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マセラティ、「クアトロポルテ」にB&Wスピーカー採用

42万円で追加可能。805スピーカー/P5ヘッドフォン限定版も

B&Wスピーカーを搭載したクアトロポルテ GT Sと、B&W ブランドディレクターのダニエル・ハイキン氏

 マセラティ ジャパンと英Bowers & Wilkins(B&W)は、4月にマセラティが発表した新型「クアトロポルテ GT S」に、オプションとしてB&Wのオーディオシステムを採用することを発表。都内でマスコミ関係者らを招いて、新マセラティ クアトロポルテの誕生を記念したイベント「SEVEN NOTES WORLD TOUR」を行なった。

 イベントでは、B&Wのオーディオシステムを搭載した新クアトロポルテ GT SのV8エンジンモデルを国内初披露、試聴デモを実施した。さらに、マセラティとのコラボを記念したB&Wスピーカー/ヘッドフォンの特別モデルも参考展示された。

B&Wのスピーカー15個を16chアンプで駆動。「マセラティで最高の音」

「クアトロポルテ GT S」のV8モデル

 新「クアトロポルテ GT S」は、最高出力530psというV型8気筒3.8リッターのツインターボエンジンを搭載する、大型ラグジュアリーサルーン。0~100km/h加速は4.7秒、最高速度は307km/hを超える。価格は1,690万円で、納車は6月から開始される。なお、詳細は僚誌Car Watchの発表会記事でレポートしている。

 この新クアトロポルテ専用オプションとして、B&Wのオーディオシステムを採用。合計15基のスピーカーと、16ch/合計出力1,280WのClassDアンプを使用。スピーカーのうち1基はデュアルボイスコイル搭載で、2つのアンプを用いて駆動する。ユニットには、アルミドームツイータやケブラーコーンのミッドレンジ、ロハセルのウーファなど、「B&W 800シリーズ」と同じ素材/技術を使用。

 アンプやサラウンド機能などはハーマンのカーオーディオ技術を採用。サラウンド技術の「Quantum Logic」や、どのシートでも均等に音響効果を感じられるという「AuraVox」を搭載する。車室に最適な形でスピーカーが配置され、レコーディングスタジオのシステムを扱うエンジニアらが試聴/調整。「これまでのマセラティの音響体験のうち、最高のものが実現された」としている。ディーラーオプションとなっており、価格は42万円。

 イベント会場で、短時間ではあるが試聴できた。B&W 800シリーズが使われていることでも知られるアビー・ロードのレコーディングスタジオで収録されたThe Beatlesの「Mother nature's son」や、Blind Boys Of Alabama「Atom Bomb」、Gotye「Sombody That I Used to Know」を再生。まず驚かされたのは、シャープな切れ味の心地よい高域。また、ダイレクトに耳へ届くボーカルや、レスポンスが良く膨らみ過ぎない低域に、B&Wらしい品の良さを感じる。中低域が不要に車体を震わせることもなく、個人用にセッティングを追い込んだ小さなオーディオルームで聴いているようにも感じられた。

 現在、このB&Wスピーカーを搭載したクアトロポルテ GT Sは国内で4台のみ存在するとのことだが、今後、ディーラーによっては試聴も可能になるとのことだ。

オプションとして、B&Wの車載オーディオシステムを追加可能
新世代のV8エンジンを搭載する
B&Wのスピーカーを各所に内蔵。写真は右フロントドア
左のリアドア
プレーヤーなどの部分はハーマンが担当

B&Wの「805 Diamond」や「P5」に“Maseratiエディション”も展示

805 DiamondとP5の“Maseratiエディション”

 会場には、両社のパートナーシップを記念して、B&Wのブックシェルフ型スピーカー「805 Diamond」や、ヘッドフォン「P5」に、特製の仕上げなどを施した「Maseratiエディション」も参考展示された。なお、同イベントに合わせて作られたもので、発売時期や価格は決まっていない。

 805 DiamondのMaseratiエディションは、ダイヤモンド・ドームとノーチラスチューブ採用のツイータを搭載する「805 Diamond」に、ブラックの“Maseratiレザー”と、“バーズアイメープル”の突板を施したモデル。スタンドにマセラティのロゴを配している。

 「P5 Maseratiエディション」は、B&Wヘッドフォンの初代モデルである「P5」に、濃紺の「Maseratiブルー」仕様のナチュラルレザーを使用したモデル。さらに、ヘッドバンドと保護ケースには、ロゴの「Maserati Trident」を冠している点も特徴。

805 Diamond Maseratiエディション
P5 Maseratiエディション
マセラティのロゴを配している

エンジン音を“楽器”として楽曲制作も

B&W ブランドディレクターのダニエル・ハイキン氏

 イベントでは、B&W ブランドディレクターのダニエル・ハイキン氏が、今回のマセラティとのパートナーシップについて説明。「B&Wとマセラティに共通点するのは、エンジニアリングをとても大切に考えていることと、エクステリア(外観)を重視していることだ」と述べた。

 今回のイベントでは、マセラティのV8エンジン音をレコーディングして、一つの楽曲を制作するという取り組みが行なわれている。これが実現した経緯としてハイキン氏は「あるとき、マセラティのエンジニアと話していると、『エンジン音は、楽器の音色のような美しさだ』と語ってくれた。それを聞いて、エンジン音をレコーディングして楽曲にするのを、Howie B(ハウィー・B)氏にお願いすることになった」と説明した。

アーティスト/プロデューサーのHawie B氏
イベント会場には、クアトロポルテのエンジン音が聴けるインスタレーションも用意。上から照らすスポットライトとスピーカーを組み合わせており、7つある円の中央に立つと、前方のメーターが点灯、その回転数の音がスピーカーから聴こえる
楽曲制作の様子
会場には、802 Diamondや、ZeppelinなどB&Wのスピーカーを展示
「SEVEN NOTES WORLD TOUR」イベントが行なわれた東京・表参道の「R Gallery」

 Hawie B氏は、ビョークやU2などを手掛けたアーティスト兼プロデューサー。楽曲「Seven Notes」制作にあたり、マセラティのエンジンをドラムキットのように扱い、回転数500~5,000rpmから7つの音色(1オクターブ)を録音。これに、ボーカルや他の楽器を組み合わせることで、「Note One」と「Note Two」の2曲が完成した。以下に、Note Oneと、Note Two、Note OneのRPM Mixバージョンの合計3曲を掲載する。

制作された楽曲「Seven Notes」(24bit/44.1kHz FLAC)
Note One

Note Two

Note One [RPM mix]
note1.flac(43.1MB)

note2.flac(30.9MB)

note1mix.flac(74.6MB)
※編集部注:楽曲は、24bit/44.1kHzのFLAC形式です。編集部では掲載したファイルの再生の保証はいたしかねます。
また、再生環境についての個別のご質問にはお答えいたしかねますので
ご了承下さい

(中林暁)