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キヤノン、赤ちゃん撮影モード搭載ビデオカメラ「R42」

生後日数入りで撮影。スマホ連携。AVCHD/MP4同録

HF R42

 キヤノンは、ビデオカメラ「iVIS」シリーズの新製品として、赤ちゃんの撮影に便利な「ベビーモード」を搭載し、無線LAN機能も強化した「HF R42」を2月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、直販サイトでの価格は54,980円。カラーはピンク、レッド、ブラック、ホワイトの4色展開となる。内蔵メモリは32GB。

カラーはピンク、レッド、ブラック、ホワイトの4色展開4色展開
左がブラック、右がホワイト



ベビーモードを搭載

 赤ちゃんの誕生をきっかけにビデオカメラを購入する人も多いため、そうした撮影に便利な「ベビーモード」を搭載するのが特徴。あらかじめ赤ちゃんの誕生日を登録しておくと、カメラ側が生後日数を自動計算し、撮影した動画に「生後日数スタンプ」を挿入できる。身長と体重もその都度入力すれば、タッチデコレーション機能として追加される。これにより、例えば撮影時に赤ちゃんの周囲に「1歳」、「60cm」、「6.3kg」などのスタンプを好きなように配置して撮影できる。

ベビーモードを設定しているところ
撮影中の画面に、タッチデコレーションとして生後日数や身長・体重を重ねて収録できる

 録画ボタンを押す3秒前から記録を開始する「プレREC」機能もベビーモードに用意。はじめてつかまり立ちができた瞬間など、突然訪れる録画チャンスに柔軟に対応できるという。

 ベビー専用アルバム機能も用意。ベビーモードで撮影した動画は、1つのアルバムに保存・管理され、通常の撮影と分けて記録できる。また、撮影した日付順に映像をリスト表示でき、生後日数のスタンプを見ながら成長記録時系列で鑑賞できる。



スマホ/PC/タブレット連携も強化

スマートフォンから撮影動画のチェックが可能に
アプリを使い、遠隔操作しているところ

 無線LAN機能をカメラに内蔵。スマートフォンやタブレット、PCと連携する機能も強化されている。「リモートブラウズ」機能は、iOS/AndroidのスマートフォンやタブレットなどのWebブラウザからビデオカメラにアクセス。ブラウザがHTML5に対応していれば、ブラウザから撮影した動画や静止画をチェックできる。また、PCへの転送もサポートしてる。

 ただし、MP4形式で撮影した動画に限られ、Android機器では動画の再生・保存が可能だが、iOSではMP4動画の保存はサポートしていない。静止画はiOS/Androidどちらも再生/保存が可能。

 iOS機器でMP4動画の保存ができない点をサポートするため、iOS向けに「Movie Uploader」というアプリを用意。このアプリを使い、MP4動画の再生・保存に対応できる(35Mbpsの動画は除く)。保存したデータを、iOS機器からYouTubeやFacebookなどにアップロードする事も可能。

 iOS/Android向けにリモコンアプリ「Camera Access」も提供。カメラがとらえている映像をスマートフォンでチェックしたり、カメラの遠隔制御も可能。録画の開始/停止、ズーム操作、ライブ映像の視聴や、保存も可能(視聴保存時の形式はMP4、640×480ドット、30pの1.5Mbps)。カメラのバッテリ残量、記録可能時間、ズーム位置の確認もスマホから行なえる。

 カメラから直接、インターネットにアップロードする事も可能。CANON iMAGE GATEWAYにAccessしてアップロード可能。その動画のURLをツイートしたり、メールで通知する事も可能。YouTubeにアップロードする事もできる。

 こうした機能を簡単に使えるようにするため、AVCHDとMP4の2つのフォーマットで同時に動画を記録する事が可能。さらに、ビデオカメラの本体にトランスコード機能も搭載。内蔵メモリに保存したAVCHDからMP4にトランスコードでき、トランスコードしたMP4データをSDカードに保存できる。

 ただし、AVCHDの撮影最高ビットレートである28Mbps/1,920×1,080ドット/60pのデータと、35Mbps/1,920×1,080ドット/60pのデータを変換する事はできない。また、この2モードでは、前述のAVCHDとMP4の同時記録もサポートしていない。詳細は後述する。



その他の強化ポイント

液晶パネル内側、本体側面にある入出力端子部分

 操作性の改良として、パネルの開閉に連動して電源がON/OFFするアドバンストクイックスタート機能や、快適な操作ができる液晶モニタの静電式タッチパネルなどを採用。

 撮影時だけでなく、MP4への変換時であれば、撮影後にも映像にメッセージやアニメーションなどを追加できる「タッチデコレーション」にも対応。27種類のフレーム、8種類のアニメーションを用意しているほか、フリーハンド入力も可能。

 映像をシネマの雰囲気に変化させるシネマルックフィルターも7種類搭載する。

 映像処理プラットフォームは「DIGIC DV 4」になり、演算処理能力が大幅に向上。OISとの組み合わせにより、歩き撮り時の画像の歪みを大幅に軽減し、高画質な記録が可能になったという。また、マルチタスク性能も強化され、前述のAVCHDとMP4の同時記録を可能にしている。

左がブラックモデル、右がレッドモデル
上から見たところ
ピンクモデル

 カメラが撮影状況に応じて、手ぶれ補正のIS制御を自動で切り替える「マルチシーンIS」も進化。従来のOISだけでは補正できなかった、ロール・あおりを電子的に補正する「新ダイナミックモード」を搭載。不安定な歩き撮りでも、画像の歪を大幅に軽減できるという。

 AVCHDは最大28Mbps、MP4モードでは最大35Mbpsのハイビットレート録画が可能。前述の通り、AVCHDでの撮影に加え、MP4との同時録画や、AVCHDで撮影後にMP4にトランスコードする機能を備えている。詳細は以下の通り。

同時記録の組み合わせ
フォー
マット
ビット
レート
解像度フレーム
レート
+フォー
マット
ビット
レート
解像度フレーム
レート
AVCHD28Mbps1,920×1,08060p+
24Mbps1,920×1,08060i/PF30+MP44Mbps1,280×72030p
17Mbps1,920×1,080+
5Mbps1,440×1,080+
MP435Mbps1,920×1,08060p+
24Mbps1,920×1,08030p/24p+MP44Mbps1,280×72030/24p
17Mbps1,920×1,08030p/24p+
4Mbps1,280×72030p/24p+4Mbps
本体内トランスコード
フォー
マット
ビット
レート
解像度フレーム
レート
フォー
マット
ビット
レート
解像度フレーム
レート
AVCHD28Mbps1,920×1,08060p
24Mbps1,920×1,08060i/PF30MP424/17Mbps1,920×1,08030p
17Mbps1,920×1,080
5Mbps1,920×1,0804Mbps1,280×72030p
MP435Mbps1,920×1,08060p
24Mbps1,920×1,08030p/24pMP424/17Mbps1,920×1,08030p/24p
17Mbps1,920×1,08030p/24p4Mbps1,280×72030p/24p
4Mbps1,280×72030p/24p4Mbps1,280×72030p/24p

 有効約207万画素の1/4.85型CMOSセンサーを採用。最低照度は5ルクス(1/30秒時)で、暗いシーンでもノイズを抑えた撮影ができるという。

 35mm換算で38.5~1,232mmの光学32倍ズーム。撮像素子の有効エリアを効率的に使用する事で、ズーム領域を拡大させるアドバンストズーム使用時では53倍のズームが利用できる。

 液晶モニタは3型で、静電式タッチパネルを採用。内蔵メモリは32GB。SDメモリーカードスロットも用意する。外形寸法は53×116×57mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は本体のみで約235g、総重量が約285g。

(山崎健太郎)