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“スマホで誰でもVtuber”アプリ「カスタムキャスト」。ドワンゴとS-court開発
2018年7月27日 14:01
ドワンゴは27日、VR事業展開の発表会を開催。VRライブ・コミュニケーション「バーチャルキャスト」に投げ銭機能を追加するなどのバージョンアップ情報や、スマートフォンでVtuberキャラクターが作成でき、バーチャルキャストで利用できるアプリ「カスタムキャスト」などを発表した。
バーチャルキャストに「Vギフト」機能
「バーチャルキャスト」は、ユーザーがバーチャルキャラクターとなり、VR空間のスタジオでリアルタイムにコミュニケーションするサービス。その様子を、ニコニコ生放送やYouTubeなどのサービスで生配信したり、他人が公開しているスタジオに“乱入”できるのも特徴。360度画像を使った背景変更機能や、VR空間外の視聴者に向けて画像ファイルの共有ができる「プレゼンテーション機能」など、VRライブ配信に特化した様々な機能も実装している。
新機能として、8月1日に「Vギフト」を追加。これはVギフトと呼ばれる3Dアイテムを視聴者が購入し、配信者のバーチャル空間に贈る事ができるもの。Vギフトは「花束」や「お茶」、「くす玉」、「ばくだん」など、様々な種類があり、配信者はそのギフトを受け取り、空間内で楽しめる。中には「鮭」なども変わったものもあり、ビチビチと動く生きのいい鮭が落ちてきて、配信者が慌てて捕まえるといった展開もある。視聴者と配信者が一緒に楽しめる機能となる。
このVギフトは、配信者の「クリエイター奨励プログラム」のスコアに加算され、配信者はそのスコアに応じて報奨金が受け取れる。このプログラムは、niconicoの投稿作品の人気度に応じて、プレミアム会員収入および広告収入の一部を原資として奨励金(クリエイター奨励スコア)を支払う制度。なお、ギフト機能はバーチャルキャストだけでなく、通常の番組にも8月上旬に追加していく予定。
なお8月1日からのVギフト機能が利用できるのは実験放送番組のみで、PCのブラウザか、iOSのブラウザ、実験放送用のAndroidアプリで利用できる。また、公式放送では本日7月27日の20時から、このVギフト機能を使った実験放送も実施する。
バーチャルキャストがスマホから配信可能になる「カスタムキャスト」
バーチャルキャストはこれまで、HTC VIVEやOculusなどと、ハイスペックなPCが必要で、配信のためのハードルが高い状態だった。それを解消するため、スマホでのキャラクター作成や配信を実現するアプリ「カスタムキャスト」をドワンゴとS-courtが共同開発した。
iPhone XのフェイストラッキングやAR機能を使い、ユーザーの顔を認識をして、それに連動して3Dキャラの動きやアングル、表情が変わるというもの。キャラクターのカスタマイズも可能で、髪型、肌の色、目の色、体型、胸の大きさ、服装など、様々なパラメーターを調整して好みのキャラクターを作成できる。
キャラクターのプリセット選択、保存や、スマホを振ってランダムに設定を適用したキャラを作る事もできる。なお、デモはiPhone Xで行なわれたが、iPhone Xよりも表情認識などの精度は落ちるものの、通常のスマートフォンでもアプリは利用可能という。
また、そのキャラクターを動かしている様子を映像配信としてniconicoで配信する機能もアプリに実装予定。カスタムキャストだけでキャラクター作りから配信までカバーでき、PCなどに詳しくない人でも楽しめるものとして開発されている。
これとは別に、niconicoの立体投稿共有サービス「ニコニ立体」経由でVRM形式の出力にも対応予定(料金は未定)。VRMはドワンゴが開発したプラットフォーム共通のファイル形式で、対応アプリ全てにおいて同じアバター(3Dモデル)データを使うことができる。これにより、生放送、動画、ゲーム、チャットなど、それぞれで存在するVR世界が繋がり、プラットフォームを超えた自由なコラボレーションが実現できるという。
「カスタムキャスト」は、8月下旬にAndroid版のアプリを無料で提供予定。iOSアプリも準備中という。今後の予定として、スマホの外向きカメラを使い、現実世界に3Dキャラを配置して、その様子を配信するAR機能なども実装予定。
8月1日からは「バーチャルな夏休み特集」もスタート。VR体験イベントやVTuberによる生放送番組が楽しめる特集で、人気VTuber・電脳少女シロや、ときのそらを迎えたトーク番組や、ユーザーが参加できるVRの体験放送など、VR関連の企画を多数用意。詳細は特設サイトを参照の事。
「Vカツ」とバーチャルキャストが連携
発表会では、IVRが8月1日から提供する「Vカツ」とバーチャルキャストの連携も発表。Vカツは、3Dアニメキャラクターの無料作成できるVTuber支援サービスで、顔、髪、体、衣装、アクセサリなど、300を超える設定項目をユーザーが選び、オリジナルキャラを作成したり、アニメーションや表情付けができるというもの。
当初はSteamでPC向けに提供するが、スマートフォンやタブレット向けのアプリも開発中。今後は男性キャラクターの作成や設定項目の追加、無料での商用利用なども予定されている。
また、8月末を目標とし、ニコニ立体向けに、VRM形式で作成したキャラクターのデータを書き出す事も可能(有料プラグインになる予定)。バーチャルキャストで、作成したキャラクターを生放送、動画、ゲーム、チャットなど、プラットフォームを超えた様々な活用ができるという。さらに、200種類以上のカスタムデータが入ったアバター強化パックの無料配信なども計画されている。
なお、Vカツのアプリから、直接番組配信などを可能にするかは、今後のユーザーの反響などを受けて検討していくという。