2021年1月期。「ホリミヤ」や「無職転生」など

編集Yのチェックポイント

「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」

RPGのラスボス手前、凶悪なモンスターがウジャウジャいる地獄のような世界にひっそりと存在している村。最終決戦前に、回復やセーブができるありがたい場所だが、それと同時にこう思ったことはないだろうか? 「こんな場所で暮らせるなんて、ここの住民は何者なんだ?」と……。

そんな素朴な疑問を体現したようなアニメが「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」、通称「ラスダン」。お人好しだが気弱な村の少年・ロイドが、軍人にあこがれ王都に旅立つ……のはよくある物語だが、その村が“ラストダンジョン前の村”だと話は変わってくる。スタート直後からクリア寸前、巨大モンスターも片手で投げ飛ばす少年の、ユニークな日常が幕を開ける。

「裏世界ピクニック」

「くねくね」や「八尺様」、そして「きさらぎ駅」、ネットで時折目にする“怪談”や“都市伝説”。そうした存在が出現する“裏世界”があった。紙越空魚(かみこしそらを)は、そんな怪異が徘徊する裏世界の存在を知り、たびたび探検していた。

そんなある日、怪異に遭遇し、身動きが取れなくなってしまった空魚の前に、一人の美少女が現れる。｢冴月｣という失踪した女性を捜している謎多き女子・仁科鳥子(にしなとりこ)。探検と研究、そしてお金稼ぎのため、空魚は鳥子と行動をともにする事になるのだが……。

非日常へ足を踏み入れた2人が、様々な怪異と遭遇し、それを切り抜けていくサバイバルストーリー。その手の怪談話が好きな人なら、ニヤリとする展開が山盛りだ。

「蜘蛛ですが、なにか？」

今、流行りの“転生モノ”だが、女子高生だった主人公が、教室で激痛に襲われ、目覚めると“蜘蛛”になっていたという衝撃的な展開。しかも“蜘蛛の能力が使える女の子”とかではなく、“まんま蜘蛛”。しかも巨大サイズの“蜘蛛型モンスター”だ。

狩らなければ狩られるキビシイ自然界。彼女も生き残るためには、糸や身体能力を駆使して、同族や毒ガエルモンスターなどを倒し、それを喰らわねばならない。中身は女子高生、果たしてそんな過酷な試練に耐えられるのか!? 自分よりも高レベルなモンスターを、主人公の蜘蛛がどのように倒し倒していくのか? にも注目。あ、もちろん人間のキャラクターも出てきます。

「ホリミヤ」

シリーズ累計570万部を突破している人気漫画「ホリミヤ」のテレビアニメが、2021年1月から放送される。放送に先駆け、ティザービジュアルやキャスト、メインスタッフ情報、コメントなどが公開された。

Web作家HEROの「堀さんと宮村くん」を原作に、萩原ダイスケの構成・作画で月刊Gファンタジーで掲載、シリーズ累計600万部を突破した人気コミック「ホリミヤ」が遂にアニメ化。

美人で成績も良く学校ではクラスの中心的存在の堀京子。そんな彼女は、共働きの両親に代わり寄り道もせずに帰宅し、家事や年の離れた弟の面倒に勤しむ家庭的な高校生だった。ある日、ケガをした弟・創太を、見知らぬ男が堀の家に送り届ける。ちょっとワイルドなその男、実は、彼女のクラスメイトである、ネクラ男子で……。

2人の恋愛模様と、それを取り巻く友情物語。青春の醍醐味が詰まった作品だ。監督は「PERSONA5 the Animation」や「新世界より」の石浜真史、シリーズ構成は「四月は君の嘘」、「WORKING!!」の吉岡たかを、キャラクターデザインは「あんさんぶるスターズ！」などで知られる飯塚晴子、音楽は「ちはやふる」の横山克が担当する。制作はCloverWorks。

「SK∞ エスケーエイト」

「Free!」や「BANANA FISH」を手掛ける内海紘子と、シリーズ構成・脚本の大河内一楼、そしてスタジオ・ボンズが手掛けるオリジナルアニメが「SK∞ エスケーエイト」。題材としているのはアニメでは珍しい“スケートボード”つまりスケボーだ。

公園や階段で技をキメるのが一般的なスケボーイメージだが、主人公の高校生・暦レキがハマっているのは、“S”と呼ばれる、閉鎖された鉱山をスケートボードで滑り降りるルール無用の危険な極秘レース。中でも、そこで行なわれる「ビーフ(決闘)」に多くの人々が熱狂していた。

カナダからの帰国子女で転校生・ランガを誘い、2人は「S」の世界へを身を投じる。個性豊かなスケーター達と繰り広げられる、スピード感あふれるスケボーレースバトルに要注目だ。

「無職転生 ～異世界行ったら本気だす～」

「現実世界でダメダメな主人公が、異世界に転生して無双する……」、「異世界転生系ラノベ」、「なろう系小説」が多く登場し、アニメ化もされている昨今だが、ついにその“なろう系ラノベのパイオニア”がアニメ化。それが「無職転生 ～異世界行ったら本気だす～」だ。

34歳無職の主人公が交通事故に遭遇、中世ヨーロッパ風の異世界に赤ん坊として転生。前世の記憶と後悔を糧に、「今度こそ本気で生きていく」姿を描く壮大なファンタジー。

手掛けるスタジオは、「Re:ゼロから始める異世界生活」や「STEINS;GATE」などを手掛けてきたWHITE FOXと、「ソードアート・オンライン アリシゼーション」のプロデュースなど数々のアニメ企画に携わるEGG FIRMがタッグを組んで、「無職転生」制作のために新たに設立したアニメ制作会社スタジオバインド。“本気をだした”アニメ化に期待大だ。