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ソニーも新モデル投入。今も変わらない有線イヤフォンの意外な需要

「IER-EX15C」

ソニーは、USB-C接続の有線イヤフォン「IER-EX15C」を10月10日に発売する。「完全ワイヤレスイヤフォン全盛期に有線イヤフォン?」と思ったが、そこには意外な需要があった。

IER-EX15Cは、9月24日に発表された新モデル。接続端子にUSB-Cを採用しており、iPhoneをはじめとするスマートフォンや、Nintendo Switch 2などのUSB-Cデバイスに接続するだけで使用できる。価格はオープン、市場想定価格は3,200円前後。

USB-C接続の有線イヤフォンは、特にiPhoneがUSB-Cを採用して以降、人気を集めており、JBLの「TUNE310C」や、直近ではAZLA「TRINITY」でもUSB-Cタイプが用意されたほか、無印良品からも発売されるなど、市場が拡大している。ソニー担当者も「昨今、有線イヤフォンのなかでType-CのUSBコネクタ付きのもの構成比が増えている。値段の安いものから、それなりの価格帯まで裾野も広がっている」と分析し、ここに新製品を追加することにしたという。

ただ最近はダイソーや3COINSなどでも、格安で完全ワイヤレスイヤフォンが買える時代。この時代に有線イヤフォンの需要はどこまであるのか?と疑問に思ったところ、意外な需要傾向があるという。それは「親が子どもに買い与える」という需要だ。

「いきなり小学生に完全ワイヤレスイヤフォンを渡すというまでにはいかず……。また完全ワイヤレスイヤフォンは電池切れしますが、(有線イヤフォンは)電池が切れることもなく安心して使えますので、そういった形で購入されることもあります」(ソニー担当者)

完全ワイヤレスイヤフォンは、大人でも片方をなくしてしまったり、ポケットに入れたまま洗濯しかけたりと、“うっかりトラブル”は起こしがち。元気いっぱいな小学生ともなれば、その頻度も上がるだろう。有線イヤフォンであれば少なくとも片方だけなくしてしまう、というアクシデントは防げるはず。

自分も小学生高学年のころ、貯めたお小遣いを握りしめて近所のスーパーで1,000円もしない有線イヤフォンを買っていたなぁと思い出し、今の時代の子どもたちも同じような経験をしているのだと、なぜか感慨深くなるエピソードだった。

酒井隆文