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NHK、震災で全壊した石巻のテレビ共同受信施設の復旧工事を完了

長尾テレビ共同受信施設の設置状況

 NHKは、東日本大震災により運用を休止していた宮城県石巻市の「長尾テレビ共同受信施設」の復旧工事を3月末に完了したと発表した。

 同地域は津波により大きな被害を受け、地元組合と共同で設置/運営しているテレビ共同受信施設も全壊。現在も電力など一部のライフラインが復旧していないが、地元の漁業従事者らから、気象やニュースなどの情報をテレビで観られるようにしてほしいとの要望が多かったという。

別のテレビ共同受信施設から、23GHz帯の無線装置で中継して地デジを送信

 今回の復旧工事では、ソーラーパネルと充電バッテリを利用し、電力の供給が再開していない状況でも共同受信施設の動作に必要な電力を確保。施工には日本アンテナが協力した。

 また、震災によりUHFアンテナや増幅器などを設置していた受信場所も利用できなくなったため、北上川を挟んで対岸にある別のテレビ共同受信施設から、CATV事業に利用されている23GHz帯無線装置で中継して、地デジの信号を伝送している。各家庭でのテレビ視聴についても、ソーラーパネルや発電機を電源として利用している。

(中林暁)