ニュース

Bluetooth新音声規格「LEオーディオ」。圧縮効率向上・マルチ配信・シェアリング

Bluetooth SIGは6日(米国時間)、米国ラスベガスで開催中のCES 2020において、次世代のBluetooth音声規格「LEオーディオ」を近日リリースすると発表した。新コーデック「LC3」の採用、複数台へのマルチストリームやシェアリング、補聴器機能を新たにサポートするという。仕様書の提供は'20年前半を予定する。

新音声規格「LEオーディオ」では、高品質・低電力が特徴という新しい音声コーデック「LC3」(Low Complexity Communication Codec)を採用。低データレートでありながら高い品質を保持でき、開発者はオーディオ品質と消費電力を両立させた製品仕様に仕上げることができるという。

Fraunhofer IIS(集積回路研究所)のAudio for Communications部門長を務めるManfred Lutzky氏によれば「様々なリスニングテストの結果、LC3のビットレートが50%と低い中で、オーディオ品質においてClassic AudioのSBCコーデックを上回ることが裏付けられた。開発者はこの省電力性を活用することで、さらにバッテリー寿命の長い、あるいは現在の寿命が十分に長い場合はより小型化されたバッテリーを使用して、フォームファクター(形状因子/形状係数)を抑えた製品開発が可能となる」としている。

スマートフォンなど、複数台のオーディオソースデバイス間でのオーディオストリーミングによるマルチ配信や独立配信、同期配信が行なえる「マルチ・ストリーム・オーディオ機能」を搭載。同機能を利用することで、より良い立体音像やシームレスな音声アシスタントサービス、複数台のオーディオソースデバイス間のスムーズな切り替えも行なえるという。

「ブロードキャスト・オーディオ機能」では、台数制限無しに、オーディオデバイスへコンテンツの放送を実現。自身のスマートフォンにある音楽コンテンツを周囲の家族や友人とシェアするなどのパーソナルな用途に加え、空港やバー、ジム、映画館、会議センターなどの公共施設の利用も想定。

例えば、公共施設にある消音されたテレビの音声を受信したり、劇場や講堂などで耳が不自由な方々に同伴する来場者のアシスト、複数言語でのサポートも可能になるとする。

補聴器向けの機能も用意されており「LEオーディオでは、現在のBluetooth補聴器を発展させ、Bluetoothオーディオが持つすべての価値を多くの補聴器使用者に提供できる設計となっている」という。