ニュース

DALIからサウンドバー。70周年記念ユニットを搭載する“横が半透明”スピーカー

国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2019東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで11月22日に開幕。会期は11月24日までの3日間。入場無料だが、当日またはWebでの事前登録が必要。ここではデノンやエソテリック、Technicsなどのブースをレポートする。

会場は東京・有楽町の東京国際フォーラム

デノン

デノンブースでは、フラッグシップシリーズの「SX1 LIMITED EDITION」、ニューエントリーの「600NE」シリーズ、デザインシリーズの「PMA-150H」のサウンドが体験できる。

フラッグシップシリーズの「SX1 LIMITED EDITION」

11月の「秋のヘッドフォン祭 2019」で参考展示された、デンマーク・DALIが手掛けた、初のヘッドフォンも展示。上位機種の「iO6」はノイズキャンセリング機能を搭載、「iO4」は非搭載となる。ハウジングやドライバーのサイズは同じだ。

DALIが手掛けた初のヘッドフォン

DALIの新製品としてさらに、サウンドバー「KATCH ONE」を披露。2020年1月頃の発売を予定しており、価格は17万円前後のイメージ。奥行きが短く、背が高い、サウンドバーとしてはユニークな形状になっており、壁掛けしたテレビの下に、サウンドバーも壁掛け設置するイメージだ。

DALI「KATCH ONE」
奥行きが薄い
背面

Pro-Ject AUDIO SYSTEMSのアナログレコードプレーヤー新機種、3モデルも紹介。11月下旬より順次発売する。創業モデル直系の「X1」、Ortofon製ショートアームを搭載したスペシャルモデル「XTENSION9TA」、Ortofon製ロングアームを搭載したシリーズ最上位「XTENSION12RS」をラインナップ。価格は、「X1」が110,000円、「XTENSION9TA」が400,000円、「XTENSION12RS」が700,000円。

Pro-Ject AUDIO SYSTEMSのアナログレコードプレーヤー「X1」

エソテリック

フラッグシップ「Grandioso」の新世代モデルとして、今年の3月から発売している「VRDS ATLAS」搭載SACDトランスポート「Grandioso P1X」と、初の完全自社設計64bit DAC「Master Sound Discrete DAC」を搭載したモノラルDAC「Grandioso D1X」に注目が集まるエソテリックブース。価格は各350万円で、モノラルDACのD1Xはペアで350万円。

「Grandioso P1X」と「Grandioso D1X」

さらに、12月25日発売予定のネットワークオーディオ再生対応DAC「N-01XD」も展示。価格は150万円。「従来のネットワークオーディオプレーヤーのデジタル入力系統をさらに充実させた新しいコンセプトのネットワークDAC」と位置付け、Master Sound Discrete DACを搭載。DSD 22.5MHzやPCM 768kHzのネットワーク再生や、MQA/Roon/Qobuz/Tidalをサポートする(Qobuz/Tidalは日本未サービス)。

ネットワークオーディオ再生対応DAC「N-01XD」

搭載するMaster Sound Discrete DACは、「音楽の躍動感や、エネルギーの完全な再現」を目指したという64bit対応ディスクリートDAC。贅沢な物量投入を行ない、信号伝達が等距離になるよう、32組の回路エレメントを2つの円形状にならべて配置。回路エレメント8つ1組で1つのDACを構成し、このDACをチャンネルあたり4回路で構成している。

さらに、Grandiosoシリーズ初のスペシャルモデルとなるSACDプレーヤー「Grandioso K1XN(GOLD)」も披露。2020年2月1日発売予定で、全世界50台限定。価格は300万円。

フラッグシップSACD/CDプレーヤー「K1X」に、ESOTERIC初代モデルのP-1やD-1を彷彿とさせる、ゴールドのアルミボディとイエローアンバーの有機ELディスプレイを採用したスペシャルモデル。1~50のシリアルナンバープレートが背面に貼付される。

スペシャルモデルとなるSACDプレーヤー「Grandioso K1XN(GOLD)」
こちらは通常の「K1X」

ノア

ペア130万円で3月から発売している、ソナス・ファーベルのブックシェルフスピーカー「Electa Amator(エレクタ・アマトール) III」。同社最初のモデル「エレクタ・アマトール」を、最新技術を盛り込みながらリ・デザインしたのが特徴。

「Electa Amator III」

スピーカーの底部に、イタリア北部のカッラーラ産の白大理石を使い、アルミニウム製で黒アルマイト処理を施した専用スピーカースタンドもセットになっているのが特徴。

このElecta Amator IIIに採用されている技術も投入しながら、価格を抑えたブックシェルフとして参考展示されたのが「Minima Amator II」だ。スピーカー底部の白大理石は使っていないが、価格はペア52万円に抑えられている。

Electa Amator III

タイムロード

自社ブランドArchitectura(アーキテクチュラ)の新モデルを披露。12月に発売する信楽焼で筐体をハンドメイド製作したスピーカー「Alina」は、土の種類や配合の割合、厚さなどを変えながら、試作を約2年間かけて理想的な音の響きなどを追求したモデル。店頭予想価格は50万円前後(ペア)。

ダブルボイスコイル仕様のAudience製フルレンジドライバーを搭載。エンクロージャーの上部にバスレフポートを備える。

限定の漆仕上げモデルも展示。近くで見ると単なる模様ではなく、油絵のような質感で、凹凸が感じられた。

「Alina」標準カラーの白
漆仕上げのモデル

同ブランドの音響チューニングパネル「Art Stand」は、スウェーデンOffect製の業務用アコースティックパネル「Soundwave」を、オリジナルデザインのアルミ製フレームに装着。一般家庭で使いやすいように設計したという製品。1セット3枚のパネルで構成する組み立て式で、価格は248,000円。

会場では、「ENNIS OFFWHITE」(吸音)と「SWELL Difuser」(反射)をオーディオシステムと共に展示。

ENNIS OFFWHITE(3セット利用時)
SWELL Difuser(3セット利用時)

英NODE(ノード)ブランド製の、3Dプリンターで筐体を製作するスピーカー「HYLIXA(ハイラクサ)」。英ケンブリッジに本拠を置く2018年創業の新鋭オーディオブランドNODEによる第1作目のスピーカー。価格は520万円(ペア)。

3ウェイのフロアスタンディング型で、SLS法(レーザー焼結法)の3Dプリンティングテクノロジーで製作した筐体は、接合部のないユニークな形状。

音の回折を防ぐため、ネジ1本に至るまでスピーカー表面に露出させない「ステルスキャビネット」設計を採用した組立前の筐体や、平面振動板を使ったミッドレンジユニット「BMR」(Balanced Mode Radiator)も見られる。

HYLIXA
組立前の筐体
ミッドレンジユニット「BMR」

スピーカーケーブルには、スーパーコンピューター京の内部配線材をベースに開発されたArchitecturaブランド「KEI」を使用。発売時期は12月。店頭予想価格は2.5m/ペアで10万円前後。ケーブルスタビライザーには「S-Cast」が使用されていた。

ケーブル「KEI」、ケーブルスタビライザー「S-Cast」

Technics

8月に発売し、SACD対応でMQA-CDにも対応したネットワーク/SACDプレーヤー「SL-G700」をメインに出展。DACチップは、旭化成エレクトロニクスの上位モデル「AK4497」をL/Rに1基ずつ、デュアルモノラル構成で搭載。内蔵ヘッドフォンアンプにもこだわり、パワーコンディショナーも内蔵している。

SACD対応でMQA-CDにも対応したネットワーク/SACDプレーヤー「SL-G700」
内部が見える展示も

アナログプレーヤーでは、6月発売のプレミアムクラスの「SL-1500C」やリファレンスクラスの「SL-1000R」などを展示。

「SL-1500C」

さらに、11月15日から発売している新生Technics初のイヤフォン「EAH-TZ700」も聴く事ができる。11月15日に発売されたばかりで、価格は12万円。業界初という、磁性流体を用いた新開発のダイナミック型「プレシジョンモーションドライバー」を搭載。新開発の10mm径「プレシジョンモーションドライバー」は、ボイスコイル部の磁気ギャップに磁性流体を充填し、磁性流体表面をボイスコイルが滑るように動作させることで振動板を正確にストローク。「インサイドホンドライバーとしてこれまでと次元の違う超低歪再生を実現した」という。

新生テクニクス(Technics)ブランドで初となるイヤフォン「EAH-TZ700」

TAD

7月から発売しているReferenceシリーズのフラッグシップスピーカー「TAD-R1TX」(1本500万円)と、Referenceシリーズのパワーアンプ新製品として、12月上旬に発売するモノラルの「TAD-M700」、2chの「TAD-M700S」を組み合わせたデモを行なっている。価格は「TAD-M700」が320万円、「TAD-M700S」が390万円。

左右のスピーカーが「TAD-R1TX」。その内側隣に置かれているのが「TAD-M700」だ

「TAD-R1TX」は、独自の同軸ドライバー「CST」や、TLCC振動板を採用したウーファーなど、TAD独自のオーディオ技術はR1MK2をベースとしながら、材料やフィルター、形状変更などの細部をブラッシュアップすることで音質を向上。加えて、高級家具メーカー・天童木工と共同制作による高精度なエンクロージャーを採用することで「Referenceシリーズにふさわしい風合いと美しさを両立した」という。

「TAD-M700」は「TAD-M600」の後継モデル。M600はモノラルパワーアンプだったが、M700はモノラルに加え、ユーザーニーズに応えて、バイアンプモードを搭載した2chモデルのTAD-M700Sも用意。TAD-M700Sを2台用意する事で、スピーカーの各ユニットを独立してドライブでき、セパレーションが向上するという。なお、どちらのモデルもM600から出力がパワーアップ、M700は700W(1kHz/4Ω)、M700Sは350W/ch(1kHz/4Ω)を実現している。

ヤマハ

ヤマハブースでは、11月に発売したターンテーブル「GT-5000」に、HiFiセパレートアンプ「C-5000」、「M-5000」、スピーカー「NS-5000」を加えたフラッグシップHiFi5000シリーズをデモ。多くの来場者を集めている。

11月に発売したターンテーブル「GT-5000」
スピーカー「NS-5000」

フォステクス

フォステクスのブースでは、クラフト用スピーカーユニットの新製品や、それを使ったスピーカーの試聴が可能。

ユニットの注目は、フォスター電機の創業70周年を記念して、'70年代に製造されていたフルレンジユニットを復刻した「FE103A [Foster 70th Anniversary Model]」だ。10月下旬発売で、ユニットを収める木製化粧箱と社名記載の真鍮製プレートが付属。数量限定で700セットの予定で、価格は70,000円(ペア)。往年のスタイルを継承しつつ、独自のコーン技術やアルニコマグネットなどを採用した。

'70年代に製造されていたフルレンジユニットを復刻した「FE103A [Foster 70th Anniversary Model]」

この「FE103A」専用設計のバスレフ型スピーカーボックスとして12月中旬に発売されるのが、「YK103A」。100ペア限定で、価格は140,000円(ペア)。

エンクロージャー材にタモ無垢材とシナ合板を併用し、ダクトにもタモ無垢材をくり抜いて使うことでより豊かな響きと自然な余韻を実現している。側面には半透明スモーク色のアクリル板を使用し内部が透けて見えるのが特徴だ。

「FE103A」専用設計のバスレフ型スピーカーボックス「YK103A」
側面には半透明スモーク色のアクリル板を使用し内部が透けて見える
FEシリーズのリニューアル FE-NVシリーズも展示