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ソニービル閉鎖後のソニーストアが移転する「GINZA PLACE」お披露目

 東京・銀座のソニービルの閉鎖に伴い、ソニーショールームおよびソニーストアが移転する銀座4丁目の「GINZA PLACE(銀座プレイス)」の概要が明らかになった。

GINZA PLACE(銀座プレイス)

 2016年9月24日に開業するGINZA PLACEの事業主であるサッポロ不動産開発およびつゞ れ屋は、GINZA PLACEが、6月15日に竣工したのにあわせて会見を行ない、同ビルの概要について説明した。ソニーショールーム/ソニーストア銀座は、4~6階の3フロアに入居することになる。

GINZA PLACEに出店する企業の関係者など

 GINZA PLACEは、「発信と交流の拠点」をコンセプトに、来訪者に様々な体験と多彩な交流を提供しながら継続的な情報発信を行ない、銀座の街のさらなる活性化と、にぎわいの創出に貢献。「明日の銀座を創るランドマーク」を目指すという。

GINZA PLACE

 地上11階、地下2階。高さは56m。敷地面積は約645平方m、延床面積は約7,350平方mとなっており、東京メトロの銀座駅と直結している。外観デザインはクライン ダイサムアーキテクツが担当。街づくりを行なっている全銀座会の要望を反映しながらデザインを決定したという。

 「デザインコンセプトは、明日の銀座を創るランドマーク。本物の価値と、伝統と先進の融合が銀座らしさとして捉え、それをデザインに反映した。デザインキーワードはクラフトマンシップ。デザインモチーフは透かし彫り(フレットワーク)とし、伝統工芸が持つ美しさを、現代的な表現に昇華させた。白が持つ柔らかさ、優雅さ、エレガントさと、黒の高級感で表現している。100尺ルール(約31m)という銀座でかつて設定されていた高さ制限を意識し、スカイラインとの調和を実現。街並みに開かれたガラス開口部などによって、街とのつながり、周囲との連続性を意識した」(サッポロ不動産開発の井上俊浩取締役)という。

デザインコンセプト
フロアプラン

 外壁には410台のLEDが埋め込まれ、夜は銀座の街に彩りを添えることになる。

 1階、2階には、建て替え前と同様に、日産自動車が入居。店名は未定だが、「NISSAN BRAND CENTER」を仮称としており、50年以上に渡って、日産ギャラリーとして親しまれてきたショールームとしての機能を強化。日産ブランドをグローバルに発信する拠点へと生まれ変わるという。

 日産自動車 グローバルブランドエンゲージメント部の中澤千代子部長は、「1932年にダットサンの販売店を銀座に出店したのが、日産と銀座との接点の始まり。1963年には、三愛ドリームセンター2階に日産ギャラリーをオープンし、同時にギャラリーアテンダントとして、5人のミス・フェアレディが誕生した。現在は、51期生となっている。また、1968年には東銀座に本社を移転し、1970年にはサッポロビル(新たなGINZA PLACE)に移転した。NISSAN BRAND CENTERのコンセプトは、The Gateway to Intelligent Mobility。人々にワクワクする未来のドライビング体験をもたらすインテリジェントモビリティとの出会いの場にしたい。また、すべてのドライバーを対象に、運転にもっと自信とワクワクをもたらす最先端テクノロジーを搭載した未来のクルマと、クルマとヒトと社会の新して関係を体験できることを目指す。日産を好きになってもらい、多くの人がここでの体験をシェアをしてもらいたい」などとした。

日産自動車 グローバルブランドエンゲージメント部部長の中澤千代子氏

 また、1階は老舗呉服専門店のつゞ れ屋が入居。古典着物と帯などの販売を行なう。

 地下1階、2階には、銀座ライオン GINZA PLACE店が出店。銀座で105年の歴史を持つ銀座ライオンとして、地下1階は同店限定の樽生ビールなどを提供するブラッスリー、地下2階は開放感を持ったビヤホールとして営業する。なお、同店は、8月3日に先行オープンする予定だ。

 3階には、サッポロ不動産開発直営のイベントカフェスペース「GINZA PLACE CAFE」を出店。新たなライフスタイルや価値観、情報を発信するための各種イベントを開催する場として提供。イベントを実施していないときは食事やドリンクを楽しめるカフェとして営業する。今日からイベント利用の受付を開始した。

3階は「GINZA PLACE CAFE」

 4~6階にはソニーショールーム/ソニーストア銀座が入居する。現在の銀座数寄屋橋のソニービルでは、1~4階までをソニーショールームおよびソニーストアで構成しているが、フロア面積はほぼ同等になるという。

ソニーショールーム/ソニーストア銀座

 ソニーマーケティングの浅山隆嗣執行役員は、「ソニーは、1966年に、銀座・数寄屋橋に、創業者の思いを込めた拠点としてソニーショールームをオープンし、お客様に親しまれてきた。トランジスタラジオ、テレビ、ウォークマン、カムコーダー、レコーダなど、その時代を代表する製品を発売し、これらを紹介する場として、ソニーショールームを活用してきた。今週月曜日に、ソニーショールームが入るソニービルを建て替える発表を行なった。新たな歩みを踏み出すことになる。ソニーショールーム/ソニーストア銀座は、製品の機能を紹介するだけでなく、写真を愛する人、映像を愛する人、音楽を愛する人に、ライフスタイルを提案する場所になる。この3つのカテゴリーを中心にフロア構成を行なう予定である。さらに、発売前の試作品を展示したり、新たな製品の体験会も実施する。そのほかに、開発者によるトークショーやカメラセミナー、スタイリストと呼ぶスタッフによるコンサルティング、使い方の相談やアフターサービスの体制も強化する。ワクワクする感動体験を提供する場にしたい」と語った。

ソニーマーケティング ソニーマーケティングジャパン 執行役員の浅山隆嗣氏
1966年に銀座にショールームをオープン
'16年は50周年。この機にGINZA PLACEに移転
PlayStation VR体験も
体験重視のショールム展開

 なお、2020年秋以降に建設する新たなソニービルが完成したのちも、GINZA PLACEにソニーショールームおよびソニーストアを継続させるかどうかについては、「新たなソニービルは、新たな発信拠点になある。ソニーグループとして、様々な事業ドメインの発信基地になる可能性もある。現時点では、どうするかは決まっていない」と語った。

 一方、7階にはパリの2つ星フレンチレストランの総料理長であるティエリー・マルクス氏監修による世界初出店レストラン「GRAND BISTRO MARX」が入る。店内はガストロノミー、ビストロ、テラスで構成。プレミアムテラスからは、100尺ルールの高さに設定しているため、正面にある和光の時計台を正面に見ることができるという。

7階はフレンチの「GRAND BISTRO MARX」
地下は銀座ライオン

 8階から上はExclusiveフロアと位置づけ、10階には、限定顧客を対象に貴金属の販売、買い取りを行なうSGCが入居。買い取りスペースやイベントスペースを用意する。最上階となる11階には、JA全農兵庫直営レストランの神戸プレジールが出店。神戸ビーフと兵庫県産の食材を使った料理を楽しむことができる。

 「GINZA PLACEは、販売を重視したモノ体験よりも、コト体験を重視した建物になる。年間400万人の来場を計画している」(サッポロ不動産開発の井上俊浩取締役)という。

 サッポロ不動産開発の生駒俊行社長は、「銀座は、伝統と品格を大切にし、文化を愛し、上質なもの、本物に関心がある人たちが集う、日本有数の商業地である。また、常に新しいニーズを取り込む先進的な街でもある。そして、2020年の東京オリンピックに向けて、銀座は世界各国から注目を集める街になる。GINZA PLACEは、街に溶け込んだ、存在感があるビルにできたと思っている。銀座4丁目交差点の一角を占める場所から、日本の伝統文化と先端技術を発信する拠点になる」としたほか、「創業140周年を迎えるサッポロビールは、1899年に、日本最古のビアホールとなるエビスビアホールをオープンして以降、銀座の街にお世話になり、ここまで成長してきた。銀座にゆかりがある日産自動車、ソニーとともに、銀座を活性化させ、発信と交流の拠点として、存在感を高めたい。140周年の節目に、銀座の地に新たな拠点をオープンできたことは感慨深い」と語った。

サッポロ不動産開発 生駒俊行社長

 また、全銀座会 街づくり委員長の岡本圭祐氏は、「陶器の透かし彫りと、白が持つ艶を生かした外観は、銀座のランドマークとして名物になるだろう。銀座の街に相応しい外観となるように、いくつかの要望をお願いしたが、それをすべて受け入れていただいた。素晴らしいビルに仕上がったと考えている。GINZA PLACEは、美しさを通じた貢献とともに、リアルな賑わいへの貢献、そして、銀座4丁目の交差点に多くの人々を集客し、そこから銀座の街を回遊してもらうといった役割も担ってもらいたい。新名所となることを大いに期待している」と語った。

全銀座会 街づくり委員長 岡本圭祐氏