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JVCプロジェクタ「V9R」など、フレーム単位でHDR自動調整する新機能

JVCケンウッドは、JVCブランドの8Kプロジェクタ「DLA-V9R」と、4Kプロジェクタ「V7」「V5」の3モデルを対象とした最新ファームウェアを10月中旬よりダウンロード提供する。フレーム単位で最適なトーンマッピングを自動で行なう「Frame Adapt HDR」や、スクリーン補正対応製品の追加などが行なわれる。機能の追加は3モデル共通で、ファームウェアはver 3.10。アップデートは無償。

新たに追加される「Frame Adapt HDR」は、従来の「Auto Tone Mapping」(MaxCLL/MaxFALL情報に基づいて画質を自動調整)を進化させた機能で、HDR10コンテンツをより最適な画質で視聴できるというもの。

HDRコンテンツのグレーディング(色調調整)は作品によって異なり、明るく調整されたコンテンツもあれば、暗く調整されたコンテンツも存在するため、正しく映像調整を行なう必要がある。アップデート対象のV9R/V7/V5には、マニュアルガンマ調整や、Auto Tone Mapping機能が搭載されていたが、フレーム単位での自動調整には対応していなかった。

Auto Tone Mapping機能のイメージ

Frame Adapt HDRでは、HDR10コンテンツのフレームごとの最大輝度を独自のアルゴリズムで解析し、プロジェクターでの映像投写に最適なダイナミックレンジにリアルタイム調整。同時に、映像データの彩度・色相・明るさも解析し、補正を行なうことで色相の変化や色抜けを抑える。

これにより、同じコンテンツの中でも暗いシーンではより深い黒の階調を、明るいシーンでは色を損ねることなくピーク輝度を上げることができ、これまでプロジェクターでは難しかった人間の目で見る現実に近い映像を再現する。また入力された映像信号を解析、調整を行なうため、マスタリング情報の有無に関わらず、あらゆるHDR10コンテンツへの対応が可能としている。

フレーム単位での自動画質調整を行なうFrame Adapt HDR機能のイメージ

加えて、従来は12bit相当で行なっていたガンマ処理精度を18bitまで高めることで、階調表現力が向上。HDRコンテンツにおいて課題とされてきた明部の階調段差や暗部の黒つぶれを抑え、高精度でなめらかなグラデーションを再現するという。

このほか、スクリーン補正機能への新たな対応スクリーンの追加、Panamorph製アナモフィックレンズ「DCRシリーズ」の16:9モード対応も行なわれる。

アップデート方法などの詳細は、ホームページを参照のこと。