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KEF、新設計Uni-Qスピーカー「Rシリーズ」。滑らかな中高域&スリム筐体

KEF JAPANは、英KEFの新スピーカー「New Rシリーズ」6機種を'19年3月下旬より発売する。ペアの価格は、フロア型のシリーズ最上位「R11」が65万円、「R7」が50万円、「R5」が40万円。ブックシェルフの「R3」が30万円。

KEF「New Rシリーズ」。(右から)R11、R7、R5、R3、R2c

上位モデル「Referenceシリーズ」で培った技術やデザインを受け継ぎながら、現行のRシリーズから1,043項目に及ぶ改善・変更を施してフルモデルチェンジ。KEFのミドルレンジの位置づけとなる。

(右から)フロア型のR11、R7、R5
ブックシェルフ「R3」

センタースピーカー「R2c」(15万円/1台)と、Dolby Atmosイネーブルドスピーカーの「R8a」(ペア15万円)もラインナップする。

センタースピーカー「R2c」
Dolby Atmosイネーブルドスピーカー「R8a」

仕上げはグロスブラック、グロスホワイト、ウォールナットの3色で、室内のインテリアにマッチするようカラーリングにもこだわり、ドライバーのコーン、リング部、フット部などを含め、各色トーンを合わせている。

New Rシリーズ。左からR11、R7、R5、R3、R2c

11月14日以降、東京・丸の内の「KEF MUSIC GALLERY」で、New Rシリーズの試作機を先行展示する。場所は千代田区有楽町1-12-1 新有楽町ビル1F(丸の内仲通側)。

新Uni-Qドライバーで正確な音楽再生を追求

KEF独自の同軸ユニット「Uni-Qドライバー」を第12世代に刷新し、全モデルで採用。ウーファー/ミッドレンジコーンの音響芯にツイータを配置し、点音源を追求したもので、125mm径のアルミニウム振動板と、25mm径のアルミドームツイーターを使った同軸2ウェイ仕様。ユニットのサイズはR8a以外の5機種で共通。

独自の同軸ユニット「Uni-Qドライバー」を第12世代に刷新

新開発のミッドレンジコーンや磁気回路を採用して正確なドライブを追求し、歪みを最小限に抑制。高域の周波数特性は最大50kHzまで伸ばした。

Uni-Qドライバーの構造

ツイーターとウーファーの間の隙間に制振材料を埋め込む「ツイーターギャップダンパー」を採用。従来は設計上、ミッドレンジとツイーターの間に隙間(エアーチャンネル)が必要だったが、ガラスボトルの上を吹くのと同じような共鳴が発生するという問題があった。この隙間を無くして音色に影響が及ばないようにしており、「中高域の明瞭度を高めてより正確な音色を奏でられる」とする。

ツイーターギャップダンパーを採用して中高域の明瞭度を高めた

Uni-Qドライバーの周囲には、Referenceシリーズで採用している「シャドウフレア」と呼ばれるリングを配置。キャビネットによる回折現象を効果的に抑えるとする。

リング状のシャドウフレアでキャビネットの回折現象を低減

フロア型のR11、R7、R5は、Uni-Qドライバーの上下にウーファーを配置。165mm径アルミニウム振動板のウーファーを、R11は計4基、R7は計2基搭載する。R5は130mm径ウーファー2基となる。エンクロージャーの高さは3機種とも異なるが、Uni-Qドライバーの中心軸の高さを統一させることで、「サラウンドシステムを組んだ時に音源の高さを揃え、精緻な空間表現を実現する」としている。

R11、R7、R5はUni-Qドライバーの中心軸の高さを統一

ブックシェルフ型のR3は、Uni-Qドライバーと165mm径ウーファーを各1基搭載。センタースピーカーのR2cは、Uni-Qドライバーの左右に130mm径ウーファーを各1基、計2基搭載。Dolby AtmosイネーブルドスピーカーのR8aは、130mm径アルミニウム振動板と25mm径アルミツイーターで構成したUni-Qドライバー1基を搭載する。

ネットワークは全機種共通で、クロスオーバー周波数は400Hz、2.9kHz(R8aのみ2kHz)。サラウンド構成を組んだ時に音像の再現性が良くなるという。

Referenceシリーズよりもスリムなエンクロージャーを採用。Referenceシリーズのブレーシング技術を継承し、ダンピングマテリアルを採用して内部振動を伝えない構造で、剛性も高めている。フロア型とブックシェルフはバスレフ型で、R2cとR8aは密閉型。R2cは高さを抑えた設計で設置のしやすさを追求。イネーブルドのR8aはスピーカーの上部などに乗せたり、壁掛け設置にも対応する。

Referenceシリーズのブレーシング技術を継承した内部構造

カラーリングにもこだわっており、インテリアや家具との調和を目指した配色とした。キャビネットと、ドライバーの振動板や周囲のリング、フット部、グリルネットに至るまで色のトーンを合わせており、室内でスピーカーの存在感が気になるという女性にも配慮した、ライフスタイル重視のデザインとしている。

利用イメージ

グリルネットはマイクロファイバー積層素材を使った新開発のもので、厚さ5mmの薄型デザイン。3層のラミネート構造で薄さと軽さ、強度の高いバランスを実現。表面はさわり心地の良いスエード仕上げとした。スピーカーのフロント面にマグネットで吸着する。

薄型デザインの新開発グリルネット
R3にグリルネットを装着したところ

全体の再生周波数帯域(-6dB)は、フロア型のR11が30Hz~50kHz、R7が33Hz~50kHz、R5が38Hz~50kHz。ブックシェルフ型のR3が38Hz~50kHz。センタースピーカーのR2cが64Hz~50kHz。イネーブルドスピーカーのR8aが96Hz~19.5kHz。

インピーダンスは8Ωで共通。感度(2.83V/1m)は、R11が90dB、R7が88dB、R5が87dB。R3が87dB、R2cが87dB、R8aが86dB。

外形寸法/重量は、R11が200×383.5×1,249mm(幅×奥行き×高さ)/37.7kg。R7が200×383.5×1,062mm/31.4kg(同)。R5が175×343.5×1,025mm/27.3kg(同)。R3が199.6×335.5×422.2mm/13.5kg(同)。R2cが550×308.5×175mm/16.9kg(同)。R8aが174.6×259×173.8mm/4.45kg(同)。

「KEFをプレミアムブランドに」。'19年に新たな試聴スペースも

KEF JAPANの浅井信行社長は、「KEFをプレミアムブランドとして再確立する」をテーマとした近年の同社の取り組みを紹介。東京の有楽町に「KEF MUSIC GALLERY」をオープンしたり、Zeppホールで“原音再生”の体験イベントを開くといった試みのほかにも、KEF商品を体験できる場所を全国200カ所以上開拓してユーザーとのタッチポイントを増やした。また、短納期化や品質向上といった物流面、販売パートナーを増やすといった販売システムの強化で、ユーザーの満足度も高めたとする。

KEF JAPANの浅井信行社長
東京・丸の内の「KEF MUSIC GALLERY」

今後、本格的な試聴環境を整え、KEFの“原音再生”を実際に体験できるスペース「KEF Music Lab」を東京・お台場に2019年新春オープン予定。詳細は後日アナウンスされる。

KEF Music Labを東京・お台場に2019年新春オープン予定