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フィリップス、睡眠の質を高める音が出るヘッドバンド「SmartSleep」

フィリップス・ジャパンは、睡眠の状態を測定して、眠りの質を高める音を出すというヘッドバンド型デバイス「SmartSleep」(HH1610/02)を11月26日に発売する。価格は42,380円。カラーはグレー。

SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド

一晩の睡眠時間が6時間未満の人などに向けて提案するもので、健康や美容などで注目される“スリープテック”の新製品。使用対象年齢は18歳以上。ヘッドバンド型デバイスとスマートフォンアプリで構成する。睡眠の状態を測定して、深い睡眠に入ると独自アルゴリズムにより、耳元に柔らかいオーディオトーン(音)を左右の内蔵スピーカーから流す。

この音は、深い睡眠の質を高めることを目的に開発されたもので、音楽ではなく周波数500Hz~2kHzの「ブー、ブー」というビープ音のようなサウンドだという。睡眠の状態に合わせて自動で音量を調節し、音の大きさや高さは毎回変化させる。なお、覚醒状態やレム睡眠状態では音は流れない。

なお、医療機器ではないが、米国で行なった調査によれば、2週間の利用で70%のユーザーが「日中の疲労感が軽減したと感じた」という。

睡眠時の利用イメージ

ヘッドバンド部は、付け心地を最適にするというソフトなファブリック素材を使用。額と耳の後ろにあるセンサーで脳波をリアルタイムで測定して睡眠の状態を測る。脳波は2chで測定し、耳の後ろのセンサーは粘着式で、約3日間(3晩)の使い捨て。初回購入時に30枚同梱される。額センサーバンド部は洗浄できるが、それ以外のヘッドバンド部は洗えないため、ウェットタイプのシートを使ってクリーニングする。

バンド部はファブリック素材
写真下側の金色に見える部分が額にあてるセンサー。上のUSBは充電用
耳の後ろにあてるセンサー
横から見たところ
耳にあてるスピーカー部はバンドの中に

専用アプリ「SleepMapper」は、夜間の健康睡眠スコアの表示が可能。睡眠段階の推移をグラフ化して確認できる。また、オーディオトーンの発生回数も可視化。アプリとデバイスの通信はBluetoothを使用する。アプリのアップデートによる機能追加も予定。オーディオトーンの鳴らし方のパターンなども、本体ファームウェアのアップデートで追加することは技術的に可能だという。

アプリ画面

内蔵のリチウムイオン充電池で動作し、使用ごとに充電が必要。充電時間は2~3時間。バンド部の外形寸法は230×275×107mm、重量は約110g。消耗品として、スマートスリープセンサー(2,980円/30個入り)を用意する。

なお、効果が実感できない場合は、30日間の返金保証キャンペーンも行なう。期間は11月~2020年2月までを予定している。

前田健太投手「起きた時にすっきり感」

フィリップス・ジャパンの堤浩幸社長は、睡眠不足について「日本の大きな課題。睡眠から日本の生活を変える」ことを掲げる。自身も「ショートスリーパーと言ってもいいかもしれないが、経営者として、従業員が同じよう(な睡眠時間の短かさ)では生産性が上がらないと思う。モチベーション高く仕事をして、成果が出せることが重要」との考えを示した。

堤浩幸社長
NASAでも実証実験にSmartSleepが使われていることなどを紹介
日本の睡眠の実態など

発表会の特別ゲストにメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースで活躍する前田健太選手、クリエイティブコンサルタントの市川渚氏、流行語にもなった「睡眠負債」の研究で知られる早稲田大学 リサーチイノベーションセンター研究戦略部門 枝川義邦教授もゲストで登場。睡眠とパフォーマンスの関係性についてトークセッションを行なった。

左から、枝川義邦教授、前田健太選手、市川渚氏

投手である前田選手は、「シーズン中は日によって睡眠の時間も質もバラバラ」とのことで、特に登板して勝利したときなどに「アドレナリンが出て眠れない」こともあるという。

前田健太選手

ファッションなどの企業/プロジェクトを主軸に、ブランディングやデジタルコンテンツのプロデュースなどで多忙な市川氏も「ここ2、3年は日中に体がだるいと感じることが多かった。睡眠を測ったところ4~5時間しか寝ていない場合が多く、時間を改善する活動を自分なりにしてきたが、質を改善するのは、寝具を変える、いい香りを漂わせるなど試したが、決定的な手の打ち方がなかなか見つからなかった」とのこと。

2人が実際にSmartSleepを試したところ、前田選手は「使ったのは数日だが、起きた時のすっきり感があって、だるさが残らない。(目覚めた後に)ベッドでゴロゴロせず、起きてすぐベッドから離れられる。強力なアイテムが手に入ったので、シーズン中も、睡眠を管理しながら過ごしていける」と喜んだ様子。

1週間ほど使ったという市川氏は「深い睡眠の時間が伸びている。これからも使うことで日中の状態が変わっていくのが楽しみ」と期待を寄せた。

枝川教授は「睡眠で一番重要なのは休息して回復すること。睡眠状態が悪い人が、深い睡眠を取るのは難しいと考えていたところ、具体的に働きかけるデバイス(SmartSleep)でコントロールできると、睡眠に対して大きな力になるのではと考えている」と述べた。