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マクセル、初のBD搭載iVDRレコーダ「アイヴィブルー」
1TB HDD内蔵で実売65,000円。BDレコーダシェア3%へ
(2013/3/21 14:22)
日立マクセルは、Blu-ray Discと内蔵HDD、カセットHDD「iVDR」の3つに対応した世界初のレコーダ「アイヴィブルー」2機種を4月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は内蔵HDD 1TBの「BIV-R1021」が65,000円前後、500GBの「BIV-R521」が55,000円前後。iVDRの「iVカセット」は別売。
同社の従来モデル「iV(アイヴィ)ハードディスクレコーダー」は内蔵HDDとiVDRの2つに録画可能だが、新モデルの「アイヴィブルー」は、新たにBlu-ray Discへの録画にも対応した。BDとiVDRに採用されている2つの異なるコンテンツ保護技術方式への対応を初めて実現。内蔵HDDとiVDR、BDの3つの録画媒体を使い分けることで、自由でスマートな新しい録画スタイルを楽しめるとしている。なお、従来モデル「VDR-R3000」などに搭載されていたネットワーク機能は省き、低価格化している。
USB HDDを追加できる他社のBDレコーダと比べた優位点としては、台数の制限なくカセットHDDを増やすことができ、他のiVDR搭載テレビやプレーヤーなどで再生できるiVDRの特徴をアピールしている。
内蔵HDD容量以外の仕様は2機種共通。地上/BS/110度CSデジタルチューナを内蔵し、2番組同時録画に対応するほか、別売の「スカパー!プレミアムサービスLink」対応チューナと組み合わせることで、3番組同時録画も可能。録画はMPEG-2 TSモードに加え、MPEG-4 AVC/H.264の長時間録画も行なえ、最大12倍のハイビジョン長時間モードを用意する。ただし、iVDRへのハイビジョン直接録画はTSモードのみ。
録画予約はEPGまたは時間指定で行なう。EPGはRoviのGガイドを使用し、注目番組、新番組情報を取得できる。ジャンル/出演者/フリーワードからの番組検索も可能。なお、キーワードからの自動録画には対応しない。
BDドライブ部は、BD-R/RE記録に対応し、BDXL(TL/QL)もサポート。Blu-ray 3Dディスクの再生も行なえる。
内蔵HDDまたはBD-R/REへの録画モードは、MPEG-2 TSのほか、AVCのハイビジョン録画はAF(2倍)/AN(3倍)/AS(4倍)/AL(5.5倍)/AE(12倍)を用意。SD画質はXP/SP/LP/EPモードを利用できる。カセットHDDへの録画モードはTSとXP/SP/LP/EP。DVD-R/RWへハイビジョン録画するAVCRECも可能で、AF/AN/AS/AL/AEの各モードと、SD画質のXP/SP/LP/EPを用意する。
内蔵HDDからiVDRまたはBD-R/REへのダビングも行なえ、内蔵HDDからiVDRまたはBD-REへのダビングは最大2倍速、BD-Rへのダビングは最大6倍速。内蔵1時間番組をダビングする場合、TSモードで約9分30秒、AEモードは2分30秒。BD-Rの場合はTSモードで約7分30秒、AEモードで約2分。また、BDからHDDへの書き戻しも可能。
HDMIは1系統。コンポジット/アナログ音声入力も備え、VHSデッキやビデオカメラなどからの外部入力録画も可能。外部入力時の映像を高画質化する「超解像設定」も用意する。
SDカードスロットも備え、AVCHDビデオカメラからの映像をHDDに取り込んで編集/再生することも可能。取り込んだ後でiVDRやBDにダビングできる。
電源を入れて約1秒で起動する高速起動モードを用意。消費電力は21W。年間消費電力は19kWh/年。なお、高速起動モード時は待機時消費電力が通常よりも高くなる。外形寸法は430×211.2×50.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.3kg。
BDレコーダ参入で、初年度シェア3%目標
日立マクセル 理事 コンシューマ事業部 事業部長の乘松幸示氏は21日に行なわれた発表会で、「これまでの集大成として、新たな映像スタイルを提案する。この独自のコンセプトで開発したアイヴィブルーで、必ずや新しく利便性の高い録画体験を提供できると確信している」と宣言した。
同事業部商品企画部担当部長 和田修司氏は、これまでのiVDRレコーダについて「(日立のテレビ)Woooのオプションというイメージや、BDレコーダに次ぐ2台目、3台目のレコーダとするヘビーユーザーの利用にとどまっていた」と説明。また、ユーザーアンケートには、「iVカセット(カセットHDD)の低価格化」や、「2番組同時録画の長時間モードへの対応」に次ぐ3番目にBD/DVDドライブの搭載があったという。新たにBDドライブを搭載することで、量販店などでの売場についても、テレビのオプションとしての扱いではなく、レコーダ売場に置かれることで、裾野を広げて売り上げを伸ばす狙いがある。
また、BDとiVDRの両方を搭載した理由の一つとして、同社調査で「HDDに録画した番組を簡単な方法で別の機器に移し替えができる機器が欲しいか」という質問に7割以上が前向きな姿勢を示した(ぜひ買いたい:8.8%、買うことを検討する:62.6%)ことも挙げた。
今回のモデルでスマートフォンなどと連携できるネットワーク機能を省いており、より幅広い層に対する買い替え需要を見込む。今後はユーザーニーズに応じて、上位モデルなどにネットワーク機能を搭載することも検討するという。
レコーダ市場は2011年のデジタル放送移行後の反動で2012年は大きく落ち込んだが、同社は2013年以降について、2009年度以前の水準である300万台規模で推移すると予測。新製品の投入により初年度の目標はシェア3%の10万台、今後5%へ伸ばしていくという。