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iFI、最上位ヘッドフォンアンプ「pro iCAN」を予告。真空管/ICを切替え可能

 トップウイングは、英iFI-Audioのフラッグシップとなる「pro」シリーズの製品化を予告。第1弾として、バランス接続対応のヘッドフォンアンプ「pro iCAN」を発売する。発売時期や価格は未定だが、年内の発売が見込まれる。5月16日、17日に開催される「春のヘッドフォン祭2015」への試作機の出展も検討している。

pro iCAN(β版)

 従来予定していたminiシリーズを、新たにproシリーズへと改称。プロやホームオーディオでの利用を想定し、第1弾のiCANに加え、iDSD、iUSB Powerなどの製品化も計画している。

 第1弾となるアナログヘッドフォンアンプ「pro iCAN」は、既存の同社ヘッドフォンアンプである「iCAN」と、真空管プリアンプ「iTUBE」を組み合わせ、さらにプリアンプ「iPre」機能も一体化。「市場にあるあらゆるヘッドフォンを駆動できる」としており、別途専用モジュールを利用することで、STAXのようなエレクトロスタティック(静電型)ヘッドフォンとの組み合わせも可能としている。

 2つのアンプセクションを備え、真空管「GE 5670」×2、またはソリッドステートの「J-Fet」×4のどちらかをユーザーが選択可能。A級のフルディスクリート設計となっており、500mW/16Ωまでのヘッドフォンでは全ステージでA級動作、120Ω以上では全レベルで純A級動作となる。

 入力はXLR×1とRCA×3を装備。ヘッドフォン出力は3ピン/4ピンのXLRバランス(ダイレクト)と6.3mmm標準ヘッドフォンのコンボジャック(シングルエンド/バランス)を2系統備えるほか、インイヤモニターなどを駆動するための「IEMatchアッテネーター」も備え、付属アダプタでステレオミニ出力も可能。背面には、XLR出力とRCA出力(プリ/ライン出力)を装備する。

真空管とソリッドステートアンプの選択が可能
内部の真空管が見える構造
背面

 最大出力は20V以上で、600Ωのヘッドフォンで600mW、16Ωで最大約16,000mW、16Ωで連続出力約6,000mWに対応。フロントパネルから3段階のゲイン選択が行なえる。バランス設計のALPS製ボリュームコントローラも搭載。付属リモコンでもボリューム調整できる。

 ヘッドフォン用の立体音響システム「3Dホログラフィック」や、低音強化の「XBass」も備え、それぞれ3段階の調節またはOFFにすることも可能。

 プロ用の真空管ベースの機器を元にした回路を、真空管またはJ-FET(選択可能)とバイポーラー・トランジスター、MOS FETを組み合わせたハイブリッド設計で実現。15V/4Aで、iPowerと同じ第2世代の低ノイズPSUによる内部パワーサプライを含むフルデュアルモノ設計も採用している。

 SN比は117dB以上、歪率は0.003%、周波数特性は0.5Hz~500kHz(-3dB)。出力は6,000mW以上。外形寸法は220×190×62mm(幅×奥行き×高さ)。電源はACアダプタを使用する。

 オプションとして、エレクトロスタティックヘッドフォン用の外付け「エナジャイザー・モジュール」を用意。1,700V最大出力、STAX HiFi/Pro、ゼンハイザー、その他用にバイアスを選択でき、出力レベルも選べる。STAX Pro & HiFiソケットを3つ備える。

(中林暁)