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スカパー、'18年度は新基幹商品や4K放送強化。前年のサッカー関連減収は52億
2018年5月10日 16:52
スカパーJSATは10日、2017年度の通期決算と2018年度の経営方針を発表した。'18年度は110度CSデジタル放送を中心に加入促進を図るほか、新基幹商品や110度CS 4K放送などを展開する。
2017年度通期決算は売上高が前年比24.6%減の1,455億円、営業利益は同35.9%減の156億円、純利益は同34.8%減の113億円と減収減益となった。要因は防衛省向け衛星の引き渡しの期ずれによる売上剥落と、メディア事業の加入者減少に伴う視聴料収入の減少。
放送事業などメディア事業は売上高が前年比110億円減の1,050億円、営業利益は同96億円減の323億円。前期まで展開していたJリーグが無くなったこともあり、サッカー関連コンテンツ収入が約52億円減。サッカーを除く視聴料収入の減少は36億円。
スカパー、スカパー! プレミアムサービス、スカパー! プレミアムサービス光を合計した'17年度新規加入者数は37万件で、累計加入者数は326.2万件。前値比で5.7万件の減少となった。ただし、12月に開始した新基本パック複数台無料キャンペーンの好結果を受けて、純増数は前年を2万件上回った。ARPU(ユーザーあたりの平均単価)は2,040円。
'18年度は10月に「新基幹商品」を予定。4K放送も
2018年度のメディア事業は、加入者数は5.2万減の321万件と減少予測だが、コンテンツ費用や広告宣伝費の抑制などで、売上高1,039億円、営業利益35億円と減収増益を見込む。
放送別ではスカパー!(110度CS)は件数を維持し、スカパー! プレミアムサービス(124/128度CS)は解約防止を強化する。
有料放送市場の成熟とともに、インターネット動画配信サービスが多数参入するなど、メディア事業の競争環境が厳しくなっていることもあり、構造改革を実施。プラットフォーム事業のコスト構造の見直しや、自主チャンネルなどのコンテンツ事業の収益性改善を図るという。
そのため、コンテンツ強化とともに、利用者にとってのスカパー!価値向上に着手。契約期間の長期化や解約者数の減少につなげる考え。
スカパー!の価値向上については、月額3,972円(税込)の新基本パック加入者に、通常は1,836円(同)の2台目、3台目契約を無料とするキャンペーンを9月まで展開。さらに、VOD放送連動の「スカパー! ハイブリッド」をスカパー! プレミアムサービスにも導入し、新STBを12月から展開予定としている。
またスカパーの顧客基盤を活用したサービスも展開。電子雑誌の「スカパー! マガジン」を7月以降に開始予定で、月額540円(税込)で、人気雑誌やスカパー関連コンテンツの専門情報誌などが楽しめるという。
さらに福利厚生サービス「スカパー! ベネフィット」も提供。全国各地のレジャー施設やチェーン店などの136万件以上の特典が優待価格で利用できる会員サービス(月額540円/税込)として展開する。
4K放送については、2018年12月に110度CS左旋偏波4K放送を開始(8ch)。また、FTTH(フレッツ・テレビ)向けにBS右旋の4Kチャンネル(民放系BSやNHKなど)を同時再放送する。
また、サービスの高画質化として、ハイビジョンチャンネルの最大化(5月総務省認可予定)を予定。2018年10月には新基幹商品の販売も計画しているという。