ソニー、アクトビラダウンロード対応BDレコーダ2機種

-放送/アクトビラも「おでかけ転送」。500/320GB


左からBDZ-A950、A750

4月24日発売

標準価格:オープンプライス

  ソニーは、Blu-ray Discレコーダの新モデル2機種を4月24日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、500GB HDD搭載の「BDZ-A950」が17万円前後、320GBの「BDZ-A750」が14万円前後の見込み。

 320GB HDDを搭載した「A70」の後継モデルとして発売。上位モデルのX100/95と、下位モデルのL95、T75/55と合わせ、2009年度第一四半期は7モデルラインナップとなる(L55は完了)。前面のパネルと天板との隙間を無くし、筐体を15mm薄型化。外形寸法は約430×333×79.8mm(幅×奥行き×高さ)となった。凹凸の無い天面/側面を採用し、よりシンプルなデザインに進化している。

BDZ-A950

BDZ-A750

 HDD容量以外の主な仕様は共通。最大の特徴はアクトビラに対応したこと。アクトビラベーシック、ビデオ、ビデオ・フルの全てに対応しており、現在TSUTAYA TVが実施しているダウンロードサービスにも対応する。録画などの基本機能は従来のA70などと同じで、自動的にチャプタを付与する「おまかせチャプタ」が録画1利用時のみに制限されたり、録画中にBDビデオの再生ができないなどのマルチタスク面での機能制限に変更は無い。ただし、A70後に発売されたX100/95、L95などと同様の映像エンジン「CREAS(クリアス)」や「x-みどころマガジン」など機能は追加されている。

 アクトビラ ビデオ・フルの購入では、レンタルとセルスルー方式の2つが選択可能。ダウンロード中の追いかけ再生が可能で、ダウンロードしたコンテンツは通常の録画番組と同様にクロスメディアバーの「ビデオ」列に表示される。なお、ダウンロード中の機能制限は少なく、ダウンロード最中に予約録画などがスタートしても影響は無いという。

 ダウンロードしたコンテンツは、通常のテレビ番組と同様におでかけ転送が可能。対応するウォークマンやプレイステーション・ポータブル(PSP)におでかけ用のファイルを作成。USBを介して転送できる。アクトビラからダウンロード中の転送用の小ファイルを同時作成することはできないが、PSP/ウォークマンを接続していない時でも転送用ファイル作成は可能であるため、ダウンロード後に作成すれば高速転送が可能。なお、本体前面の「ワンタッチ転送」ボタンを使った転送は、デジタル放送の録画予約であらかじめ指定したものだけが対応しているため、アクトビラコンテンツの転送には使用しない。

一番下に表示されているのが、アクトビラでダウンロードしたコンテンツPSPやウォークマンに転送可能

 アクトビラの規定に従い、書き出しは2回まで可能。例えばBDメディアとPSPに書き出すことができる。「おかえり転送」やムーブの概念は無く、書き出した後もHDDに残った元ファイルは再生可能だが、ムーブはできない。削除するまでHDDに残る。

 なお、従来モデルと同様にDLNAサーバー機能「ソニールームリンク」に対応。DTCP-IP対応のクライアントを使い、録画したデジタル放送の番組をLAN経由で再生できるが、アクトビラでダウンロードしたコンテンツはLAN配信できない。4月24日から発売されるBRAVIAの「W5/F5」シリーズと組み合わせた場合は、MPEG-4 AVCで録画した番組のネットワーク再生も可能(それ以外のモデルではDRモードのみ対応)。デジタル放送の録画番組のおでかけ転送も従来通り可能。

 そのほかの機能強化ポイントとして、録画番組から作成したプレイリスト映像をBDメディアにダビングしたり、おでかけ転送することができるようになった。プレイリストを転送すると「ダビング10」のダビング可能回数がリスト/オリジナルファイル共に1回減るが、「おかえり転送」するとどちらも1回増える。

 なお、従来は「おでかけ転送」では、ダビング10のカウントが0になってはじめてオリジナルファイルが「おでかけ中」状態になり、その際に「おかえり転送」すると「おでかけ中」が解除された。そのため、カウントが0になる前の状態で「おかえり転送」をしてもカウント数は増えなかったが、今回のモデルからカウントが0になる前でも、おかえり転送すればカウントアップするようになった。 

前面にUSB端子とおでかけ転送用ボタンを供える

側面

光沢のある天面

 そのほかの仕様は従来モデルと同じ。地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナ構成で、アナログチューナは1系統。高画質化回路「CREAS」も搭載。高階調映像を生成し、色合いをよりなめらかに表現するという「HD Realitiy Enhancer」と、ビット拡張/出力技術「Super Bit Mapping for Video(SBM)」の2つの機能を内蔵。

付属のリモコン

 HD Reality Enhancerは、通常8bitの入力信号を64倍の14bitに拡張し、自然かつ階調表現に優れた映像を生成。その映像に対し、MPEG圧縮時などに埋もれてしまったディティールを復元するエンハンス処理を1画素単位で適用することで、「なめらか、かつくっきり」な映像を実現するという。

 なお、14bitで映像を処理しても、出力先のテレビは各色8bitないしは10bitまでの信号にしか対応しない。そのため、Super Bit Mapping技術により、独自の信号処理を加え、擬似的な14bit信号として出力。これにより、高い階調性を維持したままテレビなどに出力できるという。

 MPEG-2 TSの放送波をストリーム録画する「DR」モードのほか、AVC録画のXR(15Mbps)/XSR(12Mbps)/SR(8Mbps)/LSR(5~6Mbps)/LR(4Mbps)/ER(2Mbps)の各モードを装備する。録画機能では興味あるジャンルやタレントの名前を登録して条件にあった番組を録画する「x-おまかせ・まる録」や、外出から携帯電話で録画予約できる「リモート録画予約」も搭載。3月24日に開始された「Gガイド.テレビ王国」の新サービスにも対応し、PCからテレビ王国を用いて、自宅のレコーダへ遠隔予約も可能。話題のテーマを「テレビ雑誌風」に特集する「x-みどころマガジン」も備えている。

 静止画表示用の「x-Pict Story HD」が利用できるほか、ビデオカメラからUSB/i.LINK経由での映像取り込みも可能。ドライブはBD-R 4倍速。出力端子はHDMI(1080/24p対応)×1、D4×1、コンポジット×1、S映像×1、ステレオ音声×2(内D端子用×1)、光デジタル音声×1。入力はコンポジット×1、S映像×1、ステレオ音声×1。HDV/DV入力×1、USB×2も用意する。消費電力は64W(待機時0.6W)。重量はA950が約5.8kg、A750が約5.6kg。

A750の背面

A950の背面


(2009年 3月 26日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]