プレイバック2017

スマートスピーカーを買ったら音声操作の便利さにハマった by 編集部:庄司

 ストリーミング配信で音楽を楽しむユーザーが増え、その売上の伸びがダウンロード販売に迫る勢いを見せた2017年。これまでも音楽との接点を増やすべく個人的に複数の定額制音楽配信サービスを契約して使い続けてきた。今年はスマートスピーカーが各社から登場し、実際に購入して音楽配信サービスと組み合わせると「流しっぱなしで聴いていて気に入った音楽を自分のコレクションに加える」作業が声だけで行なえるようになり、その便利さを実感している。

Google Home Mini(左)とAmazon Echo(右)を、Xperia X Compact(SO-02J)と一緒に使っている

 これまではApple Music(月額980円)を中心にSpotifyの有料版(Spotify Premium、同980円)と、たまにAmazonのPrime Music(プライム会員なので無料)を使ってきたが、Echoを買ってから利用頻度の比重がガラリと変化。SpotifyとAmazon Music Unlimited(同780円)が中心になり、さらにGoogle Play Music(同980円)も使い始めた。スマートスピーカーの発売記念で、サービスによって期間に差はあるものの、月額利用料が無料になるキャンペーンが長期間行なわれていることもあり、今のうちにApple Musicからの“乗り換え先”を見極めようとしているところだ。

 Amazon Echo(以下、Echo)は運良く招待制メールが早い段階で届いて購入でき、Alexa(以下、アレクサ)による音声操作や、刷新されたスマートフォン用Music Unlimitedアプリで利便性を体感。それだけでは飽き足らず、比較対象としてGoogle Home Miniを買い足し、Googleアシスタント(以下、Google)による音声操作でGoogle Play MusicとSpotifyの使い勝手を色々試している。ウェイクワードについては特に変更せず、Echoは「アレクサ」、Google Home Miniは「ねぇGoogle」と呼びかけている。

Amazon Echo(チャコール )
Google Home Mini(チャコール )

 2つのスマートスピーカーは、手持ちのXperia X Compact(SO-02J)と連携させている。アプリ連携については、ChromecastやSpotify Connect機能が使えるGoogle Home Miniのほうが今のところ優れていると感じる。音質が決して良いとは言えないGoogle Home Miniは、別売のChromecast Audioとスピーカーなどを組み合わせることでこの弱点を解消できる(筆者はパイオニアのセパレートサウンドバー「HTP-CS1」と組み合わせている)。一方、Echoも海外ではFire TV/Fire TV stickとの連携やSpotify対応が出来ているようなので、日本版の対応が待ち遠しい。

Amazon Alexaアプリ(左)は、認識した音声や再生曲の情報などを逐一記録。Google Homeアプリは、Chromecast対応デバイスとの連携が確認しやすい(中)。多彩なデバイスと連携できるのがGoogle Homeシリーズの良いところ(右)

 今もコタツの中から出ることなくEchoに「アレクサ、マルーン5の曲をかけて」、「この曲マイミュージックに登録しといて」とお願いしてみたり、手元のGoogle Home Miniに向かって「ねぇGoogle、ガルパン見せて」(ショートカット機能を使い、Netflixからガールズ&パンツァーを一言で再生できるようにした)、「85秒スキップして」(アニメOPを飛ばすのに便利)など、実にダラけた音声操作生活を満喫している。

Google Homeアプリで、Netflixの特定のアニメ作品をすぐ見られるようショートカットを作った。長いタイトルの作品は略称を登録。お気に入り作品はふざけた言葉でも呼び出せるようにした

気に入った曲を音声操作でライブラリに加える

 スマートスピーカーと音楽ストリーミングサービスを組み合わせて音楽を流しているうち、「初めて聴いたけどいい曲だな」と思った時に、音声操作で自分のミュージックライブラリに追加できたら便利だと考えた。

 ただ、実際にやってみると、はじめは良いと思った曲がどこに登録されたのか分からなかったり、サービスによっては音声操作のキーワードが異なるなど意外と苦労した。色々と調べて試したところ、以下のような形でほぼ期待通りの動作をすることがわかった。

  • Amazon Music Unlimited:「アレクサ、この曲マイミュージックに追加して」
    →プレイリスト「最近マイミュージックに追加された楽曲」に追加される
  • Google Play Music:「ねえGoogle、お気に入りに追加して」
    →プレイリスト「高く評価」に追加される
  • Spotify→「ねえGoogle、Spotifyでお気に入りに追加して」
    →プレイリストではなく、マイライブラリの「ソング(すべての楽曲)」に追加される

 この後、スマホアプリやパソコンから手動で自分の作ったプレイリストに振り分けていく。本当はこの操作も音声で出来れば楽なのだが、今はまだ出来ないので、今後の対応に期待したい。

EchoとGoogle Home Miniで初めて聴いた曲を音声操作だけで自分のライブラリに追加したところ。左からAmazon Music Unlimited、Google Play Music、Spotify

 こうして気になった音楽がライブラリに増えていくと、今度は外でもスマホアプリで聴きたくなり、Wi-Fi環境のある自宅などで端末にダウンロードしている。この時、配信楽曲とローカルで持っている音源(ハイレゾ音源やAAC、MP3などの圧縮音源)をアプリ内で一元管理できて、一緒に混ぜたプレイリストを作れると使い勝手が良い。今使っているサービスでは、Amazon Music UnlimitedとGoogle Play Musicのアプリでそういった使い方が出来ている。

 個人的には今のところ、Spotifyのプレイリストの充実度や機器連携のスムーズさが一番気に入っているが、Spotifyのアプリだけではローカル音源を含めた一元管理ができず、パソコンを使ったインポート作業が必要で少々手間がかかる。今後のアップデートでAmazonなどと同様に、配信とローカルの曲をシームレスに扱えるようになってくれれば、Spotifyに一本化したいのだが……。

 スマートスピーカーの登場でオーディオリスニングと音声操作が結びついたことの快適さは、一度味わうと離れがたい魅力がある。来年以降も音声アシスタントやスマートスピーカーの展開に注目しつつ、あわせてストリーミングサービスもより使いやすく進化してほしい。

庄司亮一