西田宗千佳のRandomTracking
第463回
PlayStation 5の技術を徹底解説! 「SSD」と「サウンド」でゲーム体験を変える
2020年3月19日 09:31
3月19日午前1時(日本時間)、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、「PlayStation 5(PS5)」のリードシステムアーキテクトであるマーク・サーニー氏による、PS5のシステム設計に関する技術解説動画「Road to PS5」を公開した。
製品発表ではないので、デザインも価格も発売時期も、OSのUIやネットワークサービスも明かされてない。しかし、「PS5」というハードウェアがどのようなポリシーで作られたのか、どういう特性を持つのか、ということが、より明確なものになった。
なお、ライバルであるマイクロソフトの「Xbox Series X」についても、3月16日、同社のブログ上で詳細を公開、やはり同じく3月19日にオンラインで説明セッションを行なった。
PS5の解説動画もXbox Series Xの解説動画も、ともに本来開催予定だったゲーム開発者イベント「GDC 2020」で公開を予定していたものである。そのため、ある程度技術的な内容に偏っている。特にPS5の解説はそうだ。マーク・サーニー氏の解説動画から、重要な点をピックアップし、その意味を確認していこう。
「なぜゲーム機なのか」「世代が変わる意味とは」を問いかけるPS5
PS4・Xbox Oneの世代から、ゲーム専用機は「x86系アーキテクチャ」になった。PCとの親和性が高まり、ゲーム開発がより容易になったわけだが、一方で、「より良いゲームをする場合、ゲーム機を選ぶのかPCを選ぶのか」というジレンマが生まれた。各プラットフォーマーの独占タイトルを除くと、多くのタイトルは「マルチプラットフォーム展開」が基本になった。そうすると、一番いい画質・一番高いフレームレートで遊ぶなら、お金をかけてゲーミングPCを調達するのがいい……という状況になった。
もちろん、コストパフォーマンスの問題は大きい。とはいえ、「ではなぜゲーム機を選ぶのか」ということが、より重要になってきたのは間違いない。だからこそ、中間世代である「PS4 Pro」や「Xbox One X」も産まれた。
次の世代がPS4 ProやXbox One Xのような「単純進化型」ならわかりやすい。しかし、それではPCとの差別化が難しくなっていく。
この点について、サーニー氏は「Road to PS5」の冒頭でこう述べた。
「私は、コンソール(ゲーム専用機)に『世代』があることが大切だと強く信じています。5年から7年で次の世代に移行し、その後、前の世代ではとてもできなかったようなゲームが作られるようになるからです」
世代変化による「驚き」はとても重要なものだ。PS4 Proの取材でサーニー氏にインタビューした時も、彼は「ゲーム機の世代進化がなくなるとは思っていません。それがゲーム業界にとっては健全な考え方だからです。次世代を作るなら、明確に違う体験のものになるでしょう」と話していた。
すなわち、PS5が「PS4の次の世代」になるということは、明確に違う体験を用意している、ということだ。
一方、アーキテクチャそのものは、x86+GPUを組み合わせたAMDと共同開発のSoC、という点で変わらない。開発難易度を大きく上げ、世代間で環境が隔絶されては困るからだ。
サーニー氏はビデオの中でこう説明した。
「最終的には、1カ月程度の時間をかければPS5のゲーム開発を本格的に取りかかれるようになります」
PS4との互換性についても、「PS4のトップ100タイトルは、ほとんどがそのまま動いた」(サーニー氏)としている。カスタムプロセッサーにPS4モードを用意することで、互換性維持を進めている。
開発者とユーザーにとって課題となる点をカバーした上で、PS5は「次世代とはなにか」をコアの部分から考えなおしたハードウェアになる。
「ハードウェア開発チームとして、新しい夢を見つける必要があります。それは、CPUパフォーマンスやGPUパフォーマンス、RAMの量の話ではありません」
サーニー氏はそう語った。ゲーム機の「スペック」においてそれらはとても重要なものだが、PCとは違う道を行く以上、リニアにスペックを伸ばす方向には行かない、ということだ。
一方で、それはPS5より高いスペックを打ち出してきたライバル、Xbox Series Xに対するアンチテーゼでもあるのだが、その辺は後ほど解説する。
「SSD」はゲームの常識と限界を変える「ゲームチェンジャー」
まず、たっぷりと時間をかけて説明されたのが「SSDへの最適化」だ。開発前に行なわれたゲーム開発者からの意見聴取で、多くの開発者が「SSDの採用」を希望したため、SSDの搭載プライオリティは高かった。
「SSDこそは次へのカギであり、ゲームチェンジャー」とサーニー氏は言う。
これは、SSDを搭載したデバイスを日常的に使っていれば納得できるのではないだろうか。そもそもSSDは読み込みが速い。HDDは「ディスクを回す」がゆえに、データが記録されている場所に合わせてヘッドをシークする必要があり、そのためどうしても速度が安定しない。SSDと比較すると「安定してゆっくり」といってもいい。そのため、同じデバイスでも、単純にSSDに変えるだけで高速化は見込める。
とはいえ、PS4の時代はコストなどを考えると、標準としてはHDDを採用せざるを得なかった。HDDでの状況を、サーニー氏は「1GBの読み込みに20秒かかる」と例える。
もちろん、SSDを搭載すれば、今のPS4でも速くなる。しかし、SSDを搭載したとしても、HDDのために作られたシステムのままではボトルネックが存在し、速度は結局そこまでは速くならない。実プレイになれば2倍、といったところか。
だが、SSDが本当に力を発揮すれば、「現在の100倍」の速度にできる。下の画像で示したデータは、解説動画で示されたスペックである。スピードが圧倒的に違うことがわかるだろう。
「ゲームのロードが速くなり、待たされなくなるんですね」と思うだろう。
それは正しい。数十秒かかっていたゲームスタートまでの時間は数秒になる可能性が高い。
だがサーニー氏は「それだけが目的ではなく、もっと大きな意味がある」と話す。それは、「ゲームデザインの制約が減る」ということだ。
ゲームに使われるデータは、メモリーの中にないといけない。そこからCPUやGPUが処理するからだ。ところが、HDDの「ばらついた読み込み速度」を前提に作ろうとすると、色々制約が出る。こまめに必要なものを探して読み込むわけにはいかず、まとめてメモリー上に読み込んだ方が効率的だからだ。そのため、ゲームの最初は長い読み込みがある。マップの中に移動する小道やエレベーターがあったりするのは、「そこを通る間に読み込みをするから」(サーニー氏)なのだ。
最近はオープンワールド型のゲームも増えたが、この場合には常に裏でデータを読み込み続けている。だから「読み込みを超える速度で移動する」ことはできない。また、データを探す頻度を落とすために、同じデータを色々な場所に配置したりする。例えばSIEのタイトルである「スパイダーマン」では、ポストなど街の至る所にある「同じもの」が、読み込み時間短縮のために、街中にデータとしてコピーされている。
ゲームは読み込みの事情から、「塊(チャンク)」の形で管理されている。結果的に、その塊の大きさをどうするか、どのように配置するかで、ゲームデザインが規定されてしまうのだ。
だが、本当に読み込み速度が100倍になるなら、SSDが必ず使われる前提で、HDDのような「シークによる先の読みづらい速度低下」が起きないのであれば、読み込みの事情を前提に塊のサイズを決める必要はなく、「本当に必要なデータだけ」読めばいい、ということになる。
こうすれば、マップの構成や大きさの制約はかなり小さくなる。単に読み込み速度が上がるだけでなく、読み込むデータそのものを小さくしやすくなる。
メインメモリーの使い方も変わる。大きなデータを一度に高速なメモリーに読んでから作業するのではなく、メモリーの上に必要なものを逐次読む、という使い方ができる。PS5のメモリーは16GBで、PS4世代の倍でしかないが、これでも十分に快適になる、と開発チームは判断しているようだ。
意外な恩恵が現れるのがゲームの「パッチ」だ。
これまではゲームの一部分を修正しただけでも、「塊」としてゲーム側では管理しているので、ダウンロードする容量やインストールにかかる時間も大きくやすかった。しかしPS5では、修正した部分だけを書き換えられるので、ダウンロード速度・パッチのインストールにかかる時間ともに短くできる。
結果として、「ロードが速くて」「ロード画面が表示されなくて」「データストリームの読み込みが速くて」「ゲームデータの重複がなくて」「パッチサイズが小さくなる」という、これまでのゲームとは大きく異なる環境が実現できる。これは、よりパフォーマンスのあるPCでも実現できていない。なぜなら、PCであったとしても「高速SSDの搭載を前提」にすることはできないからだ。
徹底的に「SSD利用時のボトルネックを減らす」設計
ただし、このようなことを実現するのは、本当に「常にSSDが最大の効率で働く」設計でなくてはならない。どこかにボトルネックがあり、速い時と遅い時で差が出てしまう可能性がある場合、「遅い時」を想定して開発しておかないといけないからだ。
だからPS5では、独自のハードウェアを使い、SSDの速度が落ちないよう配慮している。ちょっと偏執的なほどのこだわりだ。
まず、本体内に内蔵されているSSDは、SIEがPS5のために開発した「フラッシュメモリー用カスタムコントローラー」とセットで内蔵されている。システムプロセッサ(SoC)とコントローラーの間はPCIe 4.0でつながり、フラッシュメモリーコントローラーとフラッシュメモリーの間は、12チャンネルのインターフェイスで接続されている。結果として、毎秒5.5GBのデータ転送が実現されている。
データは6段階の「優先順位」を決めて記録できるようになっている。なにから先に読み込むべきか、どれを素早く読み込むべきかを開発時に指定しておくことで、開発側が想定する速度・順番で読み込めるよう配慮している。
PS5のカスタムSoCには、2つのI/Oコプロセッサーとキャッシュ用のSRAM、さらには、データ圧縮と展開用の独自機構、メモリーへの配置を最適化するコピーレンシーエンジンがある。読み込んだデータを配置する際の負荷軽減も行なわれている。データ圧縮には、PS4まで標準的に使われてきた「ZLIB」ではなく、「KRAKEN」という技術が使われているのだが、これはZLIBより圧縮効率が10%いい。そのため、データ転送量が減る。結果として、実効値で毎秒8~9GBのデータ転送ができて、より読み込み時のボトルネック解消に寄与する。
一方、標準で搭載されるSSDの量は「825GB」と、PS4世代から「容量」で見るとさほど大きくなっていない。ライバルであるXbox Series Xが「1TB」であることと比較しても若干少ない。SSDに特化したデータ構造にすれば、ゲームのデータを小さくしつつインストール速度を速くできるので、必要な時だけインストールしておく……という使い方もできるようだ。
とはいえ、少ないものは少ない。
そこで、外付けHDDと、内蔵のSSD増設にも対応している。前者は主にPS4のタイトルを保存しておくことを想定したもの。もちろん、SSDにPS4タイトルを入れれば読み込みは速くなるものの、PS5専用タイトルほどにはならないと予測できる。だからこそ、「PS4は外付け側で」という判断もアリなわけだ。
内蔵でのSSD増設には、M.2インターフェイス対応の市販のSSDを使う。ただし、実際に入るかどうか、コントローラーとの相性による動作確認がとれるかなど、課題はあるようだ。そのため、追って動作確認リストが示されるという。
性能と消費電力の微妙な関係
では、カスタムSoC自体の性能はどうだろうか?
前述のように、今回もx86系で、AMDと共同開発した、最新の「RDNA2」ベースのGPUが乗ったSoCが使われている。
当然ながら、CPUコアの世代も、GPUのコンピューティングユニット(CU)の世代も大きく進化している。CPUコアはPS4と同じく8つだが、その内容は大きく違う。
そもそも1CUあたりのトランジスタ数は62%増えていて、1CUあたりの処理速度は上がっている。PS5は36個のCUを搭載しているが、これはPS4のCUに直すと58CUに相当する処理能力。リアルタイム・レイトレーシングにもハードウェアで対応する。すべてのゲームがレイトレーシングに対応するわけではないだろうが、PS5でも問題なく、わずかな負荷で動作しているという。
ただ、GPUのピーク性能でいえば、PS5はXbox Series Xに劣る。Xbox Series Xは「52CU」となっていて、PS5よりもCUが多い。
とはいうものの、その辺は、設計思想とかなり関わりがありそうだ。
「GPUサイズと動作周波数には大きな関係がある」とサーニー氏は説明する。
そこで示したのが以下の式だ。処理速度はCUの数(GPUに使われるトランジスタの数、GPUの面積)と動作周波数の掛け合わせで表せるが、「少ないCUをより高クロックで回す」場合と、「多いCUを少し低い周波数で回す」場合とでは、いわゆる演算速度は同じになる。しかし、CUを完全に並列に働かせるのは難しく、一般的なグラフィック処理の場合、「少ないCUでも高いクロックで回した方が実効値が高くなり、動作速度が安定する」(サーニー氏)というのだ。
GPU規模=SoCサイズの肥大化はコストと消費電力に跳ね返る。一方で、SSDの読み込みボトルネック解消に必要な回路にも、CU数個分のトランジスタが使われているという。結果的にPS5のSoCは、トランジスタ資産をGPU側だけでなく「差別化のための回路」にも回した、ということになるのだろう。
また、PS5では、省電力設計を独自のポリシーで設計している。
省電力設計をする場合、「電圧と動作周波数を両方変える」こともできるが、PS5では動作電圧は変えず、動作周波数だけを変える。そうすることでよりシンプル化するからだ。また、ファンコントロールを、単に半導体の温度で決定することはしない。処理負荷が重い時に温度が高いとは限らないからだ。
PCでもPS4でも、負荷が高まるとファンの音が大きくなって不快に感じやすい。それは、極端に負荷が高い状態を異例な状況と見ているからだ。PS5ではそうではなく、負荷が高い状態を標準としてファンコントロールをする。CPUが最大3.5GHz、GPUが最大2.23GHzとし、両方が同時に最高に達しないよう、動作周波数の方を変える。周波数を少し落とすだけで消費電力は大きく変わる。
数百のオブジェクトでの「立体音響」を実現、PS5は「HRTF標準搭載」のゲーム機に
最後にサーニー氏は「新しい夢」としての機能を説明した。それは「音」だ。
「ビジュアルの影響はもちろん大きいのですが、音も同様に重要です」とサーニー氏は言う。
ゲームの音は「音楽」だけではない。ゲームの世界では様々な効果音が発生しており、それはプレイヤーの周囲に配置されている。しかし、それをちゃんと処理して自然な形で耳に届けるには、PS4世代の構成では性能が不足していた。サーニー氏の説明によれば、一般的なゲームで「毎秒200回のオーディオ処理が発生する」というのだから、確かに負荷は大変なものだ。
「PS3の時代は素晴らしかった」とサーニー氏は言う。PS3はCPU「CELL」が独自のマルチコア構成だったことで、開発に習熟するのに時間がかかった。一方で、CELL内のコアである「SPU」は、「オーディオ処理用には最高のデバイスだった」(サーニー氏)というのだ。それだけ信号処理に回せるパワーがあった、ということだろう。
PlayStation VR(PS VR)では、独自のサウンドエンジンによって「50オブジェクト」の立体音響を実現していた。これはかなりリアルなものだが、次の世代であるPS5では、「あらゆる人がPS VRを超える音響」を体験できることが望ましい。ゲーム機の性質上、特別なサウンドバーやアンプを買った人だけが体験できる、という形ではダメなのだ。
そこでPS5では、オーディオ処理を劇的に性能向上させることになった。
搭載されたオーディオ技術の名前は「Tempest 3D」。空間上に立体に音源を配置し、中央にいるプレイヤーに自然でリアルな環境を再現することを目指す。例えば、雨が降る中にいる状況などだ。回りを落ちる雨粒の音が立体音響として再現されていれば、いままでゲームでは体験したことのないリアルな空間になるはず。サーニー氏は「まるでマトリックスのような」という表現を使った。
Tempest 3Dでは、数百のオブジェクトでの立体音響を目指す。処理系は、PS4のSPUをお手本にしたものだ。
さらにそこで重要になるのが「HRTF」である。
この単語は、ゲームファンよりも、むしろ本誌読者のようなAVファンにはお馴染みなのではないだろうか。ヘッドフォンを使って立体音響を実現する際には、耳から頭、首までの構造がどう音に影響するかを示した「頭部伝達関数」を使い、音を加工して立体感を表現する。この頭部伝達関数が「HRTF」だ。HRTFをTempest 3Dで音源処理する過程に組み込めば、ヘッドフォンなどで「自然な音場感」を実現できる。
ただし、これもAVファンにはお馴染みの話だが、HRTFは人によってけっこう違う。だから本来は、その人に合わせて計測するのが望ましい。
とはいえ、計測はかなり大変だ。そこでPS5では「最初の取り組みとして」(サーニー氏)、5つのパターンのHRTFをシステムに搭載し、それを切り換えて使ってもらう形になる。なんとPS5は、「史上初、HRTFが標準で搭載されているゲーム機」になるのだ。
ソニーは立体音響に積極的だ。オーディオ部門が手がける「360 Reality Audio」では、スマホで耳の写真を撮り、そこから簡易的にHRTFをはじき出して利用する……というアプローチも使っている。そうした技術をPS5でも使えば、より正確で身近なものになるのではないだろうか。
この他、テレビの2chのステレオスピーカーでのバーチャルサラウンドとしての対応も検討されている。6ch以上の、いわゆる「サラウンドスピーカー」への対応も同様だ。
こうなると、ゲームはもちろん、360 Reality AudioやDolby Atomosも含めた、「立体音響コンテンツ」全体への対応の充実を期待したくなる。
「システム」で変化をアピールするマイクロソフト、PS5が体験できるのは「いつ」なのか
何度か触れたが、ライバルのXbox Series Xも、このタイミングでお披露目が行なわれている。こちらはPS5とは違い、デザインやOSでのUIなども公開された。
同じAMDのカスタムSoCを使う機器であり、似た特性のある印象を受ける両者だが、意外と設計思想は異なる。すでに述べたように、GPU性能ではXbox Series Xに軍配があがる。ただ、SSDのリード速度はPS5の方が倍早いし、Xbox側でPS5ほど偏執的なボトルネック解消手段が採られているかはわからない。Tempest 3Dのような機構もない。
ただ、マイクロソフトらしく、ソフトやサービス面の構築は先行している印象も受ける。
標準機能として「複数のゲームを高速レジュームしておく」ことができるなど、OS面はさらにリッチになっている。
また、同時期にはクラウドゲーミング「Project xCloud」も展開されるが、こちらともゲームの互換性がある。今回初めて、xCloud用のブレードサーバーが公開された。Project xCloudでは、Xbox向けタイトルが「スマホやPCなど、プレイするデバイスに最適化されたUIで楽しめる」工夫や、操作遅延を最小化する仕組みなどが備わっている。すなわち同社は、単体のゲーム機を磨くというよりも、「どこでもゲームが同じように楽しめる」環境整備をアピールしたのだ。これはきわめて重要な方針であり、注目に値する。
SIEはPS5の「ハードの詳細」を公開したものの、デモビデオなどは一切流さなかった。デザインも、本体・コントローラー含め、まだ見せていない。
この辺の戦い方・製品の作り方の違いが、両社のキャラクターなのだろう。
個人的には、PS5の「SSDによるゲーム開発の常識の改革」がどういう操作感になるのか楽しみではある。実物を見ないと(当然ながら)結論は下せないのだが、「いまのゲームってこんな感じだよね」という感覚を破壊して欲しい。少なくとも、その期待を持たせてくれる発表ではあった。