【2012東京インターナショナルオーディオショウレポート 1】
LUXMANらがDSD対応DAC。DYNAUDIOはEvidence Platinum
日本インターナショナルオーディオ協議会(IASJ)が主催する、オーディオ機器の展示/試聴イベント「2012東京インターナショナルオーディオショウ」が11月2日から4日まで、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されている。入場は無料。
国内外のオーディオ機器を展示するイベント。各メーカーが防音処理を施した個室を用意し、普段気軽に試聴できないハイエンド機器からミドルクラスのモデルまで、様々な機器を一度に体験できるのが特徴となっている。
■ラックスマン
プリメインアンプ「L-507uX」 |
ラックスマンのブースでは、プリメインアンプ「Xシリーズ」の第4弾モデルとして、8月から発売している「L-507uX」(451,500円)をメインに訴求。電子制御アッテネーター「LECUA」や、独自の高音質帰還回路ODNFをA級化した「ODNF 3.0」などを搭載するほか、クラス初となるパワーアンプ部最終段の3パラレル化を実現し、純A級プリメインアンプのフラグシップモデルL-590AXと同等の負荷対応力を持たせているのが特徴。
また、10月に発表され、先日の「秋のヘッドフォン祭 2012」でお披露目されたバランス対応のフラッグシップ・ヘッドフォンアンプ「P-700u」(12月発売予定/294,000円)も展示されている。
さらに、来年発売を予定している参考展示モデルとして、DSDにも対応したUSB DACの新モデル「DA-06」も登場。DSD 5.6MHzに対応するのが特徴で、価格は未定。このDACと、同社リファレンスコンポのD-08、C-800f、M-800Aを組み合わせた試聴デモも実施している。
バランス対応のフラッグシップ・ヘッドフォンアンプ「P-700u」 | 試聴の様子 | ラックの左上にあるのが、DSD対応のUSB DAC「DA-06」参考モデル |
■アクシス
アクシスのブースでは、米Ayre AcousticsのUSB搭載DAC「QB-9」のDSD対応モデル「QB-9 192-DSD Version」を参考展示している。価格や発売日は未定だが、「ハードウェア的にはQB-9とほとんど同じであり、通常のQB-9と同じような価格になる予定」だという。既存ユーザーへのDSD対応アップデートも検討しているとのこと。
AyreのUSB搭載DAC「QB-9 192-DSD Version」 | 背面 | Dan D’Agostino(ダン・ダゴスティーノ)ブランドのステレオパワーアンプ「MOMENTUM(モメンタム) STEREO」など、新製品も紹介されている |
■ディーアンドエムホールディングス
5月に発売された、DALIのスピーカー「EPICON6」の姉妹機にあたるフロア型「EPICON8」と2ウェイブックシェルフの「EPICON2」を参考展示している。どちらも来春発売予定。価格は未定だが、「EPICON8」はペアで200万円程度、「EPICON2」はペア50万円程度のイメージだという。
奥にあるのが「EPICON8」、手前が「EPICON6」 | 右のブックシェルフが「EPICON2」 | 搭載ユニット |
「EPICON6」と同様に、ウーファの磁気回路(Linear Force Motor System)に使用されているSMC(ソフト・マグネティック・コンパウンド)を使用。ポールピースとトッププレート内周部(ボイスコイルに近接する部分)に使われているもので、コンパウンド状の粒が小さい砂鉄の一粒一粒に、電気的絶縁性のある科学的コーティングを施し、固めて作られている。これにより、電流歪を抑えているのが特徴。「EPICON8」では2基の8インチユニットと6.5インチユニット、「EPICON2」では6.5インチユニットで使用している。
コーン部分はウッドファイバーコーン。高域は、「EPICON8」がシルクソフトドームとリボンツイータのハイブリッドタイプ。「EPICON2」はドームツイータのみとなる。
ブース内にはDALIだけではなく、デノンのAVアンプ「AVR-4520」や、新しいヘッドフォンシリーズなど、新製品が紹介されている |
■エソテリック
エソテリックブースには、初披露の新製品が多数登場。12月初旬に発売を予定しているのがプリアンプの「C-02」(147万円)、12月中旬発売予定のプリ「C-03X」(84万円)。「C-02」はフルバランスのデュアルモノ・プリアンプで、新しいリファレンスプリとして開発。「QVCS」と呼ばれるボリュームコントロールを備え、コントロール信号は左右チャンネル、正・負ごとに独立させた合計4回路のゲイン可変式ボリュームを一括連動。チャンネル・セパレーションと位相特性に優れたクリアな音を実現しているという。「C-03」もフルバランスのデュアルモノ・プリで、「QVCS」を備えている。
ほかにも、SACDプレーヤー「K-05」と、プリメインアンプ「I-05」のそれぞれに、限定100台でブラックモデル(B)を追加。11月下旬発売予定で、価格は「K-05 B」が577,500円、「I-05 B」が420,000円。
スピーカーでは、TANNOYの「キングダム・ロイヤル」のバリエーションモデルを参考展示。全体がブラックになり、側面にチタンのようにも見える素材を使っているのが特徴。ただし、仕様や価格、発売日などは未定。「Canterbury/GR」というモデルも参考出品している。
また、avantgardeの超弩級スピーカーの再生デモも実施。「trio classico + basshorn ×2」の総額11,340,000円にもなるシステムで、ホーンスピーカーならではのサウンドを聴かせてくれる。
プリアンプの「C-02」 | プリアンプの「C-03X」 | 「K-05 B」 |
「I-05 B」 | 「キングダム・ロイヤル」の新バリエーション(右)と「Canterbury/GR」(左)も参考展示 | avantgardeのホーンスピーカーの試聴が人気を集めている |
■DYNAUDIO
DYNAUDIOブースでは、世界初公開というフラッグシップ「Evidence」シリーズの新製品「Evidence Platinum」を展示。再生デモも行なっている。発売時期や価格は未定だが、ペア700万円程度になる見込み。スペックは11月にリリースされるという。
また、発売が開始されたワイヤレスのハイエンドスピーカー「Xeo」(シオ)シリーズも紹介。ユニークな展開として、XEOを保護しながら持ち歩ける専用バッグも発売予定。IWASAKIがデザインや製造を担当するという。
世界初公開の「Evidence Platinum」 | ワイヤレススピーカー「Xeo」 | 「Xeo」を持ち運ぶバッグも登場 |
■リン
リンジャパンのブースでは、7月から発売を開始しているコンパクトなオーディオシステム「KIKO」(378,000円)をメインに紹介。メインユニットの「KIKO DSM」と「KIKO Speakers」で構成するシステムで、豊富なカラーバリエーションを用意しているのも特徴。
ネットワークオーディオ「DSM」シリーズのラインナップで、ネットワークHDDやPCに保存した音楽データを、LAN経由で再生可能。DSMシリーズ用の各種ソフトウェアが利用でき、iPhoneなどに保存した音楽を無線LAN経由で再生できる。AirPlayには対応していないが、互換性を持ち、AirPlayと同様の感覚で利用できるという。
ブース内には、オリオスペックのファンレス静音パソコン「Ritmo」も展示。リッピング用PCや、ネットワークオーディオ用の音楽サーバーとしての利用をアピール。リモートデスクトップ機能を用い、タブレットから「Ritmo」を操作し、リンのシステムから音を出すという利用も想定されている。
「DSM」シリーズの「KIKO」 | オリオスペックのファンレス静音パソコン「Ritmo」 |
■その他
オルトフォンは、500個限定生産のアナログカートリッジ「SPU Spirit」(126,000円)や、銘球「KT88」を採用した真空管アンプ「Kailas b4」などを中心に展示。ヘッドフォン祭でも参考出展している、初のポータブルヘッドフォンアンプ「MHd-Q7」(11月前半発売予定/38,000円前後の見込み)も紹介している。
500個限定生産のアナログカートリッジ「SPU Spirit」 | 真空管アンプ「Kailas b2」 | 初のポータブルヘッドフォンアンプ「MHd-Q7」 |
ナスペックは、米Joseph Audio(ジョセフオーディオ)の新スピーカー「PERSPECTIVE」(11月1日発売/ペア157万5,000円)の試聴デモを実施 | ナスペックはオーストリアのPro-Ject Audioの新製品として、小型コンポシリーズのプリアンプ「Pre Box S」、パワーアンプ「Amp Box S」、CDプレーヤー「CD Box DS」なども展示している |
(2012年 11月 2日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]