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浮遊するレコードプレーヤー、高さ2mで2,700万円の超弩級スピーカーも

国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2018東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで11月16日に開幕。会期は11月18日までの3日間。入場無料だが、当日またはWebでの事前登録が必要。ここではラックスマン、ユキムなどのブースをレポートする。

ラックスマンブースに登場した、FOCALの「Grande Utopia EM Evo」(青いスピーカー)

ラックスマン

11月に発売する、ベルトドライブ式のアナログプレーヤー「PD-151」を紹介。価格は298,000円。基本構成は、上位モデルPD-171A('14年7月発売モデル)を踏襲。「アナログプレーヤーとしての基本性能を徹底的に追求しながら、より多くのユーザーに本格的なベルトドライブ式アナログプレーヤーの醍醐味を提供する」ことを開発コンセプトとしている。

新開発のオリジナル高精度ブラシレスDCモーターを採用し、ワウ・フラッターは0.04%以下。サイン波PWM、PID制御方式による正確な回転数を実現する。

ベルトドライブ式のアナログプレーヤー「PD-151」

さらに、真空管プリアンプの最上位として開発されている「CL-1000」も参考展示されている。発売は来年、価格は未定だ。

真空管プリアンプの最上位として開発されている「CL-1000」

音質だけでなく、コンパクトさやデザイン性も追求した「Neo Classico(ネオクラシコ)」シリーズが復活。11年ぶりの第2弾モデルとして、11月に投入するのが真空管プリメインアンプの「SQ-N150」と、CDプレーヤー「D-N150」だ。価格はアンプが22万8,000円、CDが18万8,000円。

左からCDプレーヤー「D-N150」、真空管プリメインアンプ「SQ-N150」

真空管プリメイン「SQ-N150」は、端子やノブを省いた奥行きが210mmとコンパクト。薄型テレビ向けのラックなどにも、設置しやすいという。スロバキアのJJ製出力管「EL84」(6BQ5)を4本、5極管接続のプッシュプル増幅で搭載。定格出力は10W×2ch(6Ω)。同じくJJ製の「ECC83(12AX7)」を2本使い、安定した動作と特性に優れるP-K分割位相反転回路を採用している。

CDプレーヤー「D-N150」のCDメカは、ティアックから光ドライブ事業を移管されたアルメディオ製のものを採用。実績あるCD専用メカで、正確で安定した読み取りが可能という。USB DACも備え、DACにTIの「PCM5102A」を採用。PCMは192kHz/32bitまで対応。PCとUSB接続し、アシンクロナス伝送できるほか、ラックスマンとしては初となるバルク転送にも対応する。USB以外に、同軸、光デジタル入力も搭載する。

青くて背が高いのが「Grande Utopia EM Evo」

ブースで圧倒的な存在感を放っているのが、ラックスマンが扱うFOCALの最上位スピーカー「Grande Utopia EM Evo」。11月下旬発売で、価格はペアで2,700万円。「他の追従を許さないFOCALのフラッグシップモデル」と位置づけられている。

UTOPIAシリーズの4ウェイバスレフスピーカー。高さ約2mの大型筐体に、40cm径のWサンドイッチコーン、エレクトロマグネット(EM)型の磁気回路などを搭載し、環境に合わせてサウンドの調整が可能。あらゆるパーツに改良を加えた新モデルだ。

「Kanta N°1」

新ブックシェルフスピーカー「Kanta N°1」(カンタ ナンバー1)は11月下旬発売。価格はペアで74万円。27mmのツイーターはベリリウム・インバーテッド・ドーム・ツイーター。軽量で高剛性であり、ダンピング性能にも優れている事から、振動板の素材としてベリリウムが選ばれた。16.5cm径ウーファーの振動板には、フラックス・サンドイッチ・コーンを採用。高品質なフランス製の亜麻(フラックス)を使った三層構造で、フラックスを中央に、その上下をグラスファイバーでサンドイッチしている。これにより、軽量、高剛性、ダンピング性能に優れたユニットになるという。

ユキム

ブースで注目を集めているのは、スロベニア・マグレヴオーディオ(MAG LEV AUDIO)製の磁気浮上プラッター・システムを搭載したアナログプレーヤー「ML-1」。11月21日から予約受付を開始し、製品の出荷は'19年2月以降の予定。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は398,000円前後。

独自のマグネティック・コイル・ドライブを搭載し、ターンテーブルそのものを浮上させて再生させるのが特徴。樹脂とグラスファイバーで作った重量2.2kgのターンテーブルには、マグネットが内蔵されており、本体側にある6つのマグネットコイルとの反発を利用し、浮遊と回転力を得ている。回転軸に接点を持たず、またコイルにモーターを必要としないため、レコード盤は摩擦や振動などの干渉から開放されるという。

MAG LEV AUDIO製の磁気浮上プラッター・システムを搭載したアナログプレーヤー「ML-1」

独ELACのスピーカー「400 LINE」のリニューアルモデル「Vela 400.2」シリーズ2機種が、11月より発売。カラーは2機種ともブラック・ハイグロス、ホワイト・ハイグロス、ウォルナット・ハイグロスの3色。価格は、トールボーイ「Vela FS 407」のブラックとホワイトが66万円(ペア)、ウォルナットが70万円(同)。ブックシェルフ「Vela BS 403」のブラックとホワイトが33万円(同)、ウォルナットが35万円(同)

中央のスピーカーが「Vela FS 407」、右がブックシェルフ「Vela BS 403」

フロント・バッフルをスラントさせ時間軸の整合を図ったエンクロージャーを、アルミ・ダイキャストのベース部にマウント。トップ・プレートとターミナル・プレートはアルミで成型し、振動音の発生を抑制する。底面バスレフ方式を採用。

ツィーターには独キールの本社工場で生産される「JET V」を採用。25mm径ドーム型ツィーターの10倍の面積を持ち、パワー・ハンドリングに優れるという。400 LINEの従来モデルにも搭載されていたが、Velaでは新たにデザインしたウェーブ・ガイドを装着し放射特性を改善。また、従来機よりもクロスオーバー帯域を下げ、JET Vの再生周波数帯域を広げている。

クルトミューラー製のペーパー・コーンとアルミ・コーンを重ねた振動版を採用した150mmAS-XRウーファーも搭載。従来モデルに比べエッジのラバー・サラウンドを拡大し、ロングストローク・モーションのレスポンスを高めパワーハンドリング性を向上した。

左からDebut「F5.2」「B5.2」

「Debut」も一新。Debut 2.0シリーズ6製品が、8月から発売されている。価格は、ブックシェルフの「B5.2」が55,000円(ペア)、トールボーイ「F5.2」が125,000円(同)、センター「C5.2」が40,000円(1本)、Dolby Atmos対応のA4.2が45,000円(ペア)。

スピーカーデザイナーのアンドリュー・ジョーンズが、ELACで初めて手がけたDebutシリーズが2.0へと進化。Debut 2.0では、ドライバー・ユニット、ネットワーク、エンクロージャなどの主要パーツを新開発し、パフォーマンスの向上を図っている。

Auraブランドの新製品。上から「vita Premium Black Edition」、「vivid Premium Black Edition」

Auraブランドの新製品は、30周年記念モデルのCDプレーヤー「vivid Premium Black Edition」と、USB DAC機能も備えたプリメインアンプ「vita Premium Black Edition」。11月発売で、各100台限定生産。価格はCDプレーヤーが15万円、アンプが18万円。

既発売の「vivid」、「vita」をベースとしながら、カラーがプレミアム・ブラック・エディションとなるほか、特別なバージョンアップも施されている。なお、カラーは初代モデル「VA 40」のスタート・カラーであったブラック・ヘアラインを復活させたものでもある。

CAROT ONEブランドの新製品。左から「ERNESTOLO 50k EX」、「FABRIZIOLO 30k EX」

伊CAROT ONEブランドの中心的商品「FABRIZIOLO」と「ERNESTOLO」がフルモデルチェンジされたプリアンプ兼ヘッドフォンアンプ「FABRIZIOLO 30k EX」(7万円)、スピーカーをドライブできるプリメインアンプ兼ヘッドフォンアンプ「ERNESTOLO 50k EX」(75,000円)が展開されている。

どちらも、真空管を使った小型のアンプ。「リニア・シェイプ」を新たなデザインテーマとしており、ラウンドを排したスクエアなデザインが特徴。真空管を保護する役割もあるガラス・ブロックを採用している。外形寸法は2機種共通で、76×150×75mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.1kg。電源アダプタはDC12V/5A。

アキュフェーズ

今年発売の新製品として、SACD/CDプレーヤー「DP-750」、純A級パワーアンプ「A-75」、プリメインアンプ「E-480」、FMチューナー「T-1200」を紹介。

純A級パワーアンプ「A-75」

「A-75」は「A-250」の技術を投入した最高峰の純A級ステレオ・パワーアンプ。ディスクリート半導体で構成したインスツルメンテーション・アンプの理想的なゲイン配分、バランスド・リモート・センシングによる負帰還、10パラレル・プッシュプル構成による電力増幅部を備え、優れたSN比とダンピング・ファクターを達成したという。

プリメインアンプ「E-480」

「E-480」は、プリアンプ部に最新の「AAVA」方式ボリューム・コントロールを搭載。一層鮮度の高い音量調整が可能になったという。インスツルメンテーション・アンプ構成によりフルバランス伝送化されたパワーアンプ部は、高いSN比を実現。

さらに、バランスド・リモート・センシングによる出力回路の低インピーダンス化も徹底。パワーMOSFET 3パラレル・プッシュプル構成の電力増幅段による180W/8Ωの迫力あるサウンドが特徴だ。

FMチューナー「T-1200」

近日発売予定の新製品としてプリアンプ「C-2150」、パワーアンプ「P-4500」も参考展示している。「C-2150」は50万円、「P-4500」は55万円の予定。

パワーアンプ「P-4500」

P-4500は、インスツルメンテーション・アンプの信号入力部をディスクリート半導体で構成、121dBのSN比を達成した。大型トロイダルトランスと、50,000μFのフィルターコンデンサーによる強力な電源部や、3段ダーリントン接続による4パラレル・コンプリメンタリー・プッシュプル構成の電力増幅部により、定格500W×2ch(1Ω)を実現。バランスド・リモート・センシング技術や、プロテクション回路に抵抗値の低いMOSFETスイッチを使うことで、ダンピングファクター700も達成している。

C-2150はプリアンプ

C-2150はプリアンプ。上級機で培ったテクノロジーを投入したAAVA方式のボリューム・コントロール回路に、新開発のANCC技術を融合。実使用ボリューム位置でのノイズ性能を改善したという。

ライン×5系統、バランス×2系統、レコーダー×1系統の豊富な入力端子も装備。オプションボードの追加により機能拡張も可能。

リンジャパン

LINN JAPANブースの新製品は、ネットワークプレーヤーを基本としながら、内部の仕様やグレードをユーザーが選択(セレクト)できる新基軸モデル「SELEKT DSM」だ。ユーザーの要望に合わせ、仕様/グレードが選べるもので、具体的には以下の4つのバリエーションを用意。ここから選択できるようになっている。Katalyst(カタリスト)とは、同社の第4世代のDACアーキテクチャー。

「SELEKT DSM」

筐体にはダイヤル式のコントローラーと、有機ELディスプレイを装備。コンセプトは「Hi-Fi with the human touch.」としており、音質だけでなく、「使って嬉しい、見て美しい製品」になっている。

  • SELEKT DSM-S:Standard DAC (Pre/Line出力) 68万円
  • SELEKT DSM-SA:Standard DAC + PowerAmp 88万円
  • SELEKT DSM-K:Katalyst DAC (Pre/Line出力) 90万円
  • SELEKT DSM-KA:Katalyst DAC + PowerAmp 110万円
「SELEKT DSM」

Technics

Technicsブースでは、リファレンスクラスのダイレクトドライブターンテーブル「SL-1000R」などを紹介。2019年2月下旬に発売が延期されている、ワイヤレススピーカー「OTTAVA S SC-C50」も見ることができる。

ワイヤレススピーカー「OTTAVA S SC-C50」

「SL-1000R」の展示コーナーでは、トーンアームベース部を追加し、最大3本までトーンアームを取り付けられる機能をアピールした展示を初めて実施。ベース部はターンテーブル部と強固に締結する構造で、トーンアーム軸、ターンテーブルの軸と針先の位置関係を常に一定に保ち、振動による影響も低減できる構造になっているという。

「SL-1000R」にトーンアームベース部を追加したところ

FOSTEX

フォステクスのブースでは、新たなシリーズの始まりと位置づけられているスピーカーユニットの新製品「FE168NS」や、それにあわせたスピーカーボックス「BK168NS」、ツイーター「T96A-RE」などを紹介。

左からツイーター「T96A-RE」、「FE168NS」
スピーカーボックス「BK168NS」に搭載したところ

さらに、20cmのフルレンジ「FE208NS」、10cmのフルレンジ「FE108NS」も参考出品している。

左から「FE208NS」「FE108NS」

ステラ

米Wilson Audioは、9月1日からアクシスに代わり、ステラが輸入販売とアフターサービス業務を担当している。ステラブースには、日本再上陸の最新モデル「ALEXX」、「ALEXIA 2」などを展示。注目は、新製品であり、「SASHA」第3世代となる「SASHA DAW」。12月1日発売予定で、価格はペアで670万円。

Wilson Audioのコーナー

さらに、VIVID Audioの新シリーズ「KAYA」、STROMTANKのトップエンドバッテリー電源「S5000HP」、“ステラ渾身のアナログサウンド”を謳う「TechDAS AIR FORCE ONE Premium」、CAD(Computor Audio Design)のGround Controlトップエンドモデルなども出展している。

アクシス

9月から輸入販売を開始した、日本初上陸、スコットランドの新進スピーカー“Fyne Audio”(ファイン・オーディオ)の全機種を紹介している。グラスゴーにほど近い、スコットランド中南部ラナークシャー地域のストラスクリードビジネスバークに会社を構えており、「Fyne」というブランド名はスコットランドの美しい湖「Loch Fyne(ファイン湖)」に由来。Tannoyでハイエンドオーディオに携わった7名のメンバーが創業した。

準フラッグシップ「F700 シリーズ」のF702

フラッグシップのF1 シリーズ、準フラッグシップ「F700 シリーズ」のほか、「F500シリーズ」、「F300シリーズ」、サブウーファなどをラインナップ。同社のマネージングディレクター、アンジー・ソスナ氏を招いてのイベントも予定されている。

奥にある右から三番目のスピーカーがフラッグシップF1シリーズの「F1-10」

さらに、未発表のイタリア・ブランド「Grandinote」のアンプも登場。

イタリア・ブランド「Grandinote」のアンプ

TAD

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)のブースでは、Evolutionシリーズのフロア型スピーカーとして11月下旬発売の「TAD-E1TX」を紹介。価格は1台110万円。

ME1と共通するパーツや技術を取り入れているのが特徴。ユニット構成は、2.5cm径のツイータと、9cmのミッドレンジの中高域用同軸ユニット「CSTドライバー」と、16cm径ウーファ×2基の3ウェイ。エンクロージャはバスレフ。

「TAD-E1TX」