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キヤノン、滑らかな動画AFの一眼レフ「EOS 70D」

「デュアルピクセルCMOS AF」。妻夫木さんが魅力を語る

EOS 70D(EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM装着時)

 キヤノンは、新AF技術「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS 70D」を8月29日に発売する。価格はオープンプライスで、ボディ単体の直販価格は129,800円。

 レンズキット2種類も同じく9月中旬に発売。「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM」レンズキットの直販価格は139,800円、「EF-S 18-135mm F4-5.6 IS STM」レンズキットは169,800円。

 APS-Cサイズ相当(約22.5×15mm)/有効2,020万画素の新開発CMOSセンサーを搭載する、EFマウントのデジタル一眼レフカメラ。EOS 60D(2010年9月発売)の後継モデルで、新機能の「デュアルピクセルCMOS AF」により、高速で追従性が高いAFを実現したことが特徴。

EOS 70D
手に持ったところ
液晶モニタ側
デュアルピクセルCMOS AFによるフォーカスと撮像の仕組み

 新しいCMOSセンサーは、1画素を独立した2つのフォトダイオードで構成し、各画素を位相差AFセンサーとして使用可能。このため、コントラストAFを使用せずに撮像面位相差AFだけで最終合焦まで行なえ、迷うことなく一発でピントを合わせられるという。同社によれば、EOS Kiss 7(ハイブリッドCMOS AF II搭載)と比べ、合焦時間を約30%高速化したという。

 ワンショットAFの高速化だけでなく、コンティニュアスAFや動画サーボAFの追従性も向上。静止画ライブビューや動画撮影にも効果を発揮するとしている。これらの高速AF性能は103本のEFレンズとの組み合わせで実現できる。

 光学ファインダーも装備。EOS 7Dと同等のオールクロス19点AFセンサーを採用し、中央はF2.8対応/デュアルクロスセンサー。EOS-1D Xなどにも採用されたAIサーボアルゴリズムを搭載、AIサーボAF特性のカスタマイズも可能となっている。

 動画記録のフォーマットはMPEG-4 AVC/H.264で、音声はリニアPCM。コンテナはMOV。記録モードはFull HD(1,920×1,080ドット、30p/25p/24p)とHD(1,280×720ドット、60p/50p)、SD(640×480ドット、30p/25p)。1フレーム完結型の「ALL-I」記録に対応し、画質を維持しながら1フレーム単位の編集が行なえるほか、IPB(I、P、Bフレームから構成)記録も可能。ステレオマイクを内蔵するほか、外部マイク入力も可能。ウインドカットやアッテネータ機能も備える。

新開発のCMOSセンサー
動画撮影の画面
撮影モード選択画面

無線LAN搭載でリモート撮影。バリアングル液晶も

無線LANの設定画面

 無線LANを内蔵し、スマートフォンと連携可能。'12年12月に発売されたEOS 6Dと同様に、スマートフォンの画面を使ったリモート撮影が行なえるほか、カメラからスマートフォンへの静止画転送も可能。静止画撮影はJPEG/RAWで、カメラ内RAW現像機能も搭載。静止画のアスペクトは「1:1」、「16:9」、「3:2」、「4:3」から選べる。撮影画像から油彩風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風などの画像を作り出すフィルタ加工機能「クリエイティブフィルター」も利用できる。

 映像エンジンは「DIGIC 5+」。連続撮影は最高約7コマ/秒。ISO感度は100~12800で、感度拡張により25600まで対応。従来機の60D(ISO 100~6400、拡張時12800)に比べ向上させている。

 ファインダー視野率は上下/左右ともに約96%、倍率は約0.95倍。液晶モニタは3型/104万画素/タッチパネルで、バリアングル対応。記録媒体はSD/SDHC/SDXCカード。インターフェイスはAV出力やHDMIミニ(CEC対応)、リモコン端子などを備えている。別売GPSレシーバ「GP-E2」の装着も可能。

 付属バッテリ「LP-E6」使用時の動画撮影可能時間は約1時間20分。静止画はファインダー撮影で約850枚。外形寸法は139×78.5×104.3mm(幅×奥行き×高さ)で、本体のみの重量は約675g。

EOS 70Dのボディ
EF-S 18-135mm F4-5.6 IS STM装着時
液晶モニタはバリアングル対応
天面
モニタを閉じたところ
使用されている各パーツ

「イチガン新世界。」。妻夫木さんが写真の魅力を語る

キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長

 キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長は、一眼レフとミラーレスのこれまでの国内出荷台数(CIPA出荷統計)を振り返り、ミラーレスカメラがここ数年大きく伸長する一方で、一眼レフカメラも'12年には前年を大きく上回る102万台('11年は89万台)となったことを挙げ、'13年はさらにプラスとなる118万台になるとの予測を示した。

 同社調査によれば、'13年1~6月の販売割合は、一眼レフ60%、ミラーレス40%となり、「一眼レフが市場を牽引している」と指摘。一眼レフの非所有者の33%、ミラーレスカメラを主に使うユーザーの51%が「一年以内に購入したい」または「いずれ購入したい」との意向を持っていると説明。こうしたステップアップ需要に対して、光学ファインダーなど一眼レフならではの魅力を挙げ「一眼の本格的な撮影機能を持つカメラ」として70Dを紹介した。その上で、ミラーレスやコンパクトデジカメの利用者が慣れているライブビュー撮影についても、新AF技術「デュアルピクセルCMOS AF」により、「ストレスなく、光学ファインダーの感覚に近い撮影ができる」とアピールした。

 70Dのプロモーションにおけるキャッチコピーは「イチガン新世界。」で、これから本格的な写真表現にチャレンジしたいというユーザー層に向けて訴求。なお、「イチガン」は、“一眼レフ”も含めた言葉として使用している。

国内出荷台数の実績とキヤノンの予測
1~6月の販売における、一眼レフとミラーレスの割合
キヤノンの調査結果
ユーザー体験会も実施
購入者へのプレゼントキャンペーンも
プロモーションは“3本の矢”で展開
70Dを構える妻夫木聡さん

 CMなどに出演するコミュニケーションパートナーには、昨年発売のミラーレス「EOS M」に引き続き、俳優の妻夫木聡さんを起用している。発表会にもゲストとして妻夫木さんが登場。ミラーレスから一眼レフにステップアップするという妻夫木さんが、自らの写真に対する想いなどを語った。

 EOS Mを使い始めるまで、デジカメの細かな設定には触ったことが無かったという妻夫木さん。EOS Mについては「この小ささ、軽さでレンズを変えて自分の撮りたい要求に応えてくれるカメラだったことに驚いた」と評価したが、それでも一眼レフの70Dに触ってみると「ファインダーをのぞくと、心とカメラが一体化したような感覚になった。撮りたいものがすぐそこにあるという、圧倒的な安心感があった」と一眼レフの魅力にすぐ取りつかれた様子。「ファインダーをのぞいていると、実はのぞいているのは自分の心なんじゃないかというイメージに近い」と語り、「(一眼レフに)挑戦したいけど勇気が無いという人も、70Dで自分なりの“新世界”を経験してもらえれば」とした。

 70DのCMは、スコットランドで撮影。妻夫木さんが写真家の上田義彦氏とともに雄大な自然の風景を撮影しているメイキング映像が報道陣に公開された。なお、撮影にはキヤノンのシネマカメラ「C500」が使用され、4K映像で収録している。妻夫木さんと上田氏は、これまでEOS Mでともに企画写真展を行なったことがあり、越前和紙の里として知られる福井県今立(現在の越前市)と冬の東尋坊を撮影した写真が、キヤノンギャラリーに展示されていた。紙漉きの様子を目にした妻夫木さんは「好きなフェルメールの絵の世界観がその場所にあると思いました。最初は個展をやることで不安もあったんですが、“工場と人が一体化していて、生きている”感じに心を持っていかれて、無心になって撮ってしまいました」と当時を振り返った。

70DのCM。撮影はスコットランドで行なわれ、C500で4K撮影された
写真への想いを語る妻夫木さん。聞き手はクリス・ペプラーさん
EOS Mで個展も開催した
妻夫木さんがCM収録時に撮影した写真も紹介
役作りの過程で、その人の“心のアルバム”を作るために写真を撮ることも多いという妻夫木さん。70Dのキャッチコピー「イチガン新世界」にかけて、これから挑戦したい新世界について尋ねられると、「『一人旅新世界』をしてみたい」と答えた。今後撮りたい被写体は「富士山」とのこと

(中林暁)