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ソニー、AIが作曲アシストする無料アプリ「Flow Machines Mobile」

ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は9日、AIで作曲をアシストするアプリ「Flow Machines Mobile」をApp Storeで提供開始した。価格は無料。動作対象はiPadOS 13.2以降で、macOS 11以降とApple M1チップ搭載Macが必要。

Flow Machines Mobileは、各種DAWプラグインとも連携して機能する、クラウド型の楽曲制作用AIツール。AI技術を活用し、クリエイターの望むスタイルに合わせたメロディーやコード、ベースラインを提案してくれる。

Flow Machines Mobileの画面

曲のスタイルを表現するため「スタイルパレット」という独自の概念を採用。スタイルパレットは音楽データを解析した機械学習モデルで、ソニーCSLが開発した各種プリセットの他、アプリ内で作曲者自身が新たにオリジナルのスタイルパレットを作成することも可能。自分の音楽スタイルを残しながらも、新たな発想につながるメロディーをAIに生成させることができるのが特徴。

スタイルパレットの選択画面

作りたい曲のジャンルとコードに合わせてスタイルパレットを選択。「compose」ボタンを押すと、選択したコード進行に合わせてAIにより8小節ごとにメロディーが生成される。音符の長さやメロディーの複雑さを調整するパラメータを変更することでより意図に沿った提案をAIから受けることが可能。

気に入ったメロディーを保存し、Flow Machines Professionalを使ってDAWに取り込むことができる。Flow Machines MobileのデータはMIDIデータとなっており、iPad上で気に入ったメロディーをAppleの楽曲制作ソフトウェア「GarageBand」に取り込み、素材としてそのまま使うこともできる。

ソニーCSLではAIを主軸にした研究テーマの一つとして、2012年よりアーティストのクリエイティビティを拡張する「Flow Machinesプロジェクト」を展開。2019年にはDAW上で機能するプラグイン型ツール・Flow Machines Professionalを開発し、ソニーグループ内で活用してきた。同ツールを活用し、国内外で数多くの楽曲が制作されているという。

アプリのリリースに合わせて公開されたブランディングムービーでは、音楽家の江﨑文武がFlow Machinesを使って書き下ろした楽曲「Obscura (feat. HANA)」を使用。チュートリアルムービーでは江﨑氏による楽曲の制作過程が公開されている。

Flow Machines | Augmenting Creativity with AI
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