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AIアシスト作曲、“暗闇の洞窟”で演奏体験。ソニーがSXSW出展
2019年3月11日 12:18
ソニーは、米国テキサス州オースティンで現地時間3月9日より開催中の「SXSW(サウス バイ サウスウエスト) 2019」に出展。AIが作曲をアシストする技術や、ソニーの音響・触覚技術を活用して来場者が音楽を協奏できる体験などを紹介している。
SXSWのソニーブースは、“Will technology enrich human creativity?”「テクノロジーは人の創造性を豊かにするか?」がテーマ。ソニーの最新技術やプロトタイプを活用した研究開発段階のプロジェクトの展示や、様々な分野のゲストやソニーの研究開発段階のプロジェクトに携わるメンバーとのトークセッションを開催している。
展示では AIアシスト作曲技術によってアーティストとともに新しい音楽を生成し、アーティストのクリエイティビティを拡張することを目指す研究開発及び社会実装プロジェクト「Flow Machines」や、暗闇の洞窟を再現し、ソニーの音響・触覚技術を用いて音楽を協奏する体験ができる「CAVE without a LIGHT」などを披露した。なお、今回のコンセプトやソニーが出展する理由などについては、3月4日の記事で掲載している。
SXSW 2019 ソニーブース展示内容詳細
また、SXSW来場者とソニーのエンジニア、商品企画担当者が直接交流する場として、Meet-upラウンジを用意。ソニーの最新技術を活用したプロジェクト「フラッシュダーツ」や「Triporous(トリポーラス)」の展示を行なっている。
フラッシュダーツは、ソニーPCLとアカツキライブエンターテインメントが共同で展示する、ダーツゲーム型のインタラクティブコンテンツ。プロジェクションマッピングと最新式の赤外線センサーデバイスを組み合わせることで、マトに可変性や可動性を持たせ、従来のダーツソフトとは異なる新しい遊び方を提案。プレイヤーの足元には、ソニーのハプティクス技術(触覚提示技術)を搭載した「Haptic Floor」(ハプティックフロア)が設置され、全身で楽しめる臨場感と没入感のあるダーツを楽しめる。
Triporousは、お米の籾殻から生まれた 天然由来の多孔質カーボン素材で、ソニーが特許を取得した独自の製法により実現した独特の微細構造により従来技術では吸着しづらかった物質の吸着を容易にするなど多彩な特徴を持つ。水や空気の環境浄化、化粧品や薬剤まで幅広い応用が期待される。籾殻という余剰資源を再生活用していることから、循環型社会、地球環境負荷の低減にも貢献しながら新たな製品や産業の創出につながるという。
3月9日に行なったトークセッションでは、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)代表取締役社長の北野宏明氏が登壇し、AIの父とも呼ばれているユルゲン・シュミットフーバー氏や、ロボット学者で人間酷似型ロボット研究の第一人者でもある石黒浩氏、マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボの研究者ケイト・ダーリン氏とともに、テクノロジーの進化によって追求される“人間らしさ”とは何か、テクノロジーが人間の創造性にどのような影響を与えるかなどについて議論を交わした。
また、北野氏とソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ) 取締役 CFO 兼 コーポレート EVPの今野敏博氏が、SMEJ とソニーCSLによる、AI アシスト作曲技術「Flow Machines」を活用した新たな音楽プロジェクトの構想についてトークとデモンストレーションを行なった。