2021年7月期。「メイドラゴンS」や「魔法科高校の優等生 」など

斉木久美子によるコミックを原作とした「かげきしょうじょ!!」は、その名の通り“歌劇”を題材とした作品。

大正時代に創設され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」が物語の舞台。

難易度は東大に並ぶとも言われ、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。“オスカル様”に憧れる、178cmの長身を持った天真爛漫な少女・渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル・奈良田愛。何もかもがバラバラな彼女達による、希望と葛藤に満ちた音楽学校生活が幕を開ける!!

魔法師を育成する「魔法科高校」において、“制度的”には劣等生だが、理論分野では圧倒的な能力を発揮する少年・司波達也。彼が、愛する妹・司波深雪を守り、様々勢力と戦うのがご存知「魔法科高校の劣等生」。

7月からスタートする「魔法科高校の優等生」は、“劣等生”の達也ではなく、“優等生”の妹・深雪を主人公にしたスピンオフコミックが原作。才色兼備で完全無欠な優等生である深雪は、共に入学した兄との仲睦まじいスクールライフを夢見ていたが、“優等生と劣等生”の壁が立ちはだかる。個性豊かなクラスメイトやライバルたちと繰り広げられる“妹目線”のスクールライフ。おなじみの世界が、視点を変えるとどう変化するか? 見所だ。

ヤングアニマルで連載中、神・人・魔物の生存闘争を描いた「平穏世代の韋駄天達」がアニメ化。原作は天原、作画はクール教信者。アニメーション制作には「呪術廻戦」「進撃の巨人」などを手掛けたMAPPが担当する。

近代兵器も通じない怪物魔族の前に、人類は滅びる寸前を迎えていた。打つ手を失った人間たちは救いを求めて祈り続けると、突如「韋駄天」と呼ばれる戦いの神が現れ、魔族を倒した。時は過ぎ、800年以上経った平和な時代に「平穏世代の韋駄天達」が生まれる。そんな中、戦い経験のない彼らの前に再び、魔族が復活する。

声優には、朴璐美(主人公ハヤト役)、緒方恵美(イースリイ役)、岡村明美(リン役)といったベテラン勢が揃う。不謹慎で不真面目で不道徳、不死で不吉で不穏…そんな「不」の中に、本作最大の魅力があり、韋駄天の醍醐味となっている。

ガンガンJOKERで連載中、望月淳によるコミック「ヴァニタスの手記」がアニメ化。吸血鬼に呪いを振りまくという魔導書「ヴァニタスの書」を巡る、呪いと救いの吸血鬼譚。音楽は梶浦由記が担当。梶浦は望月淳原作のTVアニメ「PandoraHearts」でも音楽を務めた経験をもつ。

舞台は、人間と吸血鬼が存在する19世紀フランス。吸血鬼の青年ノエは、「ヴァニタスの書」を探しにパリへと向かっていた。途上の飛空船の中でノエは、ある事件に遭遇し、その混乱の最中目の前に、吸血鬼の専門医を自称する人間・ヴァニタスが現れる。彼の手には、探していた呪いの魔導書があり……。

パリを豪華絢爛に描き、ゴシックホラーやダークファンタジー要素をもつ本作。俺様なヴァニタスと、天然ボケのノエが繰り広げる、ホームズとワトソンのような不即不離の関係に注目だ。

少女たちの青春を描いたアニメ「色づく世界の明日から」の制作陣が再集結。篠原俊哉監督&シリーズ構成 柿原優子のタッグで新たに手掛けるのは、沖縄のちいさな水族館を舞台にした完全新作オリジナルアニメ「白い砂のアクアトープ」。

沖縄県南城市にある廃館寸前の“がまがま水族館”を舞台に、館長代理を務め、廃館を阻止するべく奔走する女子高生 海咲野くくると、東京で居場所をなくし、逃避行した元アイドル 宮沢風花が出逢う。立場の違う2人の少女の絆や葛藤、そして成長を描くガール・ミーツ・ガールの青春群像劇。

篠原監督の海が舞台となった作品といえば「凪のあすから」。海と陸、さらには時間が引き裂いたキャラクター達の立場と心情、そして“ウミウシ”の存在が非常に印象的な物語だった。前作「色づく世界の明日から」は、色覚を失い、モノクロの世界を彷徨っていた主人公が色を取り戻す過程と、その心情に合わせた色彩表現が圧巻の作品だ。今作「白い砂のアクアトープ」では、2人の少女と取り巻く登場人物達の心情の表現、沖縄の海と東京のビル群などの風景、深く関わりそうな水族館の生き物たちにも注目したい。