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コルグ、真空管「Nutube」搭載プリアンプ製品化へ。レコードなどの録音も
2018年9月3日 10:12
コルグは、IFA 2018において、省電力の真空管「Nutube」を採用したプリアンプを参考展示した。発売時期などは現時点では明らかにしていない。
革新的な技術を持つ企業やスタートアップなどが集まる展示エリア「IFA NEXT」内に出展するコルグは、ノリタケ伊勢電子の蛍光表示管の技術を応用し、新たな真空管としてNutubeを開発。これまで音楽制作やオーディオ向けに展開してきた。
今回の試作機は、本格的なオーディオ機器として開発されており、USBデジタル入力やXLRバランス/RCAアンバランスの入出力を装備。iPadなどからのデジタル入力や、レコードプレーヤーなどのアナログ入力に対応。フォノイコライザも内蔵する。外部パワーアンプなどに接続して聴けるほか、XLRバランス(4ピン)と標準ジャックのヘッドフォン出力も備える。
さらに、ユニークな特徴として、入力信号を録音することも可能。このプリアンプを最大4台接続して8ch録音もできるという。
前面のボタンを押して細長いインジケータが点灯した状態にすると、Nutubeを通した音になり、真空管ならではの音質が楽しめる。さらに、「HDFC(Harmonic Detecting Feedback Circuit/倍音抽出帰還回路)」という新機能も搭載。独特の歪み具合を、好みに合わせて段階的に調整できるようになっている。
同社の蛭田博幸氏は「今までの製品では、DSDなど録音した音をできるだけそのまま再現するようにしていましたが、今回はオーディオ的な音の違いも聴けるように、Nutubeを使って味付けをしています。もちろん素直な音も楽しめますが、そこにプラスアルファでオーディオ的な楽しみ方もできます」と説明する。
試作機としながらも、外観や、ボリュームノブを回す感触なども、既にオーディオ機器としての質の高さを感じさせる仕上がり。限りなく製品版に近いようにも見える。NutubeをONにしてヘッドフォンで聴くと、元の音に、真空管の柔らかな音のニュアンスが加わったのを実感した。今回の出展について蛭田氏は「元々Nutubeに問い合わせをされてきた方との商談も進めています」とのことで、この試作機は、Nutubeの音を確かめるためにも活用されているようだ。