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JDI、茂原工場で第6世代LTPS液晶量産開始

400ppiの5型フルHDなどハイエンド向け液晶を量産

ジャパンディスプレイ茂原工場

 ジャパンディスプレイ(JDI)は3日、千葉県茂原市の茂原工場に新設したLTPS液晶ラインにおいて量産開始したことを発表した。

 第6世代(1,500mm×1,850mm)のガラス基板を使用した、LTPS(低温ポリシリコン)対応の世界最大クラスの生産ライン。5型クラスでフルHD/精細度400ppi以上のハイエンドスマートフォン向けのディスプレイや、高精細なタブレット向けディスプレイを生産する。

 新ラインは、LTPSとして世界最大クラスの基板サイズである1,500mm×1,850mmのマザーガラスを使用し、月産約24,000シート体制で立ち上げ。その後、需要動向を見ながら増強を進め、最終的には月産約50,000シート体制を目指す。設備投資額は総額約2,000億円を予定。最先端生産設備も備え、広い視野角を実現する「IPS」や低消費電力の「WhiteMagic」、タッチパネル機能をディスプレイ上に一体形成し薄型化と高画質化を同時に実現する「Pixel Eyes」などの先端設計ディスプレイ製造が可能となる。

 同ラインは、2012年まではパナソニック液晶ディスプレイの茂原工場として、テレビ用液晶を製造していたが、'12年4月にジャパンディスプレイが取得。中小型ディスプレイ用に転換した。クリーンルームは3階構造で建屋面積は201,000m2。

 また、6月1日付けで、日本板硝子子会社のナノックスから、液晶ディスプレイモジュール生産会社であるNanox Philippinesの株式の81%を取得。ジャパンディスプレイでは、Nanox Philippinesで液晶ディスプレイ生産の後工程の生産委託を行なっていたが、第6世代の最新ライン稼働開始による液晶ディスプレイパネル生産(前工程)の増強に対応した後工程の拠点として、Nanox Philippinesを追加。さらなる生産能力増強と競争力強化を図るとしている。

(臼田勤哉)