジタル音声入力やアナログ音声入力は搭載していない。
Bluetoothの受信・送信にも対応。コーデックはSBC/AACに加え、LDACもサポートする。DSEE Extremeも搭載。サラウンドフォーマットは、DTS:X、Dolby Atmos、リニアPCM 7.1chまで対応する。