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Netflix会員数が1億6,700万超に。「ウィッチャー」はドラマ1期の最多視聴記録
2020年1月22日 18:06
Netflixは米国時間の21日、2019年第4四半期(10月~12月)の決算を発表。2019年の有料会員数は880万人増(前年比20%増)となり、全世界で1億6,700万人を超えた。
第4四半期の売上高は55億ドルを突破、前年同期比で31%増加した。営業利益は前年比62%増の26億ドル。2019年の総収益は200億ドルを突破。直近数年にわたりNetflixは収益を確保し、利益率は毎年向上。2019年は利益率13%を記録し、2020年は16%と同社は予想している。
'19年12月より配信開始したNetflixオリジナルシリーズ「ウィッチャー」は、配信後28日間で7,600万世帯が再生。“これまでで最も多く視聴されたシーズン1の作品”になるという。
それ以外にもオリジナル作品「YOU -君がすべて-」はシーズン2配信後28日間で5,400万世帯が再生すると推測。「ザ・クラウン」シーズン3も同期間で2,100万世帯以上が再生され、シーズン2から再生数は40%増加。シーズン1配信後以降、計7,300万以上の世帯が再生したという。
第4四半期に公開して再生数が多かったNetflix映画は、「6アンダーグラウンド」(配信後28日間で8,300万世帯が再生)、「アイリッシュマン」(同6,400万世帯が再生)、「マリッジ・ストーリー」(同3,200万世帯が再生)。
Netflixオリジナル映画は、8作品が第92回アカデミー賞で他スタジオを凌ぐ24部門にノミネート。オリジナル映画の製作が開始さたのは5年前だが、「このような結果は、Netflixが才能豊かなクリエイティブチームと協業が図れていることの証左」としている。
2020年後半には、アニメーターのグレン・キーンによるNetflix映画「フェイフェイと月の冒険」(原題「Over The Moon」)を公開予定。その後も、毎年数本、長編アニメーション映画を配信予定。
嵐ドキュメンタリーなどローカル作品に注目。米国以外が成長けん引
日本、インド、英国などの多くの国々で、ローカルで制作されたオリジナル作品の人気が高かったこともトピックとして挙げられている。
日本国内では、アイドルグループ嵐のオリジナルドキュメンタリーシリーズ「ARASHI’s Diary -Voyage-」が2019年12月31日に全世界独占配信を開始。2020年12月31日、嵐の活動休止までの姿を映し出す同作品には、今後12カ月間にわたり28カ国語の字幕付きで全世界に配信される。
スペイン発のNetflixオリジナルシリーズ「ペーパー・ハウス」は全世界70カ国以上で2019年最も視聴された作品TOP10にランクインした。
今後の方針として、「オリジナル作品のジャンルと多様性の拡充にこだわり、独占配信する映画やシリーズの更なる投資を続ける」、「ファミリー向け作品を含めて、多ジャンルで最高のクオリティの作品を目指す」、「それぞれの国における現地の言語で制作されたクオリティの高いドラマシリーズを、幅広く提供する」との考えを示している。
Netflixの利用者数は、テレビやニュース、音楽を含む定額制オンラインサービスの中で最大級。「全世界のブロードバンド普及世帯が8億とされているため、Netflixの利用者数はその1/4以下」としている。
北米における成長は鈍化傾向となっている一方、米国外の国と地域で大きく成長。競合他社の参入や、2019年の月額料金改定の影響を受け、引き続き米国で解約数上昇があったという。
第4四半期における米国の会員数は60万人増を予想していたが、42万人増に留まった。第4四半期の成長の95%は、米国外の国と地域が貢献したという。
アジア太平洋地域(APAC)、ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)、中南米(LATAM)それぞれの地域で記録的な利用者数増がみられた。アジア太平洋地域では、第4四半期で会員数が1,600万人に増加した。
動画配信サービス全般の動向については、「Disney+やHBO Max、Peacock等の新サービスにより、視聴者がかつてテレビからケーブルテレビへ移行したように、従来型のテレビからオンデマンド視聴への移行が加速傾向にある」との見方を示し、「これまでの予想通り、第4四半期において米国では他国以上にDisney+のローンチなど競合の動きの影響がみられた。ただし、長期的な視点では成長機会は依然として大きい」としている。
その一方で「過去数年間で、競合の成長に関わらずNetflixが『メンバーが自由に選択でき、体験をコントロールできる環境の提供』に集中する大切さを学んだ。2020年以降も、メンバーの視聴体験の改善を続ける」とまとめている。