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Audibleで“聴く映画”。「audible ORIGINAL」で堤幸彦監督の最新作配信

「audible ORIGINAL」

Amazonは19日、ナレーターや声優が朗読した本をアプリで聴ける「Audible」の戦略発表会を開催した。Audible APACシニアバイスプレジデントのマシュー・ゲイン氏が日本市場における今後の戦略を明かしたほか、「さらなるオーディオコンテンツの飛躍に挑む」として新コンテンツ「audible ORIGINAL」の展開を発表。「SPEC」などを手掛けた堤幸彦監督のオリジナル作品「アレク氏2120」などを19日から一挙配信する。一部作品は、Audible会員であれば追加料金なしで聴くことができる。

Audibleは、世界最大級のオーディオブック及び音声コンテンツ制作・配信サービス。約40万におよぶオーディオコンテンツや、同サービスでしか聴けないポッドキャストなどを配信しており、月額1,500円(税込)で利用できる。日本では2015年にサービスがスタートし、今年で5周年の節目を迎えている。

イベントに登壇したゲイン氏は「2020年はコロナの影響でチャレンジングな1年になった」としながらも「ステイホームを通じて、新たなライフスタイルにオーディブルが取り入れられた。日本だけでなく、世界中でポジティブな影響があった」とコメント。日本では過去1番の成長だったことをグラフとともに紹介した。

Audibleの利用動向についても明らかにされ、日本のユーザーがAudibleを利用する時間は、1週間で平均14.8時間。世界規模では、1日平均の利用時間は2時間だったという。平均タイトル購入数は年間20冊で、この年間購入数は、一般的な日本人の平均書籍購入数よりも多いとのこと。

人気だったオーディオブックは、メンタリストDaiGoが執筆した「自分を操る 超集中力」や、劉慈欣作のSF小説「三体」、香月美夜作のライトノベル「本好きの下剋上」などで、紙媒体や電子書籍で人気の本は、Audibleでも人気だったという。

またAudibleは、10月27日に会員向け特典をリニューアル。従来どおり、約40万のオーディオブックから、毎月好きなコンテンツをひとつ自由に選べるほか、Audible側が厳選したおすすめの1冊を「今月のボーナスタイトル」として聴くことができるようになった。ポッドキャストも聴き放題。

そしてゲイン氏は最後に「2020年は始まりに過ぎない。2021年はさらに飛躍の年になる」と語り、続いて登壇したビジネスアフェア・コンテンツディレクター宮川もとみ氏が、今年冬から'21年にかけたコンテンツとして、Audibleが手掛けるオリジナルコンテンツ「audible ORIGINAL」を紹介した。

「日本の闇を描く」ドキュメンタリーや堤監督の「未体験のエンターテインメント」配信

audible ORIGINALは、「さらなるオーディオコンテンツの飛躍に挑むべく」制作されるコンテンツ郡。具体的には「ドキュメンタリー」、「パブリッシング」、「インターナショナル」、「エンターテインメント/聴く映画」の4分野で展開される。

「DARK SIDE OF JAPAN-ヤクザサーガ-」

「ドキュメンタリー」としては、VICEと制作した「DARK SIDE OF JAPAN-ヤクザサーガ-」を配信する。全5部構成で、年末にかけて順次配信。第1部の配信は19日から。

【Audible】『DARK SIDE OF JAPAN ヤクザサーガ 』予告動画

「音声だけだからこそ、語れることがあるのではないか」という発想のもと、顔出しNGのヤクザや汚職刑事、殺人犯などに対し、数百時間におよぶインタビューを実施。ヤクザになった経緯や、現在の思いなどを取材したコンテンツで、「日本の闇のリアル」を届けるという。

「パブリッシング」は、「進化するオーディオブック」に位置づけられるもの。従来のオーディオブックは、すでに書籍として出版されている作品を、プロのナレーターが朗読したものだったが、audible ORIGINALでは、オーディオブック向けにゼロから作品を制作する。

具体的には、出版大手の新潮社とタッグを組み、耳から楽しむための物語を作家がゼロから執筆し、Audibleで配信。「日本ならではの新たなストーリーテリングをお届けする」とのこと。

第1弾作品を担当する作家については、国内はもちろん、世界でも注目されている人物を起用する予定だといい、詳細は'21年初春に発表される。

「THE LEADER'S GUIDE リーンスタートアップ式 新時代の組織を作る方法 超実践編」

「インターナショナル」は、欧米ですでに定着している“オーディオ・ファースト”のコンテンツを日本に輸入、展開するもの。第1弾としてはニューヨーク・タイムズのベストセラー著者であるエリック・リース氏が“オーディオ・ファースト”で制作した最新作「THE LEADER'S GUIDE リーンスタートアップ式 新時代の組織を作る方法 超実践編」の日本語版を配信開始。

「アレク氏2120」

最後の「エンターテインメント/聴く映画」は、「音声が可能にする、未体験のエンターテインメント」に位置づけられるもの。第1弾コンテンツのクリエイターには、「TRICK」や「SPEC」などを手掛けた堤幸彦監督が起用された。

【Audibleオリジナル】11月19日公開!アレク氏2120 Behind the Scenes

第1弾作品の「アレク氏2120」は、「前代未聞の映画級ポッドキャスト」と銘打たれ、声優の梶裕貴や山寺宏一、三石琴乃、俳優の窪塚洋介や尾上松也などが出演する。

「アレク氏2120」には豪華キャストが集結

山寺演じる2120年からきたAI刑事「アレク氏」が、梶演じるEcho大好きな普通の大学生「西門慧」のAlexaにインストールされてしまい、ともに窪塚演じる2120年からきたクライムAI「ASKR」の犯罪を阻止しようと試みるというストーリー。「100年後の世界観と現在がが交差し、今を生きる私たちに、友情とは何か、人間とは何かを問う作品」とのこと。

ノベライズ版「SPEC I」も配信

「アレク氏2120」は全12話構成で、1~3話は19日16時より配信中。4話以降は随時追加される。また、本作の配信にあわせ、堤監督作である「SPEC」およびSPECサーガ完結編「SICK'S」のノベライズ版もオーディオブックとして配信が決定。第1巻「SPEC I」は配信開始されており、第2巻以降は予約を受け付けている。

今回発表された作品のうち、「アレク氏2120」、「DARK SIDE OF JAPAN-ヤクザサーガ-」「THE LEADER’S GUIDE リーンスタートアップ式 新時代の組織を作る方法 超実践編」は、Audible会員であれば追加料金なしで、ポッドキャストとして好きなときに聴くことができる。