'11年ビデオソフト市場は「ヘビー層が縮小」。JVA調査

-市場規模は前年比94.6%の5,021億円に


ビデオソフト市場規模の推移(出典:JVA)

 日本映像ソフト協会(JVA)は13日、2011年のビデオソフト市場規模とユーザー動向の調査結果を発表した。Blu-ray Disc/DVDビデオを合わせた市場規模は前年比94.6%の5,021億円となった。

 調査は'12年1月にインターネットで行なわれたもので、全国に居住する16~69歳の男女合計1,200人の回答を集計し、補正により全体の数(n)を1,176としている。

 ビデオソフト市場は2005年以降、減少傾向が続いている。ソフト全体のうちセル市場は前年比94.1%の2,479億円で、DVDとBDの比率は72:28。昨年は79:21だったため、着実にBDが増加している。レンタルは同95.1%の2,542億円で、DVD/BDの構成比は91:9(昨年度は95:5)となり、セル、レンタルともにBDの構成比が高まっている。

 昨年BD/DVDビデオソフトを購入した人は21.6%で、前年(21.2%)より微増。一方レンタルした人は39.9%(同41.6%)と減少。JVAでは「両者ともほぼ横ばい気味でマーケットの広がりは安定」と分析している。

セル、レンタルのフォーマット別市場動向(出典:JVA)

 BD/DVDビデオソフト購入者の年間平均購入枚数は3.9枚で、前年の5.5枚から減少。年間購入金額も前年の23,370円から15,706円と大幅に低下した。これは年間3万円以上購入するヘビーユーザーの比率や購入数が減少したことが大きな要因。ヘビーユーザーは、前年の4.1%から3.2%に減少し、この層の購入金額がセル市場全体に占める割合は前年の67.4%から55.4%に減少。金額も80,088円から59,479円に減少し、「少数であるがセル市場を支えるヘビーユーザーの購入量の低下が、セル市場の量的縮小に影響した」という。

 ただし、年間購入金額1万円未満の層は増加しており、12.9%(前年は11%)となり、ライトユーザーの購入状況がビデオソフト購入層の広がりの安定化を支えている。

 BDソフトの購入率は6.8%で前年比0.7%増。年間平均購入枚数3.1枚(前年比0.3枚増)、年間平均購入金額は13,815円。一方、DVDの購入率は18.6%で、平均購入枚数3.4枚、平均購入価格は13,206円。DVDとBD 1枚あたりの購入金額の価格差は、前年の1,441.4円から497.5円まで縮小している。

 BD再生機器の所有率は50.7%と、前年の38.4%から伸長。ただし、BDソフト購入率は前年の6.1%から6.8%への微増にとどまっている。BD機器所有者の中での購入率は12.8%で、JVAでは「より一層の拡大施策が求められる」としている。

 BD/DVDの年間レンタル利用率は39.9%で、年間平均利用枚数は25.1枚、年間利用金額は4,715円。BDの年間レンタル利用率は8.9%で前年の5.7%から大幅増。枚数も同1.2枚から2.2枚まで増加した。

 この1年間にレンタル店でBD/DVDを借りた人は、全体の37.4%、ネットレンタルは9.5%。ショップの平均利用枚数は19.9枚で前年(19.8%)と変わらないが、平均利用金額は3,913.6円と6%の低下。また、ネットレンタルも平均利用枚数は11.9%増の26.3枚となったものの、金額は4,343.7円と28%の低下となっている。JVAでは「ネットレンタルユーザーの利用の仕方が、定額制から単体利用へとシフトする動きが生じていることが要因」と分析している。


(2012年 4月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]