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JOLED、印刷方式有機ELを国内初展示。esports向けや55型4Kも

JOLED(ジェイオーレッド)は、12月5日~7日に幕張メッセで開催される「ファインテック ジャパン2018」において、独自の印刷方式有機ELディスプレイを一般向けに国内初展示。esports向けの21.6型や、フレキシブルな車載用12.2型など中小型に加え、55型4Kの大型モデルも参考展示する。

ASUSがJOLEDの有機ELディスプレイを採用した21.6型プロ用モニター「ASUS ProArt PQ22UC」

ファインテック ジャパンにおいて、同社はジャパンディスプレイ(JDI)と共同でブースを展開。JOLEDが国内の展示会で製品と技術を一般公開するのは今回が初となる。様々な用途が見込まれる中型・高精細の有機ELディスプレイを、リジッドパネル、フレキシブルパネルともに多数展示。55型の4K有機ELディスプレイも参考展示し、大型の製造にも適した印刷製造技術をアピールする。

また、会期中のセミナーでは、JOLEDの石橋義社長が基調講演に登壇。同社技術開発本部 第2開発部部長の田中正信氏が専門技術セミナー講演を行なう。

ソニー、パナソニックの有機ELディスプレイの開発部門を統合して2015年1月に設立されたJOLEDは、2016年にパイロットラインを立ち上げ、印刷方式による有機ELディスプレイ量産技術の確立と生産性の向上を実現。2017年12月に初の製品として21.6型4K有機ELディスプレイの出荷を開始した。2018年7月には石川県能美市に能美事業所を開設。印刷方式有機ELディスプレイで世界初となる量産ラインの構築を進め、2020年の量産開始を目指している。

「印刷方式」は、有機EL材料を印刷により塗布・形成する技術で、生産工程がシンプルなことから、多様な画面サイズへの展開がしやすい点を特徴としている。現在製造している中型サイズのほか、大型テレビ向け有機ELディスプレイの印刷方式製造技術を提供する技術ライセンスを推進。大型サイズの有機ELディスプレイ市場においても、JOLEDの印刷製造技術の浸透を図る。

【展示内容】
1.車載ディスプレイ 12.3インチHD OLED、12.2インチ FHD フレキシブルOLED(試作品)
コントラスト比、視野角に優れるOLEDは、高い視認性と高速応答により、運転中の情報確認を容易にするほか、曲線を描くディスプレイが先進の車内空間を演出
2.esports向けモニター 21.6インチ FHD OLED(試作品)
プロesportsチーム「Burning Core」と協働し、esportsに適したディスプレイを開発。OLEDの画質性能と滑らかな動画表示により、没入感のあるゲーム体験が可能。ブースでは、オンラインゲーム「リーグオブレジェンド」のテストプレイができる
3.ホームディスプレイ 27インチ 4K OLED(試作品)
インテリアとして、臨場感のある4K風景映像を楽しめる壁掛けのディスプレイを、新開発の27インチで試作。スマートスピーカーと対応したスマートディスプレイや、スマートホームの家庭内各種情報を表示するIoTディスプレイなど
4.円筒ディスプレイ 21.6インチ 4K フレキシブルOLED(試作品)
プラスチック基板を採用したフレキシブルティスプレイで、ユニークな円筒形状のディスプレイを試作
5.電車車両用ディスプレイ 21.6インチ 4K フレキシブルOLED(試作品)
OLEDを電車や地下鉄の車両内ディスプレイに用いると、曲面形状にすることで車両内空間を有効活用でき、高画質、高視野角で、美しく見やすい情報表示が可能。また、ダイナミックで印象的な広告ビジュアルを映し出す車両内デジタルサイネージとしても提案
6.医療用モニター 21.6インチ 4K OLED(製品)
2017年12月に初製品化した医療用モニター向けOLED。白黒の階調性に優れ、微妙な濃淡を繊細に表現
7.ASUS ProArt PQ22UC プロフェッショナルOLEDモニター(発売前製品)
JOLEDディスプレイパネルを搭載したASUSのプロフェッショナルモニター
8.大型・55インチOLEDモニター(参考展示)
大型OLED製造技術を供与する技術ライセンスを推進。大型・55インチの4K OLEDを参考展示