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LG、55型有機ELテレビを3月に米国発売。約100万円

Google TV第3世代や、100型レーザーテレビも発表

 LG Electronicsは7日(米国時間)、International CESの開催に先駆け、米国ラスベガス市内のMandalay Bayホテルのボールルームにてプレスカンファレンスを開催した。

大混雑のLGプレスカンファレンス
注目の55型有機ELテレビはついに型式番も与えられ、想定価格も発表

スマートライフを実現するための3要素とは?

LGの2013年の製品戦略を語る、CTOのDr.Skott Ahn氏

 2013年のLGのテーマは「Touch the Smart Life!」。

 冷蔵庫、洗濯機といった白物家電からテレビなどのホームエンターテインメント機器、PC,携帯情報機器などのIT関連機器までを全て相互連携させるソリューションを展開していくことを表明した。

スマートライフを実現する3要素とは?

 「複雑な機能を沢山搭載しただけではスマート機器にはならないし、生活もスマートにならない」というメッセージを強調した上で、LGのスマート機器は、冷蔵庫も洗濯機もテレビもスマートフォンでタッチするだけで相互に簡単に繋がることをアピール。

 続いてAhn氏は、スマートライフは「自由で自然」(Free and Natural)、「ストレスフリー」(Stress-Free)、「息を飲む凄さ」(Breathtaking)の3つで実現されると述べ、様々なLG新製品に実装されたその3要素について紹介した。

新リモコンはジェスチャー/音声操作対応

 「自由で自然」を具現化する技術として紹介されたのは新型「Magic Remote」だ。

 LGは、テレビ向けリモコンとしてMagic Remoteと呼ばれるポインティングデバイス型リモコンを実用化し、2012年からは日本市場向けテレビ製品にも正式採用している。2013年のスマートテレビ製品には、その新型2013年版Magic Remoteを搭載するという。

 新型Magic Remoteでは、従来のポインティング機能に加え、ジェスチャー入力による手書き入力に対応。チャンネル15に切り換えたい場合は、テレビに向かって「15」と手書き(ジェスチャー)入力をすればいい。

 さらに、音声入力にも対応。新型Magic Remoteに話しかけることでチャンネル操作屋音量操作などの各種テレビ操作が行なえる。また、番組名などのキーワードを音声入力して、対応する番組に切り換える「曖昧チャンネル切換」にも対応する。Ahn氏によれば「テレビ側にではなく、リモコン側にマイクを付けているので雑音に強い」とのことだ。

手書き入力に対応した新型Magic Remote
音声入力も可能

 Ahn氏は「手を動かしてのジェスチャー入力は腕が疲れるので実用的ではない」と述べた上で、2013年モデルのLGスマートテレビ製品は指先によるジェスチャー入力にまで対応すると発表。これは、テレビ側に内蔵された高解像度カメラによって実現される機能と説明された。

 「ストレスフリー」(Stress-Free)は、LG製の家電製品同士が、スマートフォンとワンタッチで設定いらずで相互に繋がることで実現される。これは、実質的には、近接双方向通信のNFC(Near Field Communication)規格を採用していると見られる。

指入力によるジェスチャー操作が行なえる
白物家電と情報機器との連携はワンタッチ

55型白色有機ELテレビは約100万円で3月に発売

  「息を飲む凄さ」を具現化する製品として、最初に紹介されたのは昨年「2012年中に発売する」と紹介されて実際には発売されなかった55型の有機ELテレビ。

 昨年のInternational CESで発表された時点では、コンセプトモデルでしかなかった55型有機ELテレビだが、今回のプレスカンファレンスでは型番が「55EM9700」と発表された。

 この55EM9700は、2013年にワールドワイドでの発売が計画されており、北米市場では3月から市場想定価格12,000ドル(約103万円)で発売するとアナウンスした。

55型、有機ELテレビがついに発売に
有機ELテレビは55型ワンモデルで米国では3月より発売される

 55EM9700は、ディスプレイ部の最薄部は約4mm、重量は約10kg。各画素は白+RGBの4サブピクセルで構成され、白色ピクセルは輝度強調とコントラスト強調に利用される。また、RGBサブピクセルも白色有機ELにカラーフィルターを組み合わせて実現されるため、RGBサブピクセルを個別に形成させるタイプの有機ELディスプレイと比較してコストパフォーマンスに優れた実現様式と言われる。

 もう一つの「息を飲む凄さ」を具現化する製品として紹介されたのは、北米ではULTRA HD(UHD)として呼ばれる4Kテレビ製品だ。

 LGのIPS液晶採用の84型の4Kテレビは、北米市場では「84LM9600」として2012年10月から販売が開始されているが、2013年は、この4K液晶テレビ製品の画面サイズ・バリエーションが増やされることが発表された。具体的には先行発売されている84型に加えて、65型、55型のモデルがラインナップされるとのことだ。

84型4K液晶テレビは北米では2012年10月より発売。2013年は4K液晶テレビ製品としては65型と55型が追加される予定
84型4K液晶テレビは、大画面への期待が強い北米市場ではもっとも注目度の高い製品の1つ

Google TVは第3世代。100型レーザーテレビも

Google TVは第3世代に

 2013年、LGは、スマートTV製品のラインナップ拡充を強化していく計画だとのことで、LGの全テレビ製品のうち70%をスマートテレビ化していくという。

 LGは、スマートテレビ製品としてGoogle TVもラインナップしているが、2013年は第3世代Google TV製品として「GA7900」と「GA6400」を発売することを発表。Magic Remoteではないが、新型のキーボード搭載型リモコンには音声入力マイクが搭載され、「ラスベガスが舞台の強盗映画」で音声入力すると、「オーシャンズ11」の放送を探してくれるような機能デモがプレスカンファレンス会場で行なわれていた。

Google TV新製品用のリモコン(キーボード面)
テレビリモコン面
音声入力番組検索のデモ。番組の内容をぼんやりと話すだけで候補番組が提示される

 また、プレスカンファレンス会場に物はなかったが、84型4Kテレビよりも大型の100型プロジェクションテレビの新製品が、2013年のテレビ製品の目玉としてピックアップされた。映像コアはレーザー光源を搭載した超短焦点光学系を採用したプロジェクションシステムで、100型の投写を約55cmで実現しているとのこと。これは実機がブース展示されるようなので、詳細は追ってレポートすることにしたい。

スマートフォンのゲームをワイヤレス接続して大画面テレビで3D立体視でプレイ可能に
100型のレーザーテレビも発表された
PC液晶ディスプレイはWindows 8対応製品が拡充。写真左は10点マルチタッチに対応する新製品
10点マルチタッチ対応の23型液晶ディスプレイ製品「ET83」

(トライゼット西川善司)