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関西人気番組やM-1、新喜劇などを配信する「大阪チャンネル」。ひかりTV縦画面アニメも

 NTTぷららは、ひかりTVの新サービスとして、吉本興業や関西の放送局と共同で新たな動画配信の「大阪チャンネル」を4月25日より提供する。モバイル向けアプリサービスと、テレビやPC、スマホなどで使えるひかりTV契約者向けサービスを用意。料金はモバイル向けが月額480円(税込)、テレビ向けが月額432円(税込)。

大阪チャンネル

 「大阪チャンネル」は、関西のエンタメ番組を中心に編成。定額制の見放題サービスで、配信では初となるアーカイブ番組や、見逃し配信、劇場ライブなど、当初は約1,000本のコンテンツを用意する。配信はHD画質で、4K配信について現時点では未定。

 スマホアプリの対応OSは、iOS 8.0以降と、Android 4.4以降。ひかりTV契約者向けサービスは、ひかりTVチューナや、スマホ/タブレットの「ひかりTVのどこでも」アプリ、PCで利用可能。両サービスとも、推奨する通信環境は3GやLTE、無線LANなどのインターネット接続。決済はiTunes/Google Walletを利用する。

スマホアプリでの視聴画面
左がタブレット、右がスマホ画面
画質は3段階。通信量の目安も案内

 関西のテレビ局と連携して、お笑い番組や舞台などを提供する配信サービス。開始当初は、毎日放送、朝日放送、テレビ大阪、関西テレビ放送、讀賣テレビ放送、サンテレビなどと協力する。

大阪チャンネルの概要

 配信初提供の番組として、浜田雅功と東野幸治による「ごぶごぶ」や、松本人志、宮迫博之らが出演する「松本家の休日」、かつての伝説的番組が配信で初登場となる「吉本超合金」、西川きよしによるロケ番組「やすしきよしの夏休み'16」、漫才ネタ番組の「漫才Lovers」などの番組を用意。

 「よしもと新喜劇」や、「ジャルやるっ! 」、「にけつッ!!」など、地上波で放送中の番組も見逃し配信する。さらに、なんばグランド花月公演のアーカイブを独占で提供。この公演が配信サービスで提供されるのは初となる。そのほか、「ルミネ the よしもと お笑いライブ」のアーカイブ/ライブ配信も行なう。さらに、「M-1グランプリ」も配信。

 サービス開始の4月25日に、大阪・なんばグランド花月においてリリースイベントを開催。このイベントで、オリジナルコンテンツの詳細なども発表される予定。当日の模様を新サービスの大阪チャンネルでライブ配信する。

開始時のコンテンツ

3年で30万会員が目標

 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 執行役員 マネジメントセンターセンター長 コンテンツビジネス担当の山地克明氏は、「大阪/関西出身者にとっても、『大阪/関西おもろいやろ』と人におすすめしやすいサービス。関西出身の方は、まず一度ダウンロードして楽しんでほしい」と紹介。現在はバラエティ中心だが、ドラマやドキュメンタリーなどのコンテンツも展開予定としている。

よしもとクリエイティブ・エージェンシーの山地克明氏

 今回の大阪チャンネルは、吉本興業からの提案で実現。山地氏は、板東社長に対する新たな提案として「今度は九州や名古屋、北海道など全国展開したい」と大阪以外のローカルコンテンツの配信にも意欲を見せた。

 今後、放送された番組を中心に毎月定期的にコンテンツ追加を行ない、板東社長は「最低でも3年間で30万会員」を目標と掲げた。ユーザーの割合は、既存のひかりTV加入者に比べ、新規加入となるスマホユーザーの獲得を重視する方針を示している。

 なお、無料体験などのキャンペーンについて現時点では明らかにしていないが、板東社長は「ユーザー獲得のために必要なので検討したい」とした。

プロダクション I.G「タテアニメ」でオリジナルアニメ配信。スマートスタジアムなど上期施策

 同社は18日、2017年度上期のひかりTV事業説明会を開催。板東浩二社長が、大阪チャンネルの内容や、家族で4K映像の共有やビデオ通話などができる「ひかりTV映像クラウドC」などを発表した。ひかりTV映像クラウドCについては、別記事で掲載している

ひかりTV映像クラウドC

 これまでの4K関連の取り組みとしては、3月末時点で提供中の4Kコンテンツが1,589本まで増えたことを説明。'17年度以降も拡充していく姿勢を示した。また、HDR対応のライブ4K-IP放送で、野球の侍ジャパンの試合を中継。HLG(Hybrid Log Gamma)方式により、HDRとSDRのテレビそれぞれに適した画質で配信したことを報告。

板東浩二社長
4Kへの取り組み
4Kコンテンツへの出資強化
侍ジャパンの4K-IP放送でHDRのHLG方式を採用

 なお、4月から始まった、放送サービス高度化推進協会(A-PAB)による国内初の左旋円偏波による4K試験放送を、ひかりTVで再配信するのかという質問に対しては、「我々もA-PABに参加している。再配信については検討段階」とした。また、'18年からの4K/8K実用放送の再配信については「現時点で話せることはないが、技術的検討は、ネットワーク関連を含めて準備を進めたい」とした。

 上期のその他の施策としては、ひかりTVによるオリジナルアニメのタイトルが「ルナたん~1万年のひみつ~」に決定。ひかりTVのiOS/Android用オリジナルゲームアプリ「ルナたん ~巨人ルナと地底探検~」をアニメ化した作品で、プロダクション I.Gによるスマホ向け縦型アニメ配信サービス「タテアニメ」で4月下旬に配信開始する。声の出演は、小西克幸、金田朋子、山本和臣、桑島法子。イメージソングは村川梨衣「Dreamy Lights」。

オリジナルアニメ「ルナたん~1万年のひみつ~」

 趣味学習サービス「Shummy」(シュミー)は、3月1日開始当初の10講座から、3月31日に21講座に増え、9月末には50講座への拡大を予定する。

趣味学習サービス「Shummy」

 サッカークラブチームのFC今治が9月から利用開始する新スタジアム(J3仕様の5,000人規模)において、スタジアムWi-Fiを用いた、会場限定のサービスをFC今治と共同で企画/提供。MVP選手の投票や、SNSを活用した応援メッセージ/画像などの共有、限定動画配信、ライブイベント/動画配信などを計画しているという。

FC今治とのスマートスタジアムの共同検討
スポーツ支援

 ひかりTVの会員数は、3月時点で302万人。300万を超えてからは頭打ちの状態だという。板東社長は「販促費用を掛けて新チャンネルを開拓していけばもう少し伸ばすのは可能だが、獲得のパフォーマンスは以前より良くない。そこにお金を掛けるなら、クラウドやShummy、ゲーム、音楽配信などに掛けていった方が効果的。これからも300万ちょっとで推移していくと考えており、どこまで伸ばせるか、といったことはあまり考えない」とした。