プレイバック2017

初Appleやカメラ、スマホに散財。4Kプロジェクタを(本当に)買った by 西川善司

 昨年とほぼ同じ導入となるが、今年も通帳の残高が目減りしていることに驚く。また今年も散財をやってしまったようだ。2017年の西川善司的散財遍歴を今年もお届けしたいと思う。

コンパクトデジカメ「DSC-RX100M5」を購入

 取材用のメインカメラとして一眼レフカメラとしてニコンの「D5500」を2015年に購入して以来、特に不満無く使い続けてきたのだが、ちょっとしたお出かけとか、それほど撮影難度の高くない取材(≒望遠で壇上の人物を狙うとか、照明悪条件下での撮影とかではない)時に、スっと小さなカバンに入れて持っていけるデジカメが欲しくなり、購入を決断。

 知り合いのYouTuber達から絶賛を受けていたソニーの「DSC-RX100M5」を勧められたのだが、これが、D5500の本体よりもお高くてびっくり。ちょっと躊躇したが、勢い余って購入してしまった。それ以来、愛用を続けている。

直線基調でデザインされている関係で、酷使していると、輪郭部の黒い塗装が剥げてきている

 実際に使って感じたのはスチル撮影の[AUTO]モードが優秀なこと。イベントとかの取材時では、ブーススタッフさんに自分がデモなどを体験している様子を撮影してもらうことが多いのだが、その際に、でかい一眼レフのD5500を差し出すと嫌がられてしまう。しかし、DSC-RX100M5だと見るからにコンデジなので女性スタッフにも怖がられないのだ。それでいて[AUTO]で撮ってもらうと、まあまあちゃんと撮れていることが多い。

 そして動画撮影機能が充実なことも満足している。このサイズで4K/30pの動画撮影に対応しているし、フルHD(1,920×1,080ピクセル)解像度で960fpsまでのハイスピード撮影が可能だというから凄い。ちなみに、2017年1月以降の大画面☆マニアの恒例の遅延測定はこのDSC-RX100M5で行なっている。

 そうそう。撮影画角は35mm換算で24mmから……、とけっこう広角なところも気に入っている。カンファレンスなどにおいて最前席に座っても、スクリーンに投影されているプレゼンテーション画面の撮影も余裕なのだ。最近はD5500の活躍の場を奪うほどの便利に使えているほど。

 ただ、最近、気になるポイントも見えてきた。

 それは「黒いものにフォーカスが合いにくい」という特性。比較的明るい場所でも、黒いオーディオ機器とか、黒いカメラとか、黒いゲームコントローラとか、とにかく黒いものを撮影しようとするとオートフォーカスが迷いがちでウィーウィーとモーター音が鳴り続けるだけでなかなか合焦してくれない。このあたりのオートフォーカス性能はD5500の方が断然優秀である。

 「AF補助光」の設定は「オート」設定があるのみで「強制」設定ができるようになれば、このあたりの特性を改善できそう、と勝手に想像しているのだが、果たして……。アップデートに期待したいところ。

8月。人生初のアップル製品を購入

 筆者はなぜかアップルとは縁がない。

 毛嫌いしているとかではないし、むしろいつも「いいなぁ」と、スラム街の少年がガラス越しのトランペットを前にしたときのような眼差しでアップル製品を見てきたのだが、購入する機会がなぜかなかったのだ。

 iPodが流行っていたときにはiPod Shuffleを買おうと、同業者みんなで入った海外のアップルストアのレジに商品パッケージを持って列んだら、アップル製品のエキスパートの同業者に「それだけはやめておけ」と注意を受けてやめたり(結果的にはそのアドバイスは正解だったと思うが)、iPhoneも買おうとしたら、文字入力に「かな入力」がないと知りやめたり、とにかく神風が吹くように自分の目の前からアップル製品がするりするりと通り過ぎ去っていってしまっていたのだ。

 しかし、7月、YouTubeや電子書籍を楽しむための大きめのタブレットが欲しくなり、6月に発表されたばかりの新型のiPad Proの購入を決断した。

 画面サイズは「大画面☆マニア」を語る以上は最大サイズの12.9インチを選択するのは当然。iOS端末はSDカードスロットがないと聞いていたのでストレージ容量も最大サイズの512GBを選択した。

iPad Pro 12.9インチモデルを購入してついにアップルバージンを卒業。

 ネットワーク機能はWi-Fiモデルではなく、ソフトバンク・キャリアの4Gモデルを選択。なぜソフトバンクにしたかというと「アメリカ放題」を利用したいから。アメリカ出張が多い筆者にとっては、出張先でSprint回線を捕まえれば無料でインターネットが使えるのは魅力的に思えたのだ。

 ソフトバンク回線をiPadで新規契約する際に一緒にガラケーを契約したほうがお得ということが分かり、ゼロ円のガラケーも購入。キャンペーンのキャッシュバックもあったりしてかなりお買い得に購入できたのだが、店頭在庫はないとのことで予約して待つことに。しかし、1カ月以上が過ぎた8月下旬になっても連絡が来ない。

一緒にガラケーを最低金額プランで契約すると、iPad Proの月々の通信費の割引率が上がり、トータルで見るとiPad Pro単体で新規契約するよりも安くなると言う裏技で購入した。写真はそのガラケーだが今はもう充電もしていないで放置状態

 ある日、痺れを切らしてソフトバンクの予約サイトを見てみたところ「自動キャンセル」のステータスになっていて驚く。

 慌てて店頭に行くと、どうやら自分を受付した人がその後、販売店を退社してしまい後任に引き継ぎがうまく行っておらず、入荷連絡をし忘れていた…ごめんなさい、という説明であった。

 またしても! 神風が吹いて、自分の前からアップル製品がすり抜ける寸前だったのである。

 今では、ほぼ毎日、「ストリートファイターV」の著名プレイヤーの動画を見るのに活躍しているし、一緒に購入したiPad Proの純正キーボードは「かなキー」入力ができるので、メールやSNSの書き込みも、最近ではiPad Proを使ってやることが増えてきた。

 いや、しかし、タブレット端末で14万円も散財するとは思わなかった(笑)。

ゲーム関連は激動した2017年

 今年はゲーム機が一杯発売された。

 そうだっけ?……と思われそうだが、3月には任天堂からSwitchが発売された。筆者はこれは運良く店頭予約ができたため、発売日に購入できている。「ゼルダの伝説:ブレスオブザワイルド」にハマりまくり、海外出張のエコノミーシートでもプレイする始末。

エコノミーシートで機内食が運び込まれてもSwitchでゼルダをプレイし続ける西川善司

 その後、10月には同じく任天堂から「クラシックスーパーファミコンミニ」が発売され、こちらも各量販店での予約合戦がヒートアップした。筆者は、いろんな店舗の抽選予約に応募したが全てに外れて発売日当日を迎える。

 さいたま市大宮駅前のビックカメラでは当日抽選販売を行なうことを知り、早朝抽選券をゲット。どうせ、外れるだろうと地元のヤマダ電機の当日先着順販売の列に並んだら、開店時刻の時点で5人しかおらず、普通に買えてしまう。その後、ビックカメラの抽選も全員が当選扱いと知る。どうやら入荷台数が豊富だったようで、発売日の入手性はよかったようだ。

 「クラシックスーパーファミコンミニ」の収録タイトルのお目当ては幻のソフト「スターフォックス2」だ。21世紀の今となっては「地味」としかいいようがない「素ポリゴン」グラフィックスの本作だが、ゲーム本編は面白いし、なにより「苦労して入手したゲーム機で優雅に遊んでいるオレ」という自己満足が筆者を気持ちよくさせてくれた。

 11月には、PSVRの新型がリリース。VR-HMDとしての性能面で、昨年モデルと比較して大きな違いはないのだが、PS4 ProからのYUV422の4K/60p映像をパススルーできるようになったことが、使い勝手を大きく改善。筆者も初期型を売り払い、新型に買い替えた。PSVRの品薄は、これ以降改善されているようで、筆者は普通に発売日に店頭で購入することが出来た。ゲームは楽しみにしていた「V!勇者のくせになまいきだR」をプレイ。ゴッドシム系のRTSをVRでプレイするのは新鮮だ。これまでは画面の上をマウスでチマチマいじっていた操作を、目の前に広がるワールドマップに対し、直接手を伸ばしてちょっかいが出せるのがいい。オススメである。

 11月にはXbox One Xも発売されたが、こちらは日本への出荷台数が少なかったために、継続的な品薄が続いている。筆者も、発売日に手に入れることは叶わず。結局、仕事の関係で評価機を借りるまでは実機を自宅で見ることは叶わなかった。

Xbox One Xで「Forza Motorsport7」をプレイ中の筆者。Xbox One Xのレビューは複数箇所から依頼されたこともあり、一時期、筆者宅には評価機が2台あったことも。しかし、店頭ではSwitch以上のレア商品扱いだ

FREETELの経営破綻とスマートフォンの買い換え

 大画面☆マニアの筆者はスマホも大画面が好きで、最近は6インチ以上のスマホじゃないと、筆者は興味を示さない。いや、ほぼ視認されないといってもいいかもしれない(笑)。

 そんな筆者は丁度2年ほど前、FREETELの「SAMURAI KIWAMI」を購入した。それよりも前に使っていたのはソニーの名機「Xperia Z Ultra」(6.4インチ)。

 Xperia Z Ultraは晩年、寒くなると液晶画面に残像が出るという症状が頻発して買い換えを余儀なくされる。しかし、今から2年前の2015年は、6インチ以上のスマホが不作の年で、唯一、満足出来るスペックを有した大画面モデルがFREETELの「SAMURAI KIWAMI」だったのである。

つい最近まで使っていたFREETELの「SAMURAI KIWAMI」
日本語入力はキーボードアプリ「nicoWnnG IME」を使っての「かな入力」を利用している。画面が大きいと入力も楽

 そんな「SAMURAI KIWAMI」も2年が経ってバッテリーの保ちが芳しくなくなり、さらにアプリの複数起動を行なうとメモリ不足になりがちで、買い換えを意識しだす流れに。
 結局、画面サイズ的にも大満足の6.3インチ画面の「Galaxy Note 8」を選択。12月、購入に至った。

 Galaxy Noteシリーズといえばペン入力が目玉機能だが、これは取材のメモ書きなどで活用している。もともと、筆者のスマホ第一号は初代Galaxy Noteだったので、ペン入力でスマホを使うことへの抵抗は全くない。

 ところで、初代Galaxy Noteの画面サイズは5.3インチだった。「6インチ未満のスマホは目に入らないと言っていたのに最初のスマホは6インチ未満だったのかよ」という突っ込みが入りそうだが、2012年当時は、このあたりか最大クラスだったのだ。

初代Galaxy Noteから5年経ち、Galaxy Noteは世代番号が"8"に増え、画面サイズは"1"インチアップして筆者の元に帰ってきた(?)Galaxy Note 8。画面は取材メモ。本人以外は意味が分からないようなちょっとしたメモをペンを取り出してささっと取れるのがGalaxy Note 8の魅力。汚いパックマンのストラップは7年近く使っているパックマン生誕30周年記念品

 Galaxy Note 8を選んだのは、もう一つ、こいつが「Google Daydream View」に対応しているから、と言うのもあった。最近は、スマホVR系に絡んだ仕事も増えてきているので、丁度良いタイミングだったわけである。

 しかし、このGalaxy Noteも高かった。Androidベースのスマホに10万円以上も散財するとは…。FREETELの「SAMURAI KIWAMI」の丁度2倍くらいの値段だ。

 そういえば、「SAMURAI KIWAMI」手放して、このGalaxy Note8を購入したほぼ直後だった。「FREETEL経営破綻」の報道を見たのは……。

ついに4Kプロジェクタ導入へ

 昨年、先代モデルの「VPL-VW515」から10万円ほど価格アップして新登場した「VPL-VW535」は、予想外にも「18GbpsのHDMIに未対応」であった。

 昨年の「この振り返る」ネタで、「4Kプロジェクタを購入する気満々だったが購入しなかった」という話を紹介したが、まさに購入しなかった主たる理由が「それ」だった。

 今年もソニーは4Kプロジェクタの新製品を2製品も発表。下位モデルの「VPL-VW245」は、やはり未対応であったが、上位モデルの「VPL-VW745」は「対応」してきたのだ。…と対応してきたのは18Gbps HDMIだけでなく、レーザー光源までをも搭載して来ちゃったのだ。

 「いやー、そこまではしなくていいのに」というのが筆者の最初の感想。VPL-VW535の基本スペックのまま、18Gbps HDMIに対応したモデルを出してくれれば、それで満足だったのに……。

 ただ、大画面☆マニアで、実際に実機の投射映像を見たところ、レーザー光源の色が非常によくできていて「ベタ惚れ」に。

 前出の大画面☆マニア記事の「(たぶん)買う」という記事見出しは、担当編集者が勝手に付けたタイトルなのだが、半ば、そのセリフに後押しされる形で、ついに購入を決めてしまった(編注:取材時に「買う」って言ってましたよ)。

 今回も天吊り設置作業は業者に頼まず、DIYで行なったが、そのあたりの話題はいずれ回を改めてお届けしたいと思っている。

今回も自分で天吊り設置を行なった。天吊り金具は汎用品。VPL-VW745はボディサイズが以前使っていたVPL-HW50よりも大きくなったために、取付金具の加工が必要になった

 せっかくなので、けっこう使い古したスクリーンの新調も今、思案中だ。

 現在、選択候補に挙げているのはアスペクト比17:9のスクリーンだ。

 VPL-VW745は、4K解像度といっても3,840×2,160ピクセルではなく、DCI規格準拠の4Kである4,096×2,160ピクセルを採用しており、アスペクト比は17:9。この17:9の4K映像パネルサイズを最大限活用した拡大表示モードも搭載されていて、さらにレンズメモリー機能もあるので、17:9スクリーンがあれば16:9アスペクトの普通のワイド映像も、2.35:1アスペクトのシネスコサイズ映像も、ともに、VPL-VW745の映像パネルとスクリーンの表示面積を最大限に活用して表示出来るのだ。

 できれば「VPL-VW745導入話」の回にはそのあたりの話題も織り交ぜてお届けしたいと思っている。

 というわけで、今年も自ら散財を心がけて(笑)、業界を盛り上げることに貢献してしまった。2018年は、今年の反動で、もう少し穏便な一年になりそうだが、果たして……。

トライゼット西川善司

大画面映像機器評論家兼テクニカルジャーナリスト。大画面マニアで映画マニア。3Dグラフィックスのアーキテクチャや3Dゲームのテクノロジーを常に追い続け、映像機器については技術視点から高画質の秘密を読み解く。3D立体視支持者。ブログはこちら