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ソニー、4K有機ELテレビ「BRAVIA A1」。画面が鳴るもう一つのフラッグシップ

 ソニーは有機ELテレビ「BRAVIA A1」を6月10日から発売する。65型の「KJ-65A1」と55型「KJ-55A1」を用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が80万円前後、55型が50万円前後。

BRAVIA「KJ-65A1」

 BRAVIA初の有機ELテレビで、有機ELの特性を生かした漆黒の表現やコントラスト感などの画質性能に加え、画面そのものが震え、“映像と融合した音”が楽しめる「アコースティックサーフェイス」を採用。スタンドと画面を組み合わせ、映像だけが浮かんで見えるデザインも特徴としている

KJ-65A1
KJ-55A1

 ソニーではBRAVIAの最高画質は、液晶の「Z9D/(レビュー記事)」と有機EL「A1」の2シリーズと位置付けている。「高輝度コントラストや高輝度の階調表現で高画質を実現するZ9Dと、点光源の煌めきや黒の締まり、暗部の階調表現で高画質を実現するA1、とデバイスの特性を活かして、それぞれの特長/能力を最大限引き出している。視聴環境や好みによって最適な表現がありますが、Z9DとA1はそれぞれ方向性での最高画質。A1は音やデザインの斬新な提案はもとより、業界の有機ELテレビの中で最高と言われる画質をめざしている」とコメントしている。

KJ-65A1
BRAVIA A1

 なお、海外で発表している77型有機ELテレビについては、今秋以降の発売を検討しているという。

左下に小さくソニーロゴ

BRAVIA初の4K有機EL

 65/55型のいずれも3,840×2,160ドットの有機ELパネルと、HDR対応の高画質プロセッサ「X1 Extreme」を搭載。自発光デバイスである有機ELパネルを活かし、Ultra HD Blu-rayなどのHDR高画質を引き出すという。有機EL向けに、暗部の階調表現などの処理を新たに導入。また、広色域なトリルミナスディスプレイやデータベース超解像を行なう「4K X-Reality Pro」も搭載している。

KJ-65A1
X1 Extreme

 HDR信号は、Ultra HD Blu-rayなどで採用されている「HDR 10」に加え、4K放送で採用される「Hybrid Log Gamma(HLG)」にも対応。またDolby Visionにも今後のアップデートで対応予定。なお、3Dには非対応。

 BRAVIA A1は、前面がほぼ映像表示画面となっており、その裏側に映像処理系やサブウーファを内蔵したデザインを採用。画面は5度上方向に傾いており、ローボードや床置きでの映像の見やすさを高めている。

アコースティックサーフェイスで“映像が鳴る”

 有機ELによる画質に加え、サウンドもA1の大きな特徴。テレビの画面そのものを振動させる「アコースティックサーフェイス」を搭載する。画面を振動板として利用するもので、4基のアクチュエータと1基のサブウーファによる2.1ch構成を採用。総合出力は50W。

音質をアピール

 左右や上下のスピーカーではなく、「画面自体から音が出る」ため、自然なリップシンクやセリフの聞こえやすさを実現。「映像のリアリティを向上する」という。デジタルアンプのS-Masterやフロントサラウンド技術の「S-Force Surround」により、広がりあるサウンドを実現。AACなどの圧縮音源を補間して高音質化する「DSEE」も搭載する。

背面のアクチュエータで画面を鳴らす

Android TVも進化

 チューナは、スカパー! プレミアムサービスチューナ×1と、地上/BS/110度CSデジタル×2。別売の外付けUSB HDDを接続し、番組録画も行なえる。USB端子×3を装備。EthernetとIEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetoothを備えており、映像配信サービスの視聴やスマートフォン連携(Video & TV SideView)が行なえる。

 OSはAndroid TVで、映像/音楽配信サービスや写真やゲームアプリ、検索などに対応。Google Playからのアプリダウンロードや、Chromecast built-inによるスマートフォンからのコンテンツ出力操作に対応する。

 Android TVは最新バージョン(Android TV 7.0)にアップデートされ、Android TV表示画面にテレビ放送等の小画面表示が行なえるようになったほか、タスク切換機能も追加。また、テレビやHDMI入力などの画面を表示しながら、設定画面をオーバレイしてAndroid TVの設定が行なえる。番組表の拡大、縮小にも対応した。

最新のAndroid TVで子画面表示に対応
子画面表示
タスク切換機能

 Netflixや、ひかりTV、Hulu、Amazonビデオ、dTV、YouTube、DAZN、スポナビライブ、AbemaTVなどの映像配信サービスに対応。Google Play Movieにも対応し、リモコンに専用ボタンを備えている。

 録画やYouTubeなどのネットサービス、好みの番組ジャンルなどに、ワンボタンでアクセスできる「番組チェック」にも対応。新たに「かんたんメニュー」も追加。番組を見ながら画面下に表示したUIを確認し、番組表の起動やHDMI入力切替が行なえる。

 また、これまでのソニーAndroid TVでは、電源OFF時にリモコンの局ボタン(8chなど)を押しても、テレビは起動しなかったが、新BRAVIAでは見たい局のボタンを押すだけで、テレビが起動し、選局も行なう「チャンネルポン」に対応する。例えば、8chボタンを押せば、電源が起動し、8ch(フジテレビ)がすぐに表示される。

 リモコンは音声操作対応で、録画番組検索やYouTubeの検索などが可能。ソニー独自の音声解説技術により、音声予約や絞込み検索機能を新搭載し、時制(いつ)×キーワード(何を)×アクション(録画/再生)による、操作に対応。例えば、「今週末のお笑い番組を予約」といった文章で、録画予約が行なえるようになる。

音声による録画予約操作に対応
音声操作対応のリモコン

 HDMI入力は4系統で、HDMI2/3入力が4K/60p 4:4:4対応。コンポジットビデオ入力×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン出力×1(サブウーファ兼用)などを装備する。消費電力は65型が490W、55型が370W。年間消費電力量は65型が234kWh/年、55型が226kWh/年。スタンドを含む外形寸法は65型が145.1×33.9×83.2cm(幅×奥行き×高さ)、55型が122.8×33.9×71.0cm(同)。重量は65型が36.2kg、55型が28.8kg。