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final、音場感や解像感で選べるイヤフォン「B series」。アニソン向けB1など
2019年6月14日 13:34
S'NEXTは、finalブランドのイヤフォン「B series」3機種を6月28日に発売する。価格は、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型ユニット各1基のハイブリッド「B1(FI-B1BDSSD)」が69,800円(税込)、BAが1基の「B2(FI-B2BSSD)」が29,800円(税込)、BAが2基の「B3(FI-B3B2SSD)」が49,800円(税込)。
B seriesは、「最新の研究結果が、テーマごとに盛り込まれたエンジニア主導の新しい製品シリーズ」としており、シリーズコンセプトや価格に関わらず開発できた順に製品化するため、製品名の番号は開発した順番となっている。
今回の3製品は「音楽の音場感やダイナミックレンジとイヤホン・ヘッドホンの物理特性との関係」に着目して音作りを行なったという。
音作りにあたり、同社は2つの軸で音楽について整理。1つは、クラシックやジャズなど「音場感」が重視されている音楽と、ロックやPOPS、アニソンなど「解像感」重視の音楽があること。2つ目は「ダイナミックレンジ」(音量の時間的な変化幅)が大きいことの利点がある一方で、常にすべての楽器やボーカルが眼前に迫るようにダイナミックレンジの幅を小さくした録音が好まれる音楽もあるということ。
これら2つのポイントについて、音楽における音場感と解像感を横軸に、ダイナミックレンジを縦軸にしたグラフで、新モデルの特徴を分類。音楽ジャンルや好みなどによる違いを元に、「それぞれに適したターゲットカーブやドライバー設計にすることで、より深く、音楽を楽しめる」としている。
既発売のE3000は、グラフのちょうど中心を狙って設計されたのに対し、新しいB seriesはその外側に位置。「より音楽の聴きどころに沿ったモデル、深くハマると手放せない、そんな魅力のある製品に仕上げた」という。
B1は、音の近さや臨場感を特に重視したモデル。アニソンなど、音の近さをより際立させた録音の音源を、スタジオエンジニアがイメージしたとおりの音のバランスが再生できるように設計したという。
B2は音場感を重視したモデル。クラシックなどコンサートホールの反射音や残響を十分活かした録音や、ライブ録音など会場の雰囲気を十分再現しようと意図したミキシングの音源などに適しているという。
B3は、解像感を特に重視。「ライブ感のある音源でも楽器の繊細な音を手にとるように、かつやや華やかに聴きたい方や、アニソンやEDMのボーカルをタイトに楽しみたい方などに向いている」という。
各モデルは装着感も重視。圧迫感の少ない装着とするため「2箇所で保持し、1箇所でズレない程度に支持する」という考え方に基づいて開発。
三脚などのように、一般的に3箇所で保持すると安定した装着が得られることから、力を掛けてもストレスに感じにくいイヤーピースと耳珠でイヤフォンを保持し、抜け落ちるのを支える程度にイヤフォンが耳甲介(耳のポケット)に触れるという装着方法を採用した。接触箇所を明確にした形状により、多くの人の耳に圧迫感無く適合するという。
筐体はステンレス製。金属微粉末とバインダーを混ぜ、樹脂のように金型で成形した後、高温で焼結し、形状を整えたMIM(Metal Injection Molding)を採用。樹脂の成形品と同様に形状の自由度は高く、金属でありながら複雑な形状の内部設計が可能だという。3モデルともMMCX端子でケーブル着脱が可能。B1とB3は、MMCXシルバーコートケーブルを同梱する。
B1の筐体はステンレス鏡面仕上げ(ローズゴールド)。ドライバーはダイナミック×1とBA×1のハイブリッドで、ネットワークレス構造。インピーダンスは13Ω、感度は94dB、重量は36g。ケーブル長は1.2m。
B2の筐体はステンレスブラスト仕上げ(ガンメタリック)。ドライバーはBAシングル。インピーダンスは41Ω、感度は109dB、重量は32g、ケーブル長は1.2m。
B3はステンレスブラスト仕上げ(フロストシルバー)の筐体で、ドライバーはBA 2基のネットワークレス。インピーダンスは19Ω、感度は102dB、重量は36g、ケーブル長は1.2m。
いずれも、イヤーピース、イヤーフック、シリコンケースが付属する。本体は、特殊工具を使えば分解して修理も可能。長期間使うことを考慮した設計となっている。