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Sound Warrior、真空管+D級ヘッドフォンアンプと新ヘッドフォン

 城下工業は、Sound Warriorブランドの小型オーディオ「SW Desktop Audio」シリーズの新モデルとして、真空管バッファを備えたヘッドフォンアンプ「SWD-HA10」を開発。さらに、ヘッドフォンの新モデル「SW-HP20」も発表した。どちらも発売や価格は未定。4月29日、30日に中野サンプラザで開催される、「春のヘッドフォン祭 2016」で展示する。

真空管バッファを備えたヘッドフォンアンプ「SWD-HA10」、ヘッドフォンの新モデル「SW-HP20」

SWD-HA10

 入力はアナログRCAを1系統、出力として標準プラグのヘッドフォン端子、XLRタイプのバランス出力、パラレルのアナログRCAを各1系統備えたヘッドフォンアンプ。

SWD-HA10

 既発売のパワーアンプ「SWD-TA10」でも採用した、真空管+D級アンプという組み合わせだが、ヘッドフォンでのリスニングに特化させ、ブラッシュアップしたモデル。「真空管の暖かく芳醇な音をヘッドフォンでも楽しめる」という。真空管は「12AU7」を採用。

背面
真空管が入っている事を示すために、真空管の形の窓が設けられ、内部の光が漏れ出るようになっている

 最大出力は100mW(40Ω負荷時)。推奨インピーダンスは30~300Ω。電源はACアダプタを使用。外形寸法は146×165×40mm(幅×奥行き×高さ)。

SW-HP20

 モニターヘッドフォン「SW-HP10」をベースとしながら、より広い帯域の表現が求められるハイレゾ音源の再生なども意識し、新たに選定したドライバユニットを採用したモデル。再生周波数帯域は10Hz~35kHz(ハイレゾ非対応)。ユニットは40mm口径。

SW-HP20

 ケーブルは両出しで着脱可能。2.5mmモノラルジャックを採用しており、アンプ側がXLRのバランス端子になっているケーブルと、標準プラグのアンバランスになっているケーブルの2本を同梱する。なお、発売時期や販売形態は未定だが、ステレオミニ入力で長さ1.2mのケーブルを同梱したバージョンの販売も予定されている。

 インピーダンスは40Ω。最大入力は150mW。出力音圧レベルは101dB/1kHz、1mW。ヘッドバンドにはビニールレザーを、シェル素材にはナイロン樹脂を使っている。重量は本体のみで約215g。

ケーブルの着脱が可能。バランス、アンバランスケーブルが両方付属する

SWD-HA10とSW-HP20を組み合わせて聴いてみる

 低価格ながら、高音質なモニターヘッドフォンとして人気の「SW-HP10」。それをベースにしながら、リスニング寄りの製品として生み出されたのが「SW-HP20」だ。

 聴いてみると、大きな違いは低域の豊かさ。HP10はモニターライクで、低域の量感はそれほど膨らまないモデルだが、HP20は低音がよりパワフルになり、同時に沈み込みも深くなっている。これにより、中高域の音にも厚みが出て、ゆったりと音楽を聴きやすい、旨味のあるサウンドを実現している。

 ただ、不必要に低音が肥大化したり、響きがまとわりついて中高域がこもったり、濁ったりする事はない。モニターライクなバランスの良さ、素の描写能力の高さは維持されている。簡素な音ではなく、「音楽が楽しめるモニターライクなヘッドフォン」と言えるだろう。

 組み合わせた「SWD-HA10」は、真空管を使っているのが特徴。解像度の高いサウンドを実現しているが、真空管バッファのおかげか、高域の階調は滑らかで自然。音がカサついたり、キツく感じる事もない。HP20だけでなく、他のモニターライクなヘッドフォンと組み合わせても面白いだろう。

(山崎健太郎)