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おっさんだって美少女に。“ちょっと間違った未来をつくる”会社をドワンゴら設立
2018年7月27日 18:26
VRライブ・コミュニケーション「バーチャルキャスト」を開発・展開しているドワンゴとインフィニットループは27日、今後のVR市場の世界的な成長を見据え、事業拡大を図るため、合弁会社の株式会社バーチャルキャストを設立した。資本金は2億円。企業ビジョンとして「ちょっと間違った未来をつくる」を掲げ、インフィニットループの松井健太郎社長が、バーチャルキャストの社長を兼任する。
VTuberの急速な盛り上がりを受け、ドワンゴは2018年4月からインフィニットループと「バーチャルキャスト」を共同開発。ユーザーがバーチャルキャラクターとなり、VR空間のスタジオでリアルタイムにコミュニケーションできるサービスで、その様子を、ニコニコ生放送やYouTubeなどのサービスで生配信したり、他人が公開しているスタジオに“乱入”できるのが特徴。
機能強化も続けており、8月1日にはバーチャルキャストを使った配信番組の視聴者が、配信者に3Dアイテムを購入し、プレゼントできる「Vギフト」を追加。いわゆる“投げ銭”システムで、配信者の「クリエイター奨励プログラム」のスコアに加算され、配信者はそのスコアに応じて報奨金が受け取れる。
また、3Dキャラクターの作成や、それを動かしながら配信するためにはHTC VIVEやOculusなどと、ハイスペックなPCが必要だった“ハードルの高さ”を解消するための施策として、ドワンゴとS-courtがスマホ向けアプリ「カスタムキャスト」を開発。スマートフォンだけでキャラクターの作成や、配信を可能にしてく予定。これらアプリについては、別記事で紹介している。
「ちょっと間違った未来をつくる」
上記のように、ドワンゴとインフィニットループはVR市場で注目を集めているが、今後のVR市場の世界的な成長を見据え、さらなる事業拡大を図るため、新会社バーチャルキャストを設立。
インフィニットループが持つ開発力・マーケティング力と、ドワンゴが持つエンタテインメント事業の総合力、UGCプラットフォームやその運営ノウハウ、ドワンゴを傘下に収めるカドカワグループ全体が持つIP・調達力を結集。強みを活かし、先進的なプロダクトを集結させた「VR総合プラットフォーム」を創出し、「あらゆるユーザー、クリエイターが自由にVR空間で活躍できる場を提供する」という。
バーチャルキャストは目指すビジョンとして「ちょっと間違った未来をつくる」を掲げる。これは、貨幣経済や現実世界の常識、“コミュニケーション強者が勝つ世界”などを、現在の世界がこの先迎えるであろう“本来の未来”と定義。
その“本来の未来”とは少し違う、横にズレた「ちょっと間違った未来」を目指す。例えば、“おっさんが可愛い美少女キャラクターをアバターにしてコミュニケーションする”、“貧しい人が世界旅行をする”、“容姿に自信の無い人がモテモテになる”などの未来だ。
VRがもたらす仮想空間を、人類が手に入れ新大陸とし、「新大陸に入植したものは、そこに文化を作る権利を持つ。既存の常識を持ち込まず、遊びとユーモアあふれる新世界に、人類を5度くらいズレた方向に大きく進化させる」と意気込む。
これらの目的をまとめると「たとえ擬似的であっても、幸せな人を増やす」事となり、そのためのミッションとして、「仮想現実の技術を使い、脳汁の最大化」を掲げている。
なお、「仮想現実で幸せを追求する」という行為は、SF映画の「マトリックス」のように、現実世界がおそろかになったり、荒廃するといった危険性も内包している。しかしバーチャルキャストでは「向かう未来がディストピア的(理想郷ユートピアの逆)であっても、我々は進化を続ける」と宣言した。
事業戦略としては、バーチャルキャストサービスの強化に加え、海外展開も視野に入れている。アジア、特にVR機器の普及が急速に進む中国を大きなターゲットと見ており、既にビジネス的な引き合いも来ているとのこと。また、アジアには投げ銭文化があり、マネタイズが見込めるというのも展開理由の1つ。現地パートナーと協業し、積極的に市場開拓を行なう予定。
また、ベンチャー企業としてスピード感を重視。積極的な業務提携・協業を行なうほか、投資を受けて資金調達を進め、高速で成長。「VTuber事業のみにこだわらず、他業種との連携を行ない、VR空間上に新しい仮想世界を構築していく」という。
そのために、新たな仲間も募集。特にエンジニアを積極採用する予定で、「エンジニアにとって、いま日本で“一番おもしろい仕事”」と、魅力をアピールした。