ミニレビュー

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利

 Amazonは、10.1型タブレット「Fire HD 10」の新モデルを発売、10月11日より出荷開始した。価格は32GBモデルが18,980円(税込)、64GBが22,980円(同)。Amazonプライム会員の場合、4,000円引きのクーポンが提供されるため、32GBが14,980円(税込)、64GBが18,980円(同)となる。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 Fire HD 10
Fire HD 10

 Fire HD 10は、AmazonのFireタブレットの最上位モデル。'17年版となる新モデルは、'15年モデルに対し、ディスプレイやバッテリ駆動時間、パフォーマンスの向上を図っている。ディスプレイは、10型/1,920×1,200ドット(224ppi)に高精細化('15年モデルのFire HD 10は1,280×800ドット:149ppi)。また、最高1.8GHzのクアッドコアプロセッサと2GBのRAMの搭載により、パフォーマンスを約30%高速化し、素早いアプリ立ち上げやスムーズな動画やゲームプレイが可能になるとする。バッテリ持続時間も従来の8時間から10時間に強化された。

 今回は新Fire HD 10タブレットのAV機能を中心に、簡単なインプレッションをお届けする。

フルHD超に高精細化された「Fire HD 10」

 外形寸法は262×159×9.8mm、重量は500g。10型のタブレットということもあり、手に持つとそれなりに重量感がある。片手で持って使い続けるのはちょっと厳しいので、卓上に置くか、両手で持って電子書籍を読んだりビデオを見る、といった使い方が基本になりそうだ。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 Fire HD 10
Fire HD 10
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 同梱品
同梱品
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 ACアダプタ
ACアダプタ

 操作ボタンやインターフェイス類は、本体上部にまとめられており、ボリュームボタンと電源ボタン、microUSB端子、ヘッドフォン出力を備えている。側面にはmicroSDカードスロットとステレオスピーカーを装備。microSDカードは最大256GBまで拡張できる。フロントカメラと2メガピクセルのリアカメラを備え、無線LANはIEEE 802.11ac(デュアルバンド)対応。Bluetoothにも対応する。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 横位置で利用。基本はこちらか
横位置で利用。基本はこちらか
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 背面にAmazonロゴ。カメラも装備
背面にAmazonロゴ。カメラも装備
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 上部にボタンやUSBなど
上部にボタンやUSBなど
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 側面にスピーカー
側面にスピーカー

ビデオも雑誌も満足度向上。カバーが便利

 Fire OSを搭載し、Amazonの各サービスにアクセスできるのは従来通り。最新のFire OS 5では、パーソナライズ機能「For You」により、ユーザーの嗜好を学習し、パーソナライズされたおすすめコンテンツを提示するという。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 For You画面
For You画面

 Fire HD 10ならではといえるのが、大画面を利用したビデオや電子書籍の読みやすさ。「マンガの見開きページ」の読みやすさに配慮したとのことだが、確かに横位置にした際のマンガの読みやすさは特筆に値する。というかFire HD 10の場合、縦位置で持つより、横位置で使ったほうが大画面の恩恵を得られるはず。Kindleやビデオの場合は横位置を基本としたほうがいいだろう。

 ページめくり時のレスポンスも素早く滑らか。またスマホなどでは小さくて読みづらい雑誌の文字も、大画面だけでなく高精細になったことで、かなり読みやすくなっている。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 Kindleで雑誌(DOS/V POWER REPORT 2017年11月号)を見開き表示。解像度が高く読みやすい
Kindleで雑誌(DOS/V POWER REPORT 2017年11月号)を見開き表示。解像度が高く読みやすい

 ビデオプレーヤーとしての実力もなかなかのもの。Amazonビデオで「戦闘車」やアニメ「ボールルームへようこそ」、Netflixの「ナルコス シーズン3」などを見たが、フルHDを超えるディスプレイにより解像感は高く感じられるし、ナルコスでは字幕がくっきりと見えるのが印象的。発色も良好だ。ダイニングテーブルにおいて見ると、視聴距離が近いのでかなり迫力ある映像が楽しめる。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 プライムビデオを再生
プライムビデオを再生

 Dolbyオーディオスピーカー搭載とのことで、音の出力はかなり大きく、セリフも明瞭。ただし、低音は弱めで、そこまで迫力があるという感じではない。広い部屋であれば、テレビのスピーカーなどのほうがより楽しめると思う。

 テーブルに設置する時に便利なのが、Fire HD 10の純正カバー。価格は4,780円(税込)と、Fire HDの価格に対して少々高価な印象がある、向かって左端を折り曲げるだけでスタンドとして機能するのでとても便利だし、安定して映像を楽しめる。ダイニングテーブルに小型テレビを設置したような感覚だ。ちなみに、横位置だけでなく、縦位置でもスタンドになる。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 純正保護カバーを装着
純正保護カバーを装着
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 横位置で利用
横位置で利用
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 スタンドになるので便利
スタンドになるので便利

 また、ビデオプレーヤーとして魅力的なのは「Fire TV」や「Fire TV Stick」との連携動作。Fire TVで再生中の番組のリモコンとして動作するため、作品がすこし中だるみしてきた時にFire HD 10側で早送りや、タイムシークバーを使ったスキップ/バック操作が行なえる。また、他の番組を探すときにもFire TV側は再生したまま検索できるので、とても使い勝手が良い。

 映画の場合は、一度再生開始するとそれほどスキップすることは無いかもしれないが、最近はプライム・ビデオでもドラマやドキュメンタリー、バラエティに力を入れている。コンテンツをどんどん見進めるためにもこうしたテレビデバイスとセカンドスクリーンの連携はとてもありがたい。また、Amazonプライム・ビデオだけでなく、Netflixでも同様の操作が行なえた。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 NetflixをFire HD 10からFire TVに出力指示
NetflixをFire HD 10からFire TVに出力指示
フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 Fire TVのリモコンとして動作
Fire TVのリモコンとして動作

 また、高精細ディスプレイの採用により、PC作業中のPDFビューワーとしても結構使えるし、その際もカバーが役に立つ。ただ、カバーをつけると、横位置設置時に少し音が上に抜けやすくなるようには感じる。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 PDFなどもきれいに表示できる
PDFなどもきれいに表示できる

 フロント・リアカメラも備えているが、200万画素ということもあり、最近のデジカメやスマートフォンと比べるとかなり見劣りする画質。基本的にはコミュニケーション用のカメラと考えたほうがいいだろう。

フルHDを超えた「Fire HD 10」のシンプルな魅力。別売カバーが便利 カメラの実写画像
カメラの実写画像

 プライム会員であれば、14,800円から購入できるフルHD超の10型タブレットというだけでも、Fire HD 10はかなり魅力的。特にKindleやプライム・ビデオなどのAmazonサービスの費用頻度が高い人にとっては、使いやすい製品だ。ビデオ中心の場合は、ちょっと高価ではあるものの、カバー付きでの利用をおすすめしたい。

Amazonで購入
Fire HD 10タブレット
(Newモデル)
Fire HD 10
(Newモデル)用カバー

臼田勤哉