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2018プロ野球開幕! 贔屓チームの試合を効率的に見るには? 12球団別傾向と対策

 前回は2018年のペナントレース開幕にあたり、贔屓チームの試合を効率的に視聴する方法として、複数チームの主催試合をまとめてカバーできる放送・配信サービスをまとめて紹介した。後編となる今回はそれらを踏まえ、ライブ配信を中心に、12球団別の効率的な視聴方法をチェックしていく。

 なおCSについては、本稿ではプロ野球公式戦を全試合カバーする「プロ野球セット」を用意しているスカパー! を中心に紹介しているが、ほかにもCSチャンネルを視聴するためのサービスはJ:COMやひかりTVなど多数あるので、ご自身の契約状況に応じて読み替えていただきたい。

セ・リーグ

広島東洋カープ
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:広島ホームテレビ、広島テレビ、TSSテレビ新広島 など
  • BS/CS:J SPORTS 1、J SPORTS 2 など
  • ネット:DAZN(広島県外のみ)、カープ動画ライブ

 12球団の中でもっとも放映・配信の複雑なのがカープだろう。カープの主催試合は昨年からDAZNで配信されているが、広島県内では視聴できない(見逃し配信やハイライトは視聴可能)。このほかカープの主催試合を中継するCSのJ SPORTS 1なども、視聴環境によってはこれと近い制限がある。

 つまり広島県内でカープ主催試合を視聴する際の選択肢は、地上波、もしくはJ SPORTS 1などを含むスカパー!プロ野球セットの実質2択となる。これ以外にRCC中国放送が行なっている、1試合単位で購入が可能な「カープ動画ライブ」もあるが、こちらは視聴環境がスマホとPC限定、また対象が主催試合のうち20試合のみと多くない。

 一方で広島県外で主催試合を視聴するならば、CSのJ SPORTS1などに加え、前述のDAZNでの視聴も可能だ。ネットで視聴する場合、広島県外のほうがむしろ自由度が高いことになる。

 これらにビジターゲームの視聴まで考慮してプランを選ぶならば、広島県内のユーザが極力低コストで多くの試合を視聴するならば地上波とDAZNの組み合わせ、広島県外のユーザはDAZN、地域問わずなるべくシンプルに完結させたければJ SPORTS 1などを含むスカパー!プロ野球セットという形になりそうだ。スカパー!オンデマンドは非対応となるので注意したい。

 なお上記の組み合わせでDAZNを選んだ場合、ジャイアンツ主催試合のみ別途契約が必要となる。ジャイアンツ主催試合を全試合中継するHuluなどとの組み合わせを検討するとよいだろう。

阪神タイガース

 タイガースは地元では、試合終了までの中継をうたったサンテレビを軸とした地上波のリレー中継が確立しており、またBS/CSでもスカイAやGAORAが中継を行っている。また公式動画配信サービスである「虎テレ」は主催試合に加えてジャイアンツの主催試合や、パ・リーグ主催の交流戦のタイガース戦も配信している。

 昨年までは、地元以外での視聴方法の選択肢がそれほど多くないこと、またビジターゲームの視聴方法が実質CSに限られるという弱点があったが、今年からDAZNが視聴可能になったことで、これらの穴がすっぽりと埋まった。

 以上から、ビジターゲームの視聴も踏まえて考えると、地元ファンが極力低コストで多くの試合を視聴するならば地上波とDAZNの組み合わせ、地元以外のファンはDAZN、地域問わずなるべくシンプルに完結させたければスカイAGAORA SPORTSが視聴可能なスカパー!プロ野球セットがベターだろう。ただしスカパー!オンデマンドは非対応となるので注意したい。

 なお、上記でDAZNを選んだ場合はジャイアンツ主催試合のみ別途契約の必要があるが、虎テレであればジャイアンツ主催試合をカバーしているので、虎テレをベースにDAZNで補うという組み合わせも有効だろう。

横浜DeNAベイスターズ
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:テレビ神奈川 など
  • BS/CS:TBSチャンネル2 など
  • ネット:DAZN、AbemaTV、ニコニコプロ野球チャンネル、スカパー!オンデマンド

 経営母体がDeNAになって以降、ネット配信を積極的に強化しているのがベイスターズで、ニコニコプロ野球チャンネルにおける無料配信に加えて、昨年からはAbemaTVでの無料配信もスタートしている。後述するようにイーグルスが今年から主催試合の無料配信を行なわなくなったため、いまや主催試合すべてを無料で視聴できるのは、12球団の中でベイスターズだけとなってしまった。

 またDAZNでの配信は、昨年の時点ではニコニコ、AbemaTVと違って有料ゆえ存在感が薄かったが、今年はそのDAZNが11球団をカバーしたことで、ホーム・ビジターを問わずなるべく多くの試合を視聴する方法として、一気に大本命となった印象だ。一方で昨年まで主催試合すべてをネットで有料配信していたSHOWROOMは、昨年シーズン限りで「横浜DeNAベイスターズSHOWROOM PASS」の提供を終了している。

 地上波は、地元のテレビ神奈川は主催試合のうち二十数試合(2017年実績)しか中継しておらず、全試合を視聴するにはCSのTBSチャンネル2との契約が欠かせない。セ・リーグの他チームとは逆に、弱点である地上波を、CSおよびネット中継でカバーしている形だ。

 よって全試合を視聴するには、テレビ放送であればTBSチャンネル2を含むスカパー!プロ野球セット、ネットであればDAZNをベースに、必要に応じてジャイアンツ主催試合を別途契約するのがベターだろう。その上で、遅延の少なさや、コメント機能のような付加価値を求めるならば、主催試合のみニコニコ生放送やAbemaTVを利用するのがよさそうだ。

読売ジャイアンツ

 ジャイアンツは、日本テレビやBS日テレ、さらにスポーツ専門チャンネルである日テレジータスを擁するほか、ネットではジャイアンツLIVEストリーム、そしてHuluと、主催試合の視聴手段は豊富だ。ジャイアンツLIVEストリームについては、タイガース・ベイスターズ主催のビジターゲームも視聴できる。

 一方、ビジターゲーム全試合を視聴するための方法はこれまでCSのみだったが、今年からはDAZNがジャイアンツを除く11球団の主催試合を配信するようになったため、交流戦も含めてこちらでカバーすることが可能になった。

 以上から、全試合を確実に視聴するのであればためには日テレジータスを含むスカパー!プロ野球セット、ネット中心であればジャイアンツLIVEストリームまたはHuluをベースに、DAZNを組み合わせるのがベターな選択といえそうだ。スカパー!オンデマンドは非対応となるので注意したい。

 また、なるべくコストを抑えたい場合は、主催試合の多くをカバーするBS日テレをベースにする方法もあるほか、必ずしもビジターゲーム全試合にこだわらないのであれば、タイガース・ベイスターズ主催のビジターゲームもカバーするジャイアンツLIVEストリームのみで済ませる選択肢もある。とにかく組み合わせのパターンが多いのが、ジャイアンツの最大の特徴だ。

中日ドラゴンズ

 ドラゴンズは地元では東海テレビやCBCテレビ、テレビ愛知、三重テレビなどで中継が組まれているほか、CSではJ SPORTS 2を中心に中継される。稀にBSフジやBS-TBSでの中継もあるが数は多くなく、他チームに比べると地上波でカバーできる試合数は多めだ。

 ビジターゲームの視聴は、CSに加えて今年からDAZNという選択肢が追加になり、ジャイアンツ主催試合を除いたビジターゲームの視聴が可能になった。一方でネットでの視聴方法は限定されており、J SPORTSのオンデマンド配信であるJ SPORTSオンデマンドを除けば、DAZN以外に選択肢がない。

 以上から、ビジターゲームの視聴も踏まえて考えると、極力シンプルにしたければJ SPORTS 2を含むスカパー!プロ野球セット、地上波が視聴可能なエリアならば地上波とDAZNの組み合わせ、その他のエリアはDAZNという布陣になる。DAZNをチョイスした場合はジャイアンツ主催試合が含まれないので、これらは別の視聴方法を探す必要がある。

 なおドラゴンズ主催試合のジャイアンツ戦については、ネットでの配信が行なわれない。J SPORTSオンデマンドについても、J SPORTS 2で中継があっても配信されないほど徹底している。これらの試合については地上波か、もしくはJ SPORTS 2(放送)でカバーするしかなさそうだ。

東京ヤクルトスワローズ

 スワローズはセ・リーグの他チームと違って地上波の中継がほとんどなく、CSのフジテレビONEに頼っているのが特徴だ。BSフジやBS朝日などが中継する場合もあるが、他チームに比べるとCSの比重がかなり高い。

 またベイスターズのようにネットに注力しているわけでもなく、フジテレビONEを配信するフジテレビONEsmartが利用できるくらいだ。今年からDAZNが加わったことで、ようやくネット視聴の選択肢ができたという状況である。

 こうしたことからスワローズの試合をチェックするには、テレビが中心ならばフジテレビONEが視聴可能なスカパー! プロ野球セットを契約し、ビジターゲームをまとめて視聴できるようにするのが大本命の方法だ。一方、ネット視聴が中心であれば、DAZNを契約して主催試合を含む11球団の試合をカバーしつつ、ジャイアンツ主催試合については別途検討する形になるだろう。

パ・リーグ

福岡ソフトバンクホークス
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:TOKYO MX(東京近郊)、TNCテレビ西日本、KBC九州朝日放送、TVQ九州放送、RKB毎日放送、FBS福岡放送(福岡近郊) など
  • BS/CS:FOXスポーツ&エンターテイメント、FOXムービー、BS12 トゥエルビ など
  • ネット:DAZN、パ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Special、スカパー!オンデマンド

 パ・リーグの中では地上波での放送機会が多いのがホークスで、地元ではTNCテレビ西日本をはじめとする各局が中継を行なっているほか、関東でもTOKYO MXが中継するという、珍しいスタイルを採用している。もっとも地上波ということで試合途中で打ち切られるケースも多く、試合終了まで確実に視聴するには、多くの主催試合を中継しているCSのFOXスポーツ&エンターテイメントなどと契約しておくことが望ましい。

 よってビジターゲームも含めてなるべく多くの試合を視聴するには、テレビ中心であればFOXスポーツ&エンターテイメントを含むスカパー!プロ野球セット、ネットであればDAZN、セ・リーグ主催の交流戦を省いても問題なければパ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Specialのいずれかをチョイスすることになるだろう。地元での地上波放送を軸に考えるならば、セ・リーグ主催の交流戦もカバーできるDAZNが、組み合わせるサービスとしては妥当だろう。

埼玉西武ライオンズ
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:テレビ埼玉 など
  • BS/CS:フジテレビTWO ドラマ・アニメ、BS12 トゥエルビ など
  • ネット:DAZN、パ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Special、スカパー!オンデマンド

 地上波におけるライオンズの中継は、地元であるテレビ埼玉のライオンズアワー(ホーム)やヒットナイター(ビジター)が有名だが、カバーする試合数は多くなく、それゆえ全試合を視聴するためには、主催試合すべてを中継するCSのフジテレビTWO ドラマ・アニメを含む、スカパー!プロ野球セットなどとの契約が欠かせない。

 よってビジターゲームも含めてなるべく多くの試合を視聴するには、テレビ中心であればフジテレビTWO ドラマ・アニメを含むスカパー!プロ野球セット、ネットであればDAZN、セ・リーグ主催の交流戦を省いても問題なければパ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Specialのいずれかをチョイスすることになる。地上波はカバーする試合数が少ないだけに、いずれの方法を用いても、一定のコストは掛かってしまうのが悩ましいところだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:東北放送TBC、東日本放送、仙台放送、ミヤギテレビ など
  • BS/CS:J SPORTS 2、BS12 トゥエルビ など
  • ネット:DAZN、パ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Special、スカパー!オンデマンド

 イーグルスは昨年まで、楽天SHOWTIMEやEagles TVで主催試合の中継を行なっていたが、今年はこれらをRakuten パ・リーグ Specialへと一本化。同じく主催試合の中継を行なっていたニコニコプロ野球チャンネルも、公式戦の試合スケジュールが発表になっておらず、現状ではパ・リーグTVとRakuten パ・リーグ Special、さらにDAZNを加えた3択という、パ・リーグ他球団と同じ選択肢となる見込みだ。

 地上波については東北放送TBCや東日本放送を中心として一定数がカバーされており、ビジターゲームの放送も少なくない。これら地上波を基準にするならば、セ・リーグ主催の交流戦もカバーできるDAZNと組み合わせることで、さらに多くの試合をカバーできるだろう。さらに確実に全試合をカバーするならば、CSのJ SPORTS 2を含む、スカパー!プロ野球セットなどの契約を検討することになる。

 イーグルスだけに、本来ならば楽天傘下のRakuten パ・リーグ Specialを基準に考えたいところだが、セ・リーグ主催の交流戦をカバーする方法を探すとDAZNに行き着いてしまい、それならば最初からRakuten パ・リーグ SpecialよりもDAZNを選んだほうが効率的となるのがもどかしい。Rakuten パ・リーグ Specialがサービスイン後、画質や機能、遅延などでDAZNに比べてどの程度のアドバンテージを発揮できるかによっても、これらの状況は変わってくるだろう。

オリックス・バファローズ
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:なし
  • BS/CS:J SPORTS 3、BS12 トゥエルビ など
  • ネット:DAZN、パ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Special、スカパー!オンデマンド

 バファローズは12球団の中でも地上波で主催試合が放映される機会が特に少なく、公式サイトの放映スケジュールを見ても、たまに行なわれている地上波での放送は、そのほとんどがビジターゲームといった有様だ。むしろ福岡や札幌などパ・リーグ他球団の地元に在住しているほうが、地上波で遭遇する確率が高いのではと思ってしまうレベルだ。

 よって主催試合を視聴するには、CSのJ SPORTS 3や同チャンネルが視聴可能な、スカパー!プロ野球セットなどの契約が欠かせない。ネットで視聴する場合は、パ・リーグの他球団と同様、DAZN、セ・リーグ主催の交流戦を省いて問題なければパ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Specialのいずれかをチョイスすることになる。

北海道日本ハムファイターズ
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:北海道テレビHTB、札幌テレビSTV、北海道放送HBC など
  • BS/CS:GAORA SPORTS など
  • ネット:DAZN、パ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Special、スカパー!オンデマンド

 ファイターズは地元では地上波による放送が活発で、局によっては一部ビジターゲームの中継も行なってくれるのが嬉しいところ。試合終了までの完全中継を考慮しないのであれば、これら地上波にDAZNなどを組み合わせ、なるべく安価に多くの試合を視聴することが可能だ。

 居住エリア的に上記の地上波中継が視聴できない、もしくはテレビでの視聴を前提に試合終了までの完全中継にこだわるならば、CSのGAORA SPORTSが含まれるスカパー!プロ野球セットを契約しておけば、主催試合すべてに加えてビジターと、ほぼ全試合が視聴可能となる。ネットであればDAZN、セ・リーグ主催の交流戦を省いても問題なければパ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Specialのいずれかをチョイスするのもよいだろう。

千葉ロッテマリーンズ
  • 球団公式サイト
  • スケジュール
  • 地上波:千葉テレビ など
  • BS/CS:日テレNEWS24、BS12 トゥエルビ など
  • ネット:DAZN、パ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Special、スカパー!オンデマンド

 マリーンズは、地元の千葉テレビがマリーンズナイターと称して主催試合の中継を行なっているが、その数は30試合とあまり多くなく、主催試合すべてをテレビで視聴しようとなると、今年から全主催試合を放送することになった、CSの日テレNEWS24と契約する必要がある。

 よってテレビ放送をメインで考えるのであれば、日テレNEWS24を含むスカパー!プロ野球セットを契約することで、主催試合すべてに加えてビジターと、ほぼ全試合が視聴可能となる。ネットであればDAZN、セ・リーグ主催の交流戦を省いても問題なければパ・リーグTV、Rakuten パ・リーグ Specialのいずれかをチョイスするのもよいだろう。

*3月28日時点の情報をまとめています。各サービスや各球団の最新情報はそれぞれのWebサイトなどでご確認ください

山口真弘