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DAZNが新料金形態導入へ。八村塁参戦のバスケW杯、トーレス引退密着番組も
2019年8月7日 12:41
DAZNは7日、2019年上半期の振り返りと今後の方針に関する説明会を開催。DAZN Japan Executive Vice Presidentのマーティン・ジョーンズ氏が、今後の計画として、アプリ以外でも観られる「オープンブラウザ」、視聴デバイス数などの変更を含めた「新しい料金形態」、「広告収入モデル強化」を挙げた。
8月でローンチから3年を迎えたDAZNは、引き続きコンテンツの強化とサービス改善について説明。2019年の現状として、コンテンツ視聴トップ3はいずれもコパ・アメリカ 2019の日本代表戦。1位は日本VSウルグアイ(2戦目)、2位は日本VSチリ(1戦目)、3位は日本VSエクアドル(3戦目)。5位まではサッカーが占めている。
特に、久保建英選手が出場したICC(インターナショナル・チャンピオンズ・カップ)のバイエルンVSレアル・マドリード戦がトップ5に入ったことにも触れ、今後のトップチームでの活躍に期待を寄せた。
パートナーとの協力については、3月に発表した読売巨人軍との包括提携により、ジャイアンツ主催試合の配信開始とともに、DAZNの認知度も上がったという。
今後の計画として掲げた「オープンブラウザ」については、DAZNの会員登録をしなくても、Webのランディングページから、一定時間コンテンツを視聴でき、登録前に体験ができるというもの。
料金形態については、NetflixやHuluなどと同様に、「ワンパッケージでない料金形態」を検討。ジョーンズ氏によると、現時点で値上げの予定は無いとのことで、コンテンツの種類によって料金を変えるのではなく、同一アカウントでの視聴デバイス数の変更などによってプランを多様化するという。
広告収入モデルの強化については「スポーツ業界ではスポンサーが付くことで成長する。それをDAZNでどのように適用できるかを考えている」としており、DAZNの収入だけでなく、各競技やチームへ貢献できる形を検討しているという。
なお、前述した料金プランの多様化に関連して「広告付き無料視聴プランの追加」について質問したところジョーンズ氏は否定したが、特定の試合などに限定した広告付き配信などについては可能性もあるとの見方を示した。
下半期の注目コンテンツとしては、サッカープレミアリーグの2019-2020シーズンのほか、ラグビーのワールドカップの全試合ハイライト、八村塁選手の活躍も期待されるFIBAバスケットボールワールドカップ2019の日本・米国を中心としたライブ配信などを用意している。
【ライブ配信の主な注目コンテンツ】
サッカー
「プレミアリーグ 2019-2020シーズン」全試合独占配信
(以後2021‐2022シーズンまで継続)
ラグビー
「サマー・インターナショナルズ2019」独占ライブ配信
「ワールドカップ2019日本大会」全試合ハイライト配信
バスケットボール
「FIBAバスケットボールワールドカップ 2019」ライブ配信
さらに、試合中継だけでなく選手やチームを追ったオリジナルのドキュメンタリーなども強化。引退を発表したサッカーのフェルナンド・トーレス選手に迫った密着コンテンツを9月6日に公開予定なほか、バスケットボールW杯の注目選手インタビューを8月中旬に公開する。
オリジナル番組の1つ「THE MAKING OF」は、サッカーのネイマール選手、クリスティアーノ・ロナウド選手、マンチェスター・ユナイテッド前監督のモウリーニョ氏が自身を振り返るドキュメンタリー。8月9日より配信開始される。
さらに、パートナーである読売巨人軍を追った長編の「ジャイアンツ・ドキュメンタリーシリーズ」も10月より順次配信予定。
【2019年配信予定の主なオリジナルコンテンツ】
「ジャイアンツ・ドキュメンタリーシリーズ」
2019年シーズンを追った長編ドキュメンタリー 10月より順次配信予定
「THE MAKING OF」
DAZNグローバルアンバサダーが過去を振り返るドキュメンタリー 8月9日より配信
「フェルナンド・トーレス引退ドキュメンタリー」
8月23日に現役を退くトーレス選手の引退の裏側に徹底密着 9月6日より配信予定
「FIBAワールドカップ」
13年ぶりに出場を果たした日本代表の注目選手に迫ったインタビューコンテンツ8月中旬より順次配信予定
OTTの強みでスポーツ配信定着。Jリーグ観戦の若返りも
マーティン・ジョーンズ氏は上半期の振り返りの中で、有料テレビサービスの減少傾向に対してOTT(Over the Top)配信が拡大しているというIHS Markitの調査に触れ、「日本のエンターテインメント業界でもOTTが定着している。1月と7月に実施したDAZNユーザーへのアンケートでも、地上波でスポーツ観戦が減っているのに対し、DAZNでの観戦人口は増えている」とした。
OTTならではのメリットとして「早朝や深夜の試合でも、通勤中などにハイライトをすぐチェックすることなどに適している。DAZNによるスポーツ視聴のゲームチェンジングだ」と述べた。サッカー以外にも、ラグビーワールドカップについてライブ配信権は所有していないものの「試合結果を知ってから、すぐハイライトを観られる」とした。
また、配信以外のところでは、Jリーグとの協力で金曜に試合を開催する「フライデーナイトJリーグ」により、全ての試合で新規層が10%超を占めたことや、全7試合の来場平均年齢が40.6歳(2018年のJ1/J2平均は41.9歳)に下がり、課題とされる若年層の拡大に効果があったことを強調した。DAZNの視聴傾向においても、土日の試合と変わらない視聴数をキープしたという。