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Ayre、Roon対応のUSB DAC搭載プリメイン「EX-8」。バランスヘッドフォン出力

アクシスは、米Ayre Acoustic製のプリメインアンプ「EX-8 インテグレーテッド・アンプ」を9月より発売する。価格は78万円。同アンプにUSB DACやネットワーク再生機能なども備えた「EX-8 インテグレーテッド・ハブ」も発売し、価格は100万円。

EX-8

両機種とも、出力段に100W×2ch(8Ω)のアナログアンプを搭載。Ayreのフラッグシップアンプ「MX-R Twenty」と同様にダブルダイヤモンド出力回路を備える。同回路は、出力段だけでなく初段までコンプリメンタリー・プッシュプル回路とした二重構成で、ホット/コールドそれぞれに均等に組み込み、完全バランス回路を形成。特に低域での強力なパワーハンドリングや制動力などを実現している。

パワーサプライ回路は、「ディスクリート・アナログ・リニアー方式」を採用。電圧安定度が要求されるフロントエンドからドライバーまでの定電圧回路は、以前のシングル・パワートランジスター出力方式から変更し、新開発の「AyreLock ボルテージ・レギュレーター」を搭載。電流増大時には瞬時にプルアップして出力パワーを上げ、減少時には瞬時にプルダウンして適正出力を保ち、わずかな音楽信号のダイナミックスの起伏による消費電流増/減の変動にも適応する安定化電源を実現した。

大電流駆動が要求される出力段へのパワーサプライ整流素子には、低損失で大容量の新デバイスを使用。音の鮮度とダイナミック動特性を向上させている。

フロントエンドから出力段まで、Ayre伝統のゼロ・フィードバック、フル・バランス回路で構成。オペアンプを使用しないディスクリートデバイスによる回路は、前述のAyreLockと新ダイヤモンド回路によって、高い位相直線性とドライブ能力、高SNを可能にしている。

内部構造

アッテネーターによるレベル調整ではなく、アンプ自身のゲインコントロールで出力レベルを変化させる可変ゲイン・テクノロジー(VGT)を採用。入力したままのレベルで増幅回路に伝送し、高いSNと低歪率などを実現した。VGTはホット/コールド両位相のゲインを同時に、正確に変化させる完全バランス型可変ゲイン・サーキットとなっている。

電源トランスはEI型。AC入力部には独自のパワーフィルター「Ayre Conditioner」を搭載。ACラインから混入する電源の高周波ノイズを熱エネルギーに変え、ピュアなACパワーをトランスに供給するという。非磁性体素材を使用した構造により、磁化による電磁歪を防いでいる。

ダイヤモンド出力ステージによるヘッドフォン出力を装備。出力端子は3.5mm 3極ミニ×2系統によるバランス駆動と、標準端子によるシングルエンド駆動に対応する。ヘッドフォン出力レベルは、バランスが4Vrms、アンバランスが2Vrms。

「EX-8 インテグレーテッド・ハブ」は6つのデジタル入力。Roon対応

EX-8 インテグレーテッド・ハブは、DACやネットワーク再生機能を搭載。1系統のLAN端子、USB、AES/EBU、同軸デジタル音声入力と、2系統の光デジタル音声入力を合わせた計6系統に加え、2系統の USB-Aホストコネクタを装備する。

EX-8 インテグレーテッド・ハブの背面

RoonとUPnPに対応し、ネットワーク内にあるNASの音源などが再生可能。TIDAL(日本は未サービス)や Deezer、Spotifyなどのストリーミング再生にも対応する。USBはアシンクロナス伝送に対応。USBメモリなどからの再生も可能。

USB入力はDSD 5.6MHz(DoP)やPCM 384kHzまで再生可能。それ以外のデジタル入力やネットワーク再生は、DSD 2.8MHz(DoP)やPCM 192kHzまでサポートする。

DACチップはESS製のES9038Q2Mを搭載。ローノイズFPGAで駆動するAyre独自のMP(ミニマムフェーズ)デジタルフィルターとの相乗的効果により、音のディテールとピュアリティー、自然なインパルス応答を高いレベルで再現可能としている。MPデジタルフィルターは、インパルス応答でのプリエコーを防ぎ、ポストリンギングもワンサイクルにまで抑えることで、ナチュラルな音を再現。信号を劣化させないというシングルステージのFIRフィルターを使用している。

アナログ入力端子はバランス×1、アンバランス×2。外形寸法と重量は、440×330×100mm(幅×奥行き×高さ)、11kg。リモコンが付属する。

リモコン