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次世代Bluetooth「LEオーディオ」の解説書を無償配布

Bluetooth SIG公式サイトより

Bluetooth SIGは、音声規格・LEオーディオの仕様を解説した入門書「Introducing Bluetooth LE Audio」(英語)の無償提供を開始した。アプリケーションの開発に活用できるほか、「開発者だけでなく、技術戦略担当、アナリスト、投資家のための書籍」になっているという。

既報の通り、LEオーディオはCES 2020で発表された、次世代のBluetooth音声規格。高品質・低電力が特徴という新コーデック「LC3」を採用するほか、複数台へのマルチストリームやシェアリング、補聴器機能などが新たにサポートされているのが特徴。

新コーデック「LC3」と、既存コーデック「SBC」のリスニングテスト比較。実験では、SBCよりもLC3が高スコアを獲得したとする

同規格は、小さな補聴器のプロジェクトから生まれ、それがBluetooth SIGが行なった最大の単一仕様開発へと発展。補聴器業界で開発された技術やユースケースは、民生用オーディオ市場の動向をかなり先取りしたものだったが、8年間の開発期間に2回のCore仕様の大幅な改訂を行なったことで、新しい高効率コーデック「LC3」と23種類のプロファイル、サービス仕様が完成したという。

入門書「Introducing Bluetooth Audio」の目的は、LEオーディオの仕様を、その背景にある歴史と理論に照らし合わせ、異なる部品がどのように関連し合うのかの理解を深めてもらうこと。また、仕様書と実際の製品とを関連付けることができるように、ヒアラブルがどのような製品で構成されているのか、市場に関する背景情報も提供しているとのこと。

著者であるNick Hunn氏は「仕様開発に携わった私たち全員が、Bluetooth LE Audioは我々の興味をかき立てるような新しいオーディオ製品やアプリケーションを開発するためのすべてのツールを提供してくれると考えています。そして、この本がそれらの新しいコンセプトの説明に役立ち、開発者がイノベーションの新たな高みに到達するきっかけとなることを願っています」と述べている。