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シャープ、BD/地デジ番組を“4K放送級”にアプコンするAQUOS 4Kレコーダ

シャープは、新開発の高画質エンジンを搭載した「AQUOS 4Kレコーダー」の新モデルを10月24日より発売する。4TB HDD搭載モデル「4B-C40BT3」、2TB「4B-C20BT3」、そして1TB「4B-C10BT3」の3機種をラインナップ。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は、4TBが14万円前後、2TBが11万円前後、1TBが10万円前後。

4TB HDDの「4B-C40BT3」

'18年11月に発売した「AT3」シリーズの後継機種。4Kチューナーを搭載したAQUOS 4Kレコーダーとしては第2世代のモデルとなる。

ダブル4KチューナーとBD/地デジを4K放送級にアップコンする新エンジンの搭載ほか、スマホの静止画・動画を保存するストレージ機能、音声操作、他社製4K録画ディスクの再生対応など、性能・機能面において、従来モデルよりも大幅な底上げを図った。なお、3機種の違いはHDD容量のみで、性能や機能、入出力端子などのインターフェイスも変わらない。

2TB HDDの「4B-C20BT3」(写真左)と1TB「4B-C10BT3」(右)

シャープ初の4K放送ダブ録。他社製「4K録画BD」の再生サポート

AQUOS 4Kレコーダー初のダブル4Kチューナー仕様。地上/BS/110度CSデジタルチューナーは3基で、4K放送の裏番組録画や4K放送の2番組同時録画、2K放送を合わせた3番組同時録画が行なえる。

4K放送のダブル録画に対応

4K放送はDRモードでの録画。2K放送は従来通り、最大12倍までの長時間録画にも対応する。

4K放送の録画時間は、4TBの「C40BT3」が約262時間、2TB「C20BT3」が約130時間、1TB「C10BT3」が約64時間。別売の外付けUSB HDDへ4K放送を録画することもできるが、SeeQVault HDDは2K放送の録画に限られる。

DRモードで録画した4K番組は4KのままBDにダビングできるのに加え、ソフトウェアのアップデートにより、MPEG4-AVC圧縮でダウンコンバート(等速)して2K解像度でBD記録することも可能になる。

BD記録時は従来通りTS方式を採用するが、新モデルでは他社(パナソニックと三菱)で採用するMMT/TLV方式の4K録画BDの再生にも対応。「あくまで基本は“自己録再”であり、再生を必ずしも保証するものではないが、4K録画BDの再生互換を向上させることは必要と判断し、TLV再生機能を搭載した」という。

また、アルゴリズムの最適化により、第1世代からマルチタスク性能が向上。4K番組録画中の2Kチャンネル切替えや録画予約、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)の再生など、動作完了まで時間を要したり、録画と並行作業できなかった機能が改善されている。「録画中のオートチャプターなどの機能も最初から盛り込まれている。唯一の制限は、トリプル録画中(4K+4K+2K)のUHD BD再生ができないこと」としている。

解像度・輝度・色域・ビット深度・フレームレートを4K放送級にアップコン

映像エンジン「4KマスターエンジンBD-Premium」の新搭載も大きなトピック。

新搭載の映像エンジン「4KマスターエンジンBD-Premium」

画質を決める5つの要素(解像度・輝度・色域・ビット深度・フレームレート)をアップコンバートする新しい信号処理を組み込むことで、2K放送やBDを4K放送の仕様(4K/60p,10bit,HDR,BT.2020)に変換し、“4K放送級”の美しさにするという。4K/SDR放送の場合も、4K/HDR信号に変換して出力できる。

5つの要素(解像度・輝度・色域・ビット深度・フレームレート)をアップコンバート

「解像度とビット深度、フレームレートの変換は従来機種でも行なっていたが、新モデルではSDR→HDR10への輝度変換と、BT.709→BT.2020への色域変換を追加した。輝度や色域拡張はテレビ側の機能として搭載されることが多いが、信号そのものを変換して出力するレコーダーは他に無い」とのことで、同社では業界初の“5upコンバーター”として訴求する。

変換前(イメージ)
変換後(イメージ)

輝度・色域のアップコンは、メニュー「SDR→HDR10変換」の入/切で操作が可能。「入」にすると、輝度の変換と合わせ、色域もBT.2020に拡張される仕組み。トーンマッピングを使ったカスタマイズが可能で、±8を含む計17段階の輝度調整が行なえる。

なお「コンテンツや組み合わせるディスプレイによって輝度の見え方が大きく異なるため、映像を観ながらユーザーが微調整をできるように調整項目を設けた。どちらかといえば、多少知識を持ったこだわり派の機能であるため、輝度・色域のアップコンは、デフォルトが切」となっている。

輝度は±8を含む17段階で調整可能

新機能「スマホ写真・動画まるごとストレージ」と「HDD/BDドライブ健康診断」

スマートフォンで撮った写真や4K動画をレコーダーに転送する「スマホ写真・動画まるごとストレージ」機能に新対応。

専用アプリ「AQUOS写真&動画転送」('19年末公開予定)をスマホにインストールし、対象のレコーダーとペアリング。同一ネットワーク環境下で、スマホ内の静止画・動画データをレコーダーに転送すれば、テレビで再生したり、BDへのデータ記録が行なえる。

Android/iOSのスマホ・タブレットに対応し、静止画はjpg/heif、動画はmov/mp4形式をサポートする。

専用アプリ「AQUOS写真&動画転送」のスマホ画面
データ転送後のアルバム画面

BDドライブの密閉度を高めて、ドライブの長寿命化を実現する「ホコリシールドBDドライブ」に加え、内蔵HDDとBDドライブの状態を診断する「HDD/BDドライブ健康診断」機能も加わった。

使用時間数やエラーレートの頻度、レーザーの出力などをチェックし、ABCランクで状態を判定する。Cなど好ましくない診断の場合は、HDDからBDへのデータ保存や、読み取りレンズのクリーニングを促すなどのメッセージが表示されるという。

メニューにドライブ健康診断が追加
HDD、もしくはBDドライブの選択画面
診断結果はABCランクで判定

液晶テレビAQUOSやスマートスピーカーと連携した「声でラクラク操作」にも対応。Googleアシスタント対応AQUOSのリモコンや、スマートフォン、スマートスピーカーを使って、音声で番組検索や再生番組が行なえるほか、新たに番組予約にも対応する。

検索画面
予約画面

番組表と録画リストも4K解像度。ドラ丸は2K放送のみ対応

搭載するBDドライブは、UHD BDソフトの再生に対応。対応する規格はHDR10で、Dolby VisionやHDR10+には対応しない。従来通り、4K放送などで使われる「HLG」方式に対応していない4K/HDRテレビでもHDR映像が楽しめる「HLG→HDR10変換」機能を搭載する。

UHD BD再生対応のドライブ

サムネイルやテキストを4K解像度で表示するインターフェイス「4Kビジュアル番組表」、「4K録画リスト」も引き続き搭載する。アップコンバートによるGUI画面と比べ高精細で、また4Kテレビに適した文字フォントを採用することで視認性を一段と高めている。

番組表では、番組のジャンルや文字の大きさ・濃さなどを細かくカスタマイズでき、ユーザーの好みに合わせた番組表に調整可能。色分けされた番組表から、特定のジャンルだけを強調して表示する「指定ジャンル強調」にも対応する。

録画した番組は、番組タイトルと合わせてサムネイルでリスト表示。ポップアップ表示を選べば、録画番組を約5分ごとに子画面表示する「見どころポップアップ」も行なえる。

番組表と録画リストも4K解像度

番組予約をすること無く、2K放送の新作連続ドラマを4週間分自動録画してくれる「ドラ丸」、対応のAQUOSテレビと接続した際に視聴中の2K番組を最大90分遡って視聴できる「AQUOSタイムシフト」、外出先から録画した2K番組を視聴する「外からリモート視聴」、また外出先から2K番組の検索・録画予約ができる「AQUOSリモート予約」なども引き続き搭載。旧AQUOSレコーダーで録画した番組を新レコーダーにダビングする「買換えお引っ越しダビング」機能も備える。

背面端子(写真はC40BT3)

HDMI出力は、テレビ用とアンプ用(音声信号のみ、CEC非対応)の2系統。USB端子はデータ用と外付けHDD用で、通常HDDのほかSeeQVault対応HDDが接続可能。LAN端子に加え、無線LANユニットを内蔵する。

今回の第2世代モデルからB-CASカードスロットが無くなり、機器内部にある4K放送用のACASに統合されている。

消費電力は、C40BT3が約30W、C20BT3/C10BT3が約29W。外形寸法は3モデル共通で、430×229×57.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量はC40BT3/C20BT3が約3.3kg、C10BT3が約3.1kg。リモコン、アンテナケーブル、電源コードなどが付属する。

前モデルはB-CASとACASのハイブリッド構成だったが、新モデルではACASに統合された(写真はC40BT3)
リモコン