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ローランド、名機TR-808などをACB技術で復刻したダンス音楽向け新ブランド「AIRA」
(2014/3/4 17:00)
ローランドは4日、ダンスミュージック向け機器の新ブランド「AIRA」(アイラ)を発表。往年のリズムマシン名機「TR-808」や「TR-909」のサウンドを復刻・機能強化したリズム・パフォーマーの「TR-8」など4製品を3月8日より順次発売する。
3月8日に発売するのは、リズム・パフォーマー「TR-8」と、タッチ・ベースライン「TB-3」、ボイス・トランスフォーマー「VT-3」の3製品。プラグアウト・シンセサイザー「SYSTEM-1」は6月に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はTR-8が52,000円前後、VT-3が32,000円前後、VT-3が22,000円前後、SYSTEM-1は6万円前後。
ダンスミュージックシーンにおいて、アナログ時代の名機と呼ばれる電子楽器サウンドの再現を望む声が高まっていることなどを背景に、「アーティストのアイディアを瞬時に演奏というカタチにし、リアルタイムで最高のパフォーマンスを発揮できる電子楽器」を目指して開発。コンピューターによるワークフローが主流となっている音楽制作と、ツマミでのリアルタイムな操作が求められるライブパフォーマンスの垣根を越え、新しいサウンドを創造するという。
リズム・パフォーマーの「TR-8」は、リズムマシンの名器TR-808/TR-909を、デジタル技術「ACBテクノロジー」で精密にモデリングしながら、ライブでのパフォーマンス性やMac/Windows PCとの連携など、現代の音楽シーンに合わせてチューンナップ。「オリジナルの回路図を持つローランドにしかできない、新しい形のTR」としている。
「ACB(Analog Circuit Behavior)テクノロジー」は、アナログ時代の電子楽器を正確に再現するため、アナログ回路の振る舞いのレベルまでモデリングするという新技術。従来のモデリング手法とは異なり、オリジナル製品の設計図からアナログ・パーツの特性を一つ一つ再現。解析作業には、30年前にオリジナル製品の設計開発に携わったエンジニアも参加。解析したパーツをオリジナル製品の電子回路と同様に組み合わせ、オリジナル機の個性を再現する。アナログ固有の特性を精密にエミュレートするだけでなく、最新DSPにより30年前の電子楽器では物理的に不可能だった次世代のパフォーマンスを実現したという。
タッチ・ベースラインの「TB-3」は、'80年代に発売されたベースシンセサイザーの名器・TB-303のサウンドをACBテクノロジーでモデリングして再設計。操作性などもを見直してチューニングを施している。
ボイス・トランスフォーマー「VT-3」は、ライブで完全再現が難しいとされるボーカル/ボイス・サウンドを、エレクトロダンスミュージックに最適な形で実現。単純な声のキャラクター変化だけでなく、音質にもこだわったボイスエフェクトを搭載している。
プラグアウト・シンセサイザー「SYSTEM-1」は、'70年代にローランドが発売したSYSTEM-700/SYSTEM-100の設計思想を継承しながら、理想のシンセサイザーを実現したというモデル。制作されたサウンドを、ライブパフォーマンスでもストレスなく使えるという「PLUG-OUT」コンセプトを採用。ソフトシンセをMac/PCで利用できるだけでなく、SYSTEM-1本体へインストールして持ち運び、ライブなどに使用可能。