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HQM STORE、ジャズシンガーMAYAの新作DSDリマスターを独占配信。17日から

 クリプトンは、ハイレゾ音楽配信サイト「HQM STORE」において、女性ジャズシンガー・MAYAのアルバム「jazz a gogo」を17日より配信開始する。フォーマットはDSD 2.8MHzと96kHz/24bitのFLACで、DSDはHQM STORE独占配信。アルバム価格は各2,469円(税込)。また、同社のiOS端末向け配信「HQMクラウド」で、48kHz/24bitのApple Lossless(ALAC)音源を2,400円(税込)で配信する。

MAYA「jazz a gogo」

 配信開始にあたり、クリプトンが開催した試聴発表会にはMAYA氏が登場。「jazz a gogo」制作でこだわったポイントや、DSDリマスタリング時の音の印象などを語った。

「jazz a gogo」の詳細

 「jazz a gogo」は、前作「BLUESY MAYA」から3年ぶりとなる通算15枚目の作品で、昨年12月にUHQCDとアナログ盤(重量180gの赤盤)で発売された。音作りや、「ジャズシンガー・MAYAが歌うシャンソン/フレンチ・ポップス」にこだわった“ジャズソン・アルバム”で、専門誌「JAZZ JAPAN」主催のJAZZ JAPAN AWARD 2015(高音質ソフト部門)においてアルバム・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。

MAYA氏

 これまでも英語やスペイン語、ロシア語、クレオール語など9カ国語を操りながら、歌の持つ言葉の響きを大切にしてきたというMAYA氏。今回は楽曲制作のためにフランスを訪れ、また国内のフランス語学校に通いながら言葉の発音や文化、アーティスティックな感性を習得したという。

 HQM STORE独占のDSD 2.8MHz音源は、リニアPCMの96kHz/24bitで収録されたマスターを352.8kHz/24bitのDXD(Digital eXtreme Definition)にアップサンプリングし、そこから生成されたDSDIFFファイルを配信。リマスタリング作業は2月、JVCケンウッド・クリエイティブメディア マスタリングセンターの杉本氏によって行なわれた。

 DSDの音の印象についてMAYA氏は「DSDの音は初めて聴いたが、アナログ盤に近い人間味のある、皮膚に染みこむようなサウンドという印象。変な表現だけれど、音は耳ではなく毛穴で聴くものだと感じた。元の音が素晴らしく良いので、さらにクオリティを上げていけるのでしょう」と語った。また、今作でドラマー/プロデューサーを務めた松尾明氏も、「DSDを聴いて(音の良さに)腰が抜けるくらい驚いた」と話していた。

DSDリマスタリング作業の様子
MAYA氏(左)とドラマー/プロデューサーの松尾明氏(右)
オーディオ評論家の林正儀氏

 レコーディングに関わったオーディオ評論家の林正儀氏は、前作「BLUESY MAYA」の収録で使用されたクリプトン「HR(High Resolution)」シリーズの電源ボックス「PB-HR1000」や電源ケーブルなどを今回もスタジオに持ち込み、歌声や楽器の音をとらえるマイクのプリアンプに繋いで使用。確認に使うモニタースピーカー用のボードやインシュレータなどにもクリプトン製品を使ってMAYA氏の音作りへのこだわりに協力したという。

KS-7HQM(両端)を使ってHQMクラウド配信のALAC音源を試聴。中央はMAYAコラボの「KS-1HQM(M)」('12年発売)

 発表会では収録曲の中から「Petite fleur(可愛い花)」をCD、FLAC、DSDで比較試聴。使用スピーカーはKX-1000。FLACではヴォーカルや楽器の音像がCDよりも立体的になり、DSDではさらに高域がなめらかで自然な印象だった。

 さらに、iPadとクリプトンのDAC内蔵アクティブスピーカー「KS-7HQM」を使ってHQMクラウドで配信されるALAC音源を再生すると、MAYA氏は「(KS-7HQMは)ボーカルの声が締まりつつ前に出てきている感じで、ボーカリストとして嬉しい。持ち帰りたくなった」とコメント。

 クリプトンでは'12年に、MAYAコラボのカナリヤイエローのアクティブスピーカー「KS-1HQM(M)」を発売(完売済み)しており、MAYA氏は今も家で使っているとのこと。クリプトンの担当者はKS-7HQM“MAYAモデル”登場の可能性も匂わせていた。

(庄司亮一)