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ソニーやパナソニックなど4社、有機ELディスプレイ開発で統合新会社JOLED設立

統合新会社JOLED

 産業革新機構(INCJ)とジャパンディスプレイ(JDI)、ソニー、パナソニックの4社は31日、有機ELディスプレイパネルの量産開発加速と早期事業化を目的とした、統合新会社JOLEDを設立すると発表した。ソニーとパナソニックが持つ有機ELディスプレイパネルの研究開発の機能を統合する形となり、2015年1月の発足を予定している。

 ソニーとパナソニックなどが持つ有機EL成膜技術、酸化物半導体技術、フレキシブルディスプレイ技術などのリソースを結集し、JDIが培ってきたディスプレイ技術と融合する事で、「有機ELディスプレイ分野におけるリーディングカンパニーとなることを目指す」という。ソニーとパナソニックは、有機ELディスプレイパネル事業に関する人員や資産(装置や関連特許含む)を、吸収分割により、JOLEDに承継させる会社分割を行なう。

 JOLEDの議決権は、INCJが75%、JDIが15%、ソニーとパナソニックが各5%ずつ保有する予定。開発に一定の目途が立った時点で、本格的な量産を見据えたパイロットラインを構築するため、INCJとJDIからの追加出資を含めた支援も予定されている。

 製品としては、更なる軽量化・薄型化が求められる中型以上のタブレット・ノートPCや、曲面性・視認性・薄型化が求められるサイネージなど、有機ELディスプレイの特徴が活きるアプリケーション向けに製品を開発。将来的にはフレキシブルディスプレイ技術などを活用し、ディスプレイパネルの一層の軽量化、成形加工性と耐久性向上を目指し、新規製品市場も開拓するとしている。

 パナソニックは統合新会社設立について、「競争環境が変化する中で、単独での開発を継続するよりも、開発・量産パートナーとの協業による事業の立ち上げが合理的と判断した」と説明している。

 なお、JOLEDの経営陣には、外部経営者を招聘する予定で、INCJにて選定が進められている。INCJとJDIはJOLEDに社外取締役を派遣する。代表取締役は谷山浩一郎氏。

(山崎健太郎)