ニュース

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」

 ハーマンインターナショナルは7日、Mark Levinsonブランドの新製品として、DAC内蔵のプリメインアンプ「No585.5」を発表した。2018年初旬発売予定で、価格は160万円。No526やNo523に搭載している、完全ディスクリートのクラスAフォノイコライザを、既発売のプリメイン「No585」(140万円)に搭載したモデルとなる。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 DAC内蔵のプリメインアンプ「No585.5」
DAC内蔵のプリメインアンプ「No585.5」

 フォノイコライザ部の、ダイレクトカップリング、デュアルモノラル、ピュア・パス・アナログステージは、4つのパラレルJFETをペアにして、L/Rそれぞれに搭載。極めて低いノイズレベルを実現したという。

 パッシブ/アクティブそれぞれの特徴を活かした、ハイブリッドRIAA EQ回路により、高精度で正確な再生ができるとする。4種類のゲイン調整機能も備え、MM/MCのどちらのカートリッジでも、最適なセッティングが可能。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」

 負荷インピーダンス、コンデンサ容量の調整は、フロントパネルや付属のリモコンから可能。ON/OFFが可能なインフラソニックフィルタも備え、レコードの反りや、不要振動による重低域の出力を、音質への影響を抑えながらカットできる。

 フォノイコライザの基板は、ニッケルメッキを施した、スチール製のCLAMSHELLシールドに包まれており、外部からの電界、磁界の影響を排除している。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 背面
背面

 スピーカー・アンプとしての出力は200W×2ch(8Ω)、350W×2ch(4Ω)。USB入力も備えており、USB DACとしてPCMは192kHz/32bitまで、DSDは5.6MHzまでの再生が可能。アシンクロナス伝送も可能。AES/EBU×1、同軸デジタル×2、光デジタル×2の入力も装備する。

 ボリュームコントロールには、ディスクリートのR-2Rラダー抵抗などを採用。電源部には、左右チャンネル用に独立した二次巻線を持つ大型800VAのトロイダル・トランスを備えている。

Mark Levinson初のターンテーブル「No515」

 7日に開催された発表会の会場には、Mark Levinson初のターンテーブルとして、今秋発売される「No515」も展示。価格は100万円。創立45周年を記念して開発されたもので、プリアンプ「No523」と「No526」に搭載された“ピュアフォノ”フォノイコライザーと組み合わせて、高品位なアナログ再生ができるという。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 Mark Levinson初のターンテーブル「No515」
Mark Levinson初のターンテーブル「No515」

 回転数は33 1/3、45rpm対応で、駆動方式はベルトドライブ。3Dプリンタで製造した樹脂製トーンアームを新たに開発している。シャーシは、12.5mm厚のアルミプレートを、12.5mm厚のMDFで挟み込んだ構造で、制振性と強度を両立。プラッターは、約9kgのアルミ削り出しとなる。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 プラッターは、約9kgのアルミ削り出し
プラッターは、約9kgのアルミ削り出し
Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 3Dプリンタで製造した樹脂製トーンアームを新たに開発している
Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 3Dプリンタで製造した樹脂製トーンアームを新たに開発している
3Dプリンタで製造した樹脂製トーンアームを新たに開発している

「もう一度世界のハイエンドオーディオを代表するブランドに」

 ハーマンインターナショナルのトム・メッツガー社長は、約30年前に、自身が初めてハイエンドオーディオと出会い、音楽の再現能力の高さに感動した体験談を語った上で、「ハイエンドオーディオ分野は、30年前と比べて衰退していない。むしろますます高まってきている」と説明。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 ハーマンインターナショナルのトム・メッツガー社長
ハーマンインターナショナルのトム・メッツガー社長

 さらに、世界最高の音質を目指して、1972年に設立されたMark Levinsonブランドを紹介。米国内で、手作業で作られるクオリティの高さもアピールしながら、「ブランドへの再投資も行ない、ここ2年間に新たに6つの製品をマーケットに送り出した」と、活発な製品開発を行なっている事を示した。

 ハーマンインターナショナルの御子柴正武本部長は、「Mark Levinsonを、もう一度世界のハイエンドオーディオを代表するブランドとして認めていただけるようになりたい」と、今後の意気込みを語った。

Mark Levinson、クラスAフォノイコライザを追加したDAC内蔵アンプ「No585.5」 ハーマンインターナショナルの御子柴正武本部長
ハーマンインターナショナルの御子柴正武本部長

 さらに御子柴氏はREVELのスピーカー、Mark Levinson製品の高価格帯製品の保証期間を、従来の2年から5年に延長すると発表。JBLのハイエンドスピーカーについても、同様に5年に延長する方針を示した。対象製品は、REVELがULTIMA SALON2、ULTIMA STUDIO2、F228 Be、M126 Be、Mark LevinsonはNo52/523/526/534/536/585/585.5/515/519。既に購入しているユーザーも、遡って対象になる予定。

 また、1台50kgを超える大型スピーカーを出張修理する場合、従来は全国にある、最寄りのサービス代行店が訪問修理する体制だったが、今後は1台30kgを超える、宅配業者が扱わない大型スピーカーの出張修理において、従来の最寄りのサービス代行店に加え、ハーマンインターナショナル自身も、直接全国へとサポートに行く体制を構築すると説明。従来は訪問修理が難しかったエリアにも、対応していくという。