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スマートフォンで「Wireless HD」。新トランスミッタ

「microSDより小さく」。Silicon Image開発

UltraGig 6400

 Silicon Imageは、スマートフォンやタブレット向けのWireless HDトランスミッタ「UltraGig 6400」を発表した。すでに機器メーカー向けにサンプル出荷を開始しており、量産は2013年夏を予定。搭載機器は2013年度中の発売が見込まれる。

 Wireless HDは、60GHz帯の無線信号を利用し、1080/60pのHD信号を非圧縮でワイヤレスで伝送する技術。UltraGig 6400は、第4世代となるWireless HDチップで、60GHzのRFトランシーバー、ベースバンドプロセッサ、アンテナアレイを一つのICパッケージに収めており、省スペース/低消費電力が特徴。チップのサイズは10mm×7mmで「microSDカードより小さい」という。消費電力は500mW以下。

UltraGig 6400モジュール
第2世代(下)、第3世代製品(中央)と比較。消費電力は第2世代で10W程度、第3世代で2~3Wだった
第1世代(右)は大型ヒートシンクを搭載していた

 Wireles HD 1.1に準拠。小型/省電力化により、モバイル機器への組み込みを容易にしたほか、MHL 2.0のトランスミッタも内蔵しており、有線でのHD映像出力にも対応可能。スマートフォンやTabletメーカーに採用を呼びかけている。

UltraGig 6400の特徴
ワンチップに主要機能を統合

モバイル重視はスマートフォンが市場をドライブしているから

Silicon Imageプロダクトマーケティング副社長 Tim Vehling氏

 Silicon Imageプロダクトマーケティング副社長 ワイヤレス部門副社長 事業部長のTim Vehling氏は、Wireless HD技術やUltraGig 6400の特徴を説明。無線LANの2.4GHz/5GHz帯と異なり、60GHz帯では干渉が少ないこと、遅延が5ms以下と少ないことから、ビデオやオーディオ伝送用に優れた技術であることを強調した。

 特に遅延が少ないことからゲーム用途に向くこともアピール。たとえばタブレットをコントローラとし、テレビ画面でゲームをプレイするという場合でも、低遅延でストレス無くプレイできること、HD動画を5m以上離れた距離から操作できることなどを訴求した。

ゲームプレイのデモ

 なお、WirelessHDについては、出力機器となるディスプレイでの対応が進んでいない。そうした状況下でのスマートフォンやタブレットでの導入が進むのか? との問いに対しては、「最初はスマートフォンから採用を進め、テレビに接続するアダプタを50ドル以下で提供できるようにする。スマートフォン側の採用が進めば、数年内にテレビの標準的な機能になると考えている。これはMHLの導入時と同じで、まずスマートフォンから導入し、現在はテレビでの対応が進んでおり、3年目となる2013年には市場の1/3のテレビがMHL対応になる見込み。HDMIの立ちあげ時は、テレビが市場をドライブしていたので、テレビでの対応を優先したが、今はスマートフォンが市場をドライブしている。だからモバイル対応を強化している」と説明した。

60GHz帯で安定した映像伝送を可能に
Miracastとの違い

(臼田勤哉)